犬用フード・おやつ

犬の腎臓病でも安心して食べられるおやつとボーロとは

はじめに

犬が腎臓病と診断されると、食事やおやつの扱いに不安を感じる飼い主さんが多いです。本稿は、腎臓病の犬に「ボーロ」をはじめとするおやつを与えてよいか、どのように選べば安全かをわかりやすく説明します。

まず目的は三つです。1) 腎臓病の犬に特有の注意点を簡潔に示す、2) おやつの成分で気をつけるポイントを具体例で挙げる、3) 実際の選び方と与え方の注意点を紹介する、です。専門的な用語はできるだけ避け、塩分やリン、たんぱく質など身近な言葉で説明します。

本稿は獣医師の代わりにはなりません。愛犬の状態は個々に違いますから、食事やおやつを変更する際は必ず獣医師に相談してください。次章以降で、腎臓病の犬におやつを与えてよいか、具体的な選び方やおすすめのボーロなどを順に解説していきます。

腎臓病の犬におやつは与えてもいいのか

結論

腎臓病の犬でも、おやつを完全に禁止する必要はありません。栄養成分を慎重に選べば、気分転換やごほうびとして少量なら与えてよいです。ただし進行度や体重によっては控えるべき場合があります。

注意すべき栄養成分

  • リン:腎臓に負担をかけやすいので、乳製品や内臓類は避けます。市販のおやつの成分表示で「リン」や原料を確認してください。
  • ナトリウム(塩分):塩分はむくみや高血圧を招くため、塩味の強いおやつは与えないでください。
  • カリウム:バナナやジャガイモはカリウムが多めです。症状により控えます。
  • タンパク質量:高齢犬の腎疾患ではタンパク質の質と量を調整する必要があります。タンパク質が多いおやつは少量にします。

実際に与えるときのポイント

  • 量を少なめに:おやつは1日のカロリーの10%以下を目安にします。
  • 単純で加工の少ない素材:蒸したかぼちゃの小片やリン・カリウムが比較的低めのリンゴ(皮・芯を除く)などが選択肢です。
  • 処方食と合わせる場合:処方食があるなら、その指示に従い、獣医師におやつの種類を相談してください。

与えない方がよい例

  • 塩味や調味料の強い加工品、チーズや内臓、甘味料(キシリトールなど)は避けます。

最後に

おやつは犬の生活の楽しみの一つです。安全に与えるために、獣医師と相談しながら素材・量を工夫してください。

腎臓病の犬向けおやつの選び方

基本の考え方

腎臓に負担をかけないおやつを選びます。ポイントは「低リン」「低ナトリウム」「低カリウム」です。これらが高いと腎臓に負担がかかるため、成分表示を確認してください。

安心して使える素材の例

  • 穀物ベース(米・小麦粉)のクッキーやビスケット
  • さつまいも、りんごなどの果物(加糖や加工の少ないもの)

市販品を選ぶときのチェックリスト

  • 成分表示が明確か確認する
  • 無添加や保存料が少ない商品を選ぶ
  • 「獣医師監修」や「腎臓配慮設計」と明記されたものを優先する

手作りおやつのポイント

簡単な材料で薄味に作り、与える量を少なくすることが大切です。塩や調味料は使わないでください。

与える量と管理

少量を短時間で与え、普段の食事とのバランスを考えてください。新しいおやつは少しずつ試し、体調(食欲や水の飲み方)を観察する習慣をつけましょう。獣医師に相談してから量を決めると安心です。

「ボーロ」は腎臓病の犬に適したおやつか

成分と特徴

ボーロは主にでんぷんや米粉、小麦粉、卵、砂糖で作られます。一般的にリンやカリウムは多く含まれず、腎臓病の犬にも比較的与えやすい素材です。食感がやわらかく小型犬でも食べやすい点が特徴です。

腎臓病の犬に向く点

リンやカリウムが少ないため、基本的には選択肢になり得ます。小分けにして与えやすく、投薬の補助に使いやすい利点があります。砂糖や塩分が控えめなものを選べば、負担を抑えられます。

注意すべきポイント

ナトリウム(塩分)や砂糖の量、保存料や香料などの添加物に注意してください。塩分が多いと腎臓や心臓に負担をかけることがあります。砂糖が多いと体重管理や歯の健康に影響します。原材料表示をよく確認し、家族の犬の療法食と合わせて与える量を調整してください。

市販の腎臓配慮タイプについて

腎臓配慮をうたうボーロは、成分を調整している場合があります。ナトリウム、リン、カリウムを抑えたり、たんぱく質を調整した商品もあります。購入前に成分表を確認し、疑問があればかかりつけの獣医に相談してください。

与え方のポイント

・少量を目安にし、1日のカロリーや塩分量に組み込んでください。
・初めて与えるときは少量から様子を見て、下痢や嘔吐がないか確認します。
・市販品に不安がある場合は、米粉と卵で作る簡単な手作りボーロで塩や砂糖を控える方法もあります。
・最終的には獣医と相談して、安全な種類と量を決めることをおすすめします。

