目次
はじめに
目的
シーズーを健康に育てたい方のために、適切な餌の量や回数、年齢・体重・健康状態ごとの違い、給餌のポイントをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 成長段階ごとの基本的な給餌方針
- 体重や健康状態に合わせた調整の考え方
- ドッグフードの種類による扱い方の違い
- 毎日の体調チェックで気を付ける点
使い方と注意点
各章は順に読めば実践しやすい構成です。まずは第2章で基本の目安を確認し、続けて成長段階や計算方法の章で自分の犬に合わせて調整してください。小型犬のシーズーは少量を回数で分けることが多く、便の状態や体重の変化を見ながら調整します。しかし個体差が大きいため、気になる変化があれば早めに動物病院に相談してください。
シーズーの餌の量:年齢・体重・健康状態別の適正な給餌量と調整ガイド
基本の考え方
シーズーは小型犬で体重や活動量が個体ごとに変わります。餌の量は「年齢」「体重」「健康状態(肥満、痩せ、妊娠・授乳、老犬など)」で調整します。ここでは分かりやすい目安と具体的な調整法を紹介します。
年齢・体重別の目安(ドライフードの場合の一例)
- 子犬(1〜3ヶ月):3〜4回に分けて合計160〜200g/日(成長期は多め)
- 子犬(4〜7ヶ月):2〜3回に分けて合計110〜180g/日
- 成犬(体重4〜6kg):1〜2回で合計80〜120g/日
- 成犬(活動が多い・6〜8kg):100〜140g/日
- 老犬(活動量低下):80〜100g/日(低めに調整)
※フードのカロリー密度で変わります。パッケージの目安も参考にしてください。
健康状態別の調整方
- 太り気味:1回の量を10〜20%減らす。おやつは全体の10%以内に。
- 痩せ気味:1回の量を10〜20%増やし、栄養価の高いフードを選ぶ。
- 妊娠・授乳中:妊娠後期〜授乳期は必要量が20〜50%増えることがあるので獣医と相談する。
- 持病(腎臓病など):医師の指示に従う。自己判断で増減しない。
調整の手順(実践的)
- 現在の体重と体型(肋骨の触れ具合)を確認する。肋骨が触れて見えるなら増量、触れない場合は減量。
- 目安量から10%単位で増減する。変更後は1〜2週間観察する。
- 体重は月1回は測る。変化が大きければ獣医へ相談する。
餌の量は「パッケージの目安」+「個体の様子」で決めることが大切です。不安があれば早めに動物病院へ相談してください。
成長段階別|シーズーに与える餌の量と回数
子犬(生後1〜9ヶ月)
生後1〜9ヶ月の子犬は成長が早いので栄養と回数が重要です。目安は体重1kgあたり約21gのドライフードを1日5回に分けて与えます。例えば体重2kgなら約42gを5回(1回あたり約8〜9g)です。急激に与えすぎず、食欲や体重の増え方を見ながら調整してください。
成犬(1歳以上)
一般的には1日2回が目安です。体重別の目安量は次の通りです。
- 2〜5kg:1日合計55〜100g
- 5〜10kg:1日合計75〜150g
体重が中間の場合は活動量や体型で量を調整します。例えば散歩が多いなら多めに与え、室内で穏やかな生活なら少なめにします。
シニア(11歳以上)
活動量が落ちるため給餌量を減らします。活動係数の目安は、老犬や肥満傾向では1.4、減量中や安静時は1.0〜0.8です。フードの種類も消化に優しいものに切り替えると安心です。
回数・時間・調整のコツ
子犬は徐々に回数を減らし、生後6〜12ヶ月で3回、1歳で2回に移行することが多いです。餌の量は定期的に体重を測り、体格(肋骨の触れ具合)で微調整します。
注意点
おやつのカロリーも総摂取量に含めます。急な量の変更や極端な減食は避け、気になる場合は獣医師に相談してください。
シーズーの餌量の計算方法
はじめに
カロリー計算で給餌量を求めると、体重や活動量に合った量を出せます。ここではRERとDERを使った具体的な手順と例を示します。
計算手順(4ステップ)
- RER(安静時エネルギー必要量)を計算します。
- 式:RER = 70 × 体重(kg)^0.75
- 例:体重5kg → RER ≈ 70 × 5^0.75 ≈ 234 kcal
- 活動係数を選びます(目安)
- 成犬:1.8
- 去勢・避妊:1.6
- 老犬・肥満傾向:1.4
- ダイエット中:1.0
- 安静(安静が多い場合):0.8〜1.0
- DER(1日必要カロリー量)を求めます。
- 式:DER = RER × 活動係数
- 例(成犬1.8):DER ≈ 234 × 1.8 ≈ 421 kcal
- フード量に換算します。
- 式:給餌量(g/日) = DER ÷(フードのkcal/100g)×100
- 例:フードが350 kcal/100g → 421 ÷ 350 × 100 ≈ 120 g/日
応用と注意点
体重や年齢、健康状態で係数を調整し、体重を定期的に測って給餌量を見直してください。体重が増える・減るときは係数や量を調整し、疑問があれば獣医師に相談してください。
ドッグフードの種類による違いと目安の取り方
