犬用フード・おやつ

柴犬の餌の量を年齢別に正しく見極める方法とは

はじめに

目的

本書は、飼い主さんが柴犬に与える餌(ドッグフード)の量・回数を分かりやすく確認できるように作成しました。年齢や体型、運動量に合わせた目安、調整のポイント、フード選びの注意点まで幅広く扱います。

誰に向けた内容か

  • 初めて柴犬を飼う方
  • 今の給餌量でよいか不安な方
  • 食事管理を見直したい方

本書の使い方

各章は独立して読めますが、基本は年齢別の目安(第3章)と成犬の具体例(第4章)を先にご覧ください。餌量を調整するポイント(第5章)で実際の対応方法を学べます。

大切なポイント

  • 同じ犬でも適正な量は変わります(年齢・体格・運動量・体調)。
  • 体重管理と食事のバランスが健康の基本です。

注意事項

持病がある、急に体重が増減した、食欲が落ちた場合は早めに獣医師に相談してください。次章から具体的な目安と調整方法を丁寧に説明します。

柴犬に適切な餌の量とは?

基本的な考え方

ドッグフードの量は、まずフードのパッケージに記載された「給餌量」を基準にします。フードごとにカロリーや成分が異なるため、体重だけの統一基準はありません。パッケージは体重別に目安が示されていることが多く、そこから始めて調整します。

給餌量の確認方法

パッケージに「体重○kgの場合、1日○g」と書かれていることが一般的です。記載がカロリー表示の場合は、犬の必要エネルギー量と照らし合わせて換算します。成犬は通常1日2回に分けて与えると消化に優しいです。

個体差を考慮するポイント

年齢、運動量、性格(活動的か落ち着きがあるか)、避妊・去勢の有無で必要量は変わります。季節や体調の変化も影響しますので、定期的に見直します。

便と体型での判断材料

便が柔らかい・緩いと感じたら与え過ぎ、便が硬すぎる・細いなら量が足りない可能性があります。肋骨が手で軽く触れる程度が理想の体型の目安です。

実践のコツ

計量カップではなくキッチンスケールで量ると正確です。量を変更する際は1〜2週間かけて少しずつ調整し、体重や便の状態を記録すると判断しやすくなります。迷ったら獣医師に相談してください。

年齢ごとの餌の量と回数の目安

幼犬(生後〜3ヶ月)

消化器官が未発達なので、1回の量を少なくして3〜5回に分けて与えます。1回ごとに消化しやすい量にし、体重や元気さを見ながら少しずつ増やします。便の状態や体重増加が順調ならそのまま続けます。

生後4〜5ヶ月

成長が早いため給餌回数を3〜4回に減らします。1回あたりの量は少し増やし、1日総エネルギー量は獣医師やフード表示を参考に調整します。運動量が多い子はやや多めにします。

6ヶ月以降(成犬に向けて)

基本は1日3回が目安です。半年以降は消化力が安定するため回数を減らし、食事リズムを整えます。体格や活動量に応じて1回の量を決めます。

成犬(成長終了後)

一般的に朝晩の2回給餌が多いです。運動量や体重管理に合わせて1回量を調整します。過食を防ぐため規則正しい時間に与えます。

シニア犬(7歳以上)

運動量が減るため総カロリーを抑える必要が出ますが、筋肉維持のためたんぱく質は確保します。基本は2回に分け、消化の負担や体重の変化を見て量を減らすか回数を維持します。

量の目安と注意点

幼犬は体重あたりの必要量が成犬の2〜3倍になることがあります。与える量はフードパッケージの推奨量を目安にし、体重の増減や便の状態、毛艶で調整してください。急に量を変えず、少しずつ調整することが大切です。

具体的な給餌量の例(成犬の場合)

前提

体重8kgの成犬に対する一例です。使用するフードは「モグワン」、価格は1kgあたり2,354円を想定します。個体差やフードの種類で必要量は変わるため、あくまで目安としてください。

計算例

  • 1日の給餌量:約146g(例)
  • 1か月の総量:146g × 30日 = 4,380g = 約4.38kg
  • 1か月の餌代:4.38kg × 2,354円/kg ≒ 10,320円(四捨五入)

給餌回数と与え方

  • 基本は1日2回に分けて与えると消化に優しくなります。1回あたりは約73gです。
  • 計量はキッチンスケールで正確に行ってください。目分量は誤差の原因になります。

調整のポイント

  • 運動量が多い犬は+10〜20%、運動量が少ない・避妊去勢済みは−10〜20%を目安に増減してください。
  • 体型(肋骨の触れやすさ)や体重の変化、糞の状態を見て微調整します。
  • 持病や特別な食事管理が必要な場合は獣医師に相談してください。

注意点

  • おやつや人間の食べ物もカロリーに含めて計算してください。
  • 水は常に新鮮なものを用意してください。
  • 上記はあくまで目安です。定期的に体重を測り、必要なら給餌量を見直してください。

餌の量を調整するポイント

運動量に応じた調整

運動量が多い柴犬は、給餌量をやや増やします。目安として通常量の5〜15%を増やすと良いでしょう。例えば、毎日合計で1時間以上活発に運動する場合は約10%増を検討します。逆に運動が少ない日は少なめにします。

便の状態で調整する

便が柔らかすぎる場合はフード量をまず10%程度減らし、3〜5日様子を見ます。便が硬すぎる、または痩せ気味で筋肉が落ちてきた場合は同じく10%程度増やします。変化が出るのに数日かかるため、すぐに判断せず観察します。