腎臓病の犬向けおすすめボーロ商品

以下は腎臓病の犬に配慮されたボーロ系のおやつの代表例と、選び方のポイントです。短く分かりやすく説明します。

アニウェル すっきりボーロ

獣医師監修で低リン・低ナトリウムに設計された商品です。塩分が控えめで、少量で満足感が得られるため投薬やごほうびに向きます。パッケージの成分表示でリン(P)やナトリウム(Na)の数値を確認してください。

ペティッツ ソフトトリーツ ミネラルコントロール

リン・ナトリウムを抑え、やわらかめの食感で噛む力が弱い犬にも与えやすいです。個包装や小粒タイプならカロリー管理がしやすく便利です。

ドクターヴォイス 腎臓にやさしいトリーツ

低リン・低ナトリウム・低タンパク質に調整し、アレルギー対応の配慮がある商品です。原材料にアレルゲンが少ないか確認すると安心です。

帝塚山ハウンドカム 腎ケアおやつ(ボーロ含む)

低リンで無添加をうたうラインナップがあります。保存料や着色料を避けたいときに選びやすいです。

選ぶ際のポイント:
- 成分表でリン・ナトリウムの量を確認する
- 1回量を小さくして回数で調整する
- 主治医に現在の血液検査の状況を伝えて相談する

与え方の注意:
少量を与えて体重や腎機能の変化を観察してください。新しいおやつは少量ずつ試し、下痢や嘔吐が出たら中止して獣医師に相談しましょう。

市販の一般的なボーロを与える場合の注意点

成分表示の確認

市販のボーロは商品によって成分が大きく違います。まずパッケージの成分表示を必ず確認してください。特に「リン(リン酸塩)」「ナトリウム(食塩相当量)」の記載があれば量を見ます。

避けたい成分

・リンやカルシウムが多い原料(乳製品、卵殻粉など)は注意してください。
・塩分や保存料、人工甘味料(特にキシリトール)は避けます。
・はちみつ入りや砂糖が多いものは血糖や全体の負担につながるので控えめに。

与え方の注意

少量を目安にし、日々の食事全体のリン・ナトリウム量を考慮してください。おやつを与える日は主食の量や内容を調整します。与える頻度と量を書き留め、変化がないか観察します。

異変が出たら

嘔吐、下痢、元気消失などが見られたらすぐ与えるのをやめ、獣医師に相談してください。不安な場合は事前にかかりつけ医に成分表を見せて相談するのが安全です。

おやつを与える際のポイントと注意事項

与える量と回数

  • 1日の総摂取カロリーの目安は、おやつを含めて考えます。おやつは「総カロリーの10%以下」を目標にしてください。主食の療法食の量を減らして補うのではなく、全体のバランスを崩さないことが大切です。

おやつの選び方(具体例を含む)

  • 低塩・低リンのものを選びます。具体例:皮を除いた茹で鶏の小さな一口、砂糖や塩を使わない少量のりんご(種は除く)。脂肪や塩分、添加物が多いものは避けてください。
  • 水分補給が必要な犬には、ウェットタイプや水でふやかしたおやつが有効です。

与え方の工夫

  • 小さく切って回数を増やすとご褒美としての効果を保てます。トレーニング時はご褒美を細かく分けて使ってください。
  • おやつのエネルギーを主食で調整します。療法食を処方されている場合は、与える前に必ず量を計算してください。

記録と獣医師への相談

  • 与えたおやつの種類・量・回数は記録して獣医師に見せましょう。ラベルや成分表示を持参すると診察がスムーズです。
  • 投薬や療法食の指示がある場合は、獣医師の許可のもとで調整してください。

体調の変化を見逃さない

  • 食欲低下、嘔吐、多飲、多尿、元気消失などが出たらすぐに中止して獣医師に連絡してください。おやつが原因の場合、早めの対応が重要です。

上記を守りつつ、愛犬の喜びを大切にしてください。獣医師と相談すれば、安全で楽しいご褒美タイムを作れます。

まとめ

腎臓病の犬にも、成分に配慮すれば「ボーロ」などのおやつは与えられます。

  • 成分を最優先で選ぶ:低リン・低ナトリウム・無添加と明記された商品や、獣医師推奨の腎臓病向け設計を選んでください。原材料表示で「リン」「塩分」「添加物」を確認します。

  • 与える量と頻度は控えめに:カロリーやリン摂取が累積しないよう、少量を短時間で与える習慣にします。体重や病状に応じて獣医師に具体的な目安を聞いてください。

  • 日々の観察と検査が大切:体重変化、飲水量、嘔吐や元気の有無をチェックし、定期的な血液検査で腎機能を確認します。異変があればすぐに中止して相談してください。

  • 市販品・自家製ともに注意:一般的なボーロは塩分や添加物が多い場合があります。自家製の場合も高リンの食材(レバーやチーズなど)を避けます。

最終的には獣医師と相談して、安全で楽しめるおやつ選びをしてください。安心して一緒に過ごせる時間を大切にしましょう。

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