1. ドッグフードの主な種類
- ドライ(粒):カロリー濃度が高く保存しやすい。一般的に100gあたり350–450kcal程度。
- ウェット(缶・パウチ):水分が多くカロリーは低め(80–150kcal/100g)。食いつきが良い反面、量で満たすと過剰になりやすい。
- 手作り・生食:栄養バランスの管理が難しいため獣医の指導推奨。
2. まずはパッケージの給餌量を基準に
製品ごとにカロリーや栄養が違うため、パッケージ記載の目安量を出発点にします。年齢・体重の欄を確認してください。
3. カロリー表示を使った目安の取り方
与える量をカロリーで揃えると分かりやすいです。例:理想体重に対して1日300kcalが目安なら、ドライなら約70–90g、ウェットなら200–350gになります。
4. 便と体型で微調整する方法
- 便が柔らかい:与えすぎの可能性。10〜20%減らす目安。
- 便が非常に硬いや体重減少:不足のサイン。同様に10〜20%増やして様子を見ます。
5. 切替時・混ぜるときの注意
新しいフードへは7〜10日かけて徐々に切り替えます。混ぜる場合はカロリー合計を合わせて調整してください。
6. 特別な製品の扱い
高カロリー設計や療法食は獣医の指示に従ってください。成分表示とカロリーを確認し、日々の量を調整しましょう。
体調と体重管理のポイント
理想的な便の状態
最適な便の硬さは、持ち上げると下にうっすら跡が残る程度が理想です。形が整っていて軟らかすぎない状態を目安にします。血や粘液が混ざる、極端に柔らかい・硬い場合は注意が必要です。
体型と体重の確認方法
・週に1回、同じ時間帯に体重を測ります(起床後や食前が望ましいです)。
・肋骨を軽く触れて、わずかに触れる程度なら適正です。肋骨が触れすぎると痩せ気味、触れにくいと太り気味です。
・上から見たときに腰にくびれがあるか、横から見て腹部が持ち上がっているかもチェックします。
給餌量調整の目安
・少し太り気味なら、まず給餌量を10〜20%減らし、運動を増やします。
・痩せ気味なら、給餌量を10〜20%増やし、消化の良い高カロリー食を検討します。
・変化は7〜10日かけて徐々に行い、便の状態と体重を観察します。
出産・活動量の変化への対応
・出産後や授乳期、運動量が大幅に増えるときは給餌量を最大で約50%増やすことがあります。逆に活動が減れば同程度まで減らすことを考えます。
・このときも急激に変えず、数日から1週間かけて調整します。
病気のサインと受診の目安
・食欲が急に落ちる、短期間で体重が大きく変動する、持続する下痢や嘔吐、血便、ぐったりしている場合は獣医師に相談してください。適切な診断と治療が必要です。
シーズーの餌代の目安(例)
ここでは、標準体重5kgの成犬に1日104g与える場合の餌代の目安を具体例で示します。目安はフードの価格やおやつの有無で変わりますので、代表的な計算方法と節約のポイントも併せて紹介します。
前提条件
- 体重:5kgの成犬
- 給餌量:1日104g
- 1か月=30日で計算
計算例(ドライフード・プレミアムクラス)
- 月間消費量:104g×30日=3,120g=約3.12kg
- フード価格の例:2,200円/kgの場合 → 月額2,200×3.12=6,864円、年間約82,368円
- 価格差の幅を持たせた例:月額6,795円〜7,560円、年間約81,500円(プレミアムフードの例)
価格はメーカーや粒の密度、原材料によって変わります。たとえば、穀物不使用や高タンパクのものは単価が上がる傾向です。
補足(おやつやウェットフード)
- おやつ:月数百円〜数千円程度が目安。トレーニング量で変わります。
- ウェットフードやトッピング:併用するとコストが増えます。週に数回の併用でも年間で数千〜数万円の差が出ます。
節約のヒント
- 大容量や定期購入で割安になることが多いです。
- 獣医師推奨の機能性フードは費用対効果を確認して選びましょう。
- おやつは低コストの代替品や回数を調整すると負担が減ります。
まとめ:シーズーの給餌量調整のポイント
結論のポイント
シーズーは個体差が大きい犬種です。成長段階、体重、運動量、健康状態に合わせて給餌量を柔軟に調整してください。以下のポイントを日常の目安にしてください。
目安の取り方
- ドッグフードのパッケージ記載量とカロリーを基準にする。
- 体重1kgあたりのカロリー目安を算出し、必要に応じて増減する。
日々のチェック項目
- 体重:定期的に測る。月に1回以上が望ましい。
- 体型:肋骨がうっすら触れるのが理想。太りすぎ・やせすぎは調整のサイン。
- 便の状態:形・色・回数を観察し、変化があれば給餌量やフードを見直す。
給餌の回数とタイミング
- 子犬:回数多め(1日3〜4回)。
- 成犬・高齢犬:1日2回が基本。消化や生活リズムに合わせて調整する。
- おやつは総カロリーに含めて管理する。
特別な配慮
- 妊娠・授乳期、病気、体重管理が必要な場合は獣医師に相談する。
日々の観察を続け、変化に応じて給餌量を見直す習慣をつけると、シーズーの健康を守れます。