おやつとカロリー管理

おやつは1日の総カロリーに含めます。総摂取カロリーの1割〜2割以内に抑えるのが目安です。例えば1日の必要カロリーが400kcalなら、おやつは40〜80kcalまでにします。市販品は表示を確認し、手作りは量を控えめにします。

体重と見た目での目安

月に体重が1〜2%変動するのは許容範囲です。急激な増減や明らかな体型の変化があれば、獣医に相談してください。毎週の体重測定と肋骨の触診で適正か確認します。

調整時の注意点

急に大幅に変えると胃腸に負担がかかります。調整は一度に10%前後、数日〜1週間単位で行い、全体の様子を見ます。子犬・高齢犬・持病のある犬は獣医と相談してから変更してください。水分補給も忘れずに管理します。

フードの選び方とその他の注意点

良いフードの見分け方

主原料が肉や魚など動物性タンパク質であることを確認してください。タンパク質・脂質・繊維の比率はパッケージの成分表でチェックします。安価なフードはかさが多く、同じカロリーを与えると量が増えて結果的にコストがかかることがあります。

ライフステージと健康に合わせる

子犬用・成犬用・高齢犬用など、年齢に合った配合を選んでください。持病(アレルギー、腎臓病など)がある場合は獣医師の指示に従い特別食を選びます。

ラベルの読み方(わかりやすく)

原材料は前方に多く使われているものが記載されています。粗タンパクや粗脂肪の数値を見て、活動量に応じたものを選びましょう。

フードの切り替え方(消化不良を避ける)

急に変えると下痢や嘔吐が出ることがあります。7〜10日かけて徐々に混ぜる方法がおすすめです(例:初日〜2日 25%新/75%旧 → 3〜4日 50/50 → 5〜6日 75/25 → 7日以降 新のみ)。

保存と与え方の注意点

開封後は湿気や酸化を避け、涼しく乾燥した場所で保存します。量はパッケージのカロリーと愛犬の体格・活動量を基準に調整してください。

おやつとカロリー管理

おやつも総摂取カロリーに含めます。与えすぎないように毎日の与える量を決めましょう。

獣医師に相談を

成長や体重、毛艶に不安があれば早めに獣医師へ相談してください。食事の細かい調整は専門家の助言が安心です。

餌の量が適切か判断する方法

体型(見た目と触診)

肋骨がうっすら触れる程度が理想です。触り方は手のひらで軽く押して確認してください。肋骨が全く触れないと肥満傾向、逆に肋骨がはっきり浮き出ると痩せ気味です。見た目では腰まわりにくびれがあるかも合わせて見ます。

便の状態

便は手でつまめる程度の硬さで、形を保っているのが正常です。においや粘液、血が混じる、または下痢や軟便が続く場合は餌や量を見直します。回数は個体差がありますが、成犬で1日1〜3回が一般的です。

体重の管理

定期的に体重を測り、短期間で増減が激しい場合は餌量や運動量を調整します。成犬は月に1回、子犬は週に1回の計測が目安です。

行動・被毛・食欲の観察

散歩で疲れやすい、被毛がパサつく、食欲の落ち込みや過剰な食欲は栄養バランスや量のサインです。普段の様子と比べて変化があるか見てください。

調整の目安(すぐできる対策)

・やや太り気味:給餌量を5〜10%減らし、運動を増やす。\
・やや痩せ気味:給餌量を5〜10%増やすか、カロリーの高いフードに変更する。\
急な変更は避け、数週間かけて様子を見ます。

獣医師に相談するタイミング

急な体重減少や増加、持続する下痢・嘔吐、血便、食欲がなく元気がない場合は早めに相談してください。既往症がある場合も与える量は獣医師と相談しましょう。

よくある質問とトラブル対応

食べないときの主な原因と対処

  • 運動不足:散歩や遊びを増やして運動量を上げます。活動が増えると食欲が戻ることが多いです。
  • 与えすぎ:一回量が多いと残すことがあります。回数を増やして量を減らす方法を試してください。
  • フードの好み:フードは好みによります。新しいフードは7〜10日かけて徐々に切り替えます。
  • おやつの与えすぎ:おやつが主食を食べなくする原因です。おやつの回数と量を決め、主食量を調整してください。
  • 病気の可能性:嘔吐、下痢、元気消失、発熱などを伴う食欲不振は早めに獣医師に相談してください。

急な体重増減への対応

  • 体重増加:運動を増やし、総カロリー(主食+おやつ)を見直します。フードのカロリー表示を確認し、必要なら量を減らします。
  • 体重減少:食欲や排便、活動の様子を記録し、続く場合は受診してください。急激な減少は病気の兆候です。

嘔吐・血便など緊急のサイン

  • 継続する嘔吐、血便、ぐったり、脱水の兆候、呼吸困難は緊急です。すぐに動物病院へ行ってください。

フード切替の具体手順

  • 7〜10日かけて混ぜ比率を変えます(初日:旧7新3→徐々に新を増やす)。急な切替は避けてください。

歯や口の問題の確認

  • 口臭やよだれ、食べにくそうなら口内のチェックを。歯周病や口内の痛みで食べなくなることがあります。

食事の変化は小さなサインです。少しの変化は観察で済むことも多いですが、急な変化や重い症状がある場合は早めに獣医師に相談してください。

-犬用フード・おやつ
-, ,