犬用フード・おやつ

犬のご飯にささみが最適な理由と与え方のポイント

はじめに

はじめに

目的

本書は、犬の毎日の食事に「ささみ」を取り入れる際の基本をやさしくまとめたガイドです。ささみの栄養や与え方、調理方法、注意点、簡単な手作りレシピまで、実践しやすい内容を目指しています。

想定する読者

・初めて犬の手作りご飯を考える方
・ささみを健康的なおやつや主菜に使いたい方
・アレルギーや体重管理で低脂肪の食事を探している方

本書の使い方

各章は独立して読めますが、第2章以降で栄養や相性の良い食材、具体的なレシピと与え方を順に説明します。まずは第2章で「なぜささみが犬に適しているか」を確認してください。

注意点

ささみは高たんぱく・低脂肪で使いやすい食材ですが、与える量や調理法で安全性が変わります。持病のある犬や特別な食事が必要な場合は、獣医師に相談してください。

ささみが犬の食事に適している理由

栄養の特徴

ささみは鶏胸肉の一部で、高たんぱく・低脂肪・低カロリーが特徴です。100gあたりのカロリーは約98kcal、脂質は約0.8gと、エネルギーを抑えつつ筋肉の材料となるたんぱく質をしっかり補えます。筋肉回復に関わる必須アミノ酸が豊富で、エネルギー代謝を助けるビタミンB群や、脂質や糖質の代謝を促すナイアシンも含みます。

犬の消化と相性

犬は肉類を消化しやすい消化器を持っており、ささみも例外ではありません。消化しやすいため胃腸の負担が少なく、体調を崩しやすい犬や老犬にも向きます。ささみに特有の危険成分はなく、適量を守れば安心して与えられます。

ダイエットや筋肉維持に向く理由

低脂肪・低カロリーのため、肥満気味の犬の体重管理に適しています。たんぱく質が筋肉量を維持・回復させ、代謝を落とさない手助けとなります。運動量が多い若い犬や、筋肉を保ちたい中高齢の犬にも有用です。

与える際の注意点(簡単に)

生で与えるときは衛生管理に注意し、加熱する場合は塩や香辛料を使わないでください。骨はついていませんが、加工品や調味料の有無を確認してから与えてください。アレルギーや持病がある場合は、獣医師に相談してください。

ささみと相性の良い食材

キャベツ

キャベツは歯ごたえがあり、犬が好むことが多い野菜です。ビタミンCやカリウム、カルシウムを含み、食物繊維が豊富なので便通を整えるのに役立ちます。生でも与えられますが、薄く刻むか細かく刻んでから与えると誤飲を防げます。目安は一回の食事で全体の1/4程度までに収めるとバランスが取りやすいです。

かぼちゃ

かぼちゃは甘みがあり消化に優しいため、ささみとの相性が良い食材です。長時間煮ると柔らかくなり、水分補給にもなります。種は取り除き、皮は煮て柔らかくしてから与えると安心です。高齢犬にはさつまいもやゆで麦と組み合わせると栄養バランスが良くなります。

さつまいもとゆで麦

さつまいもはエネルギー源になり、食物繊維も豊富です。ゆで麦(押し麦など)は水溶性の食物繊維を補い消化を助けます。両方をかぼちゃと混ぜてマッシュすれば、噛む力が弱い犬でも食べやすくなります。

与え方のポイント

調理は味付けしないでください。ささみと野菜の比率は犬の年齢や運動量で調整しますが、一般的にたんぱく質:野菜=2:1くらいを目安にすると取り入れやすいです。新しい食材は少量から試して、様子を見ながら量を増やしてください。

注意点

ネギ類やにんにく、玉ねぎは厳禁です。加える油や塩分は避けてください。大きめの固まりは細かく刻むか潰して誤嚥を防ぎましょう。

ささみを使った犬の手作りご飯レシピ

レシピ1:ささみとキャベツの満腹ごはん(調理時間:約15分)

  • 材料(小型犬1〜2食分): ささみ2本、キャベツ葉2枚、犬用チーズ少々(無塩)、水適量。
  • 作り方: ささみは筋を取り、沸騰した湯で約5〜7分茹でます。火が通ったら取り出して粗くほぐします。キャベツは食べやすく刻んで同じ鍋で2〜3分茹で、しっかり水気を切ります。器にささみとキャベツを混ぜ、冷めてから犬用チーズを少量ふりかけて完成です。
  • ポイント: 味付けは不要です。チーズは無塩の少量にとどめ、冷ましてから与えてください。消化に不安がある場合はキャベツを細かく刻むかすり潰します。

レシピ2:ささみとほうれん草のごまご飯(調理時間:約10分)

  • 材料(小型犬1〜2食分): ささみ1〜2本、ほうれん草一把、白ごま小さじ1、湯適量。
  • 作り方: ささみを茹でてほぐします。ほうれん草はさっと茹でて冷水で絞り、食べやすく刻みます。ささみとほうれん草を混ぜ、仕上げにすりごまをふりかけて出来上がりです。
  • ポイント: ごまは少量で香り付け程度にします。ほうれん草のシュウ酸が気になる場合はよく茹でて水にさらしてください。小さい子や嚥下が苦手な子は具材を細かく刻みます。

レシピ3:ささみとかぼちゃの柔らかヘルシーご飯(老犬向け、調理時間:長時間)

  • 材料(1回分): ささみ3本、かぼちゃ200g、ゆで麦大さじ2、さつまいも小1本、水適量。
  • 作り方: かぼちゃとさつまいもは一口大に切り、鍋に入れて水をひたひたに加えます。ゆで麦も入れ、弱火でじっくり30〜60分煮ます。途中でささみを加え、火が通ったら取り出して繊維に沿ってほぐし、再度鍋に戻して軽く煮て味を馴染ませます。柔らかくなったら冷ましてから与えます。
  • ポイント: 老犬向けに柔らかく仕上げます。塩や砂糖は加えないでください。嚥下や歯の状態に合わせてさらに潰すかミキサーにかけてください。

  • 共通の注意点:

  • 調理中は塩・油・香辛料を使わないでください。
  • ささみは中心まで十分に火を通し、骨があれば必ず取り除いてください。
  • 新しい食材を与えるときは少量から様子を見てください。

ささみの正しい与え方

調理前の準備

新鮮なささみを選び、冷凍品は冷蔵解凍します。調理前に手を洗い、まな板や包丁も清潔にしてください。異臭や変色があれば使用をやめましょう。

茹で方(基本)

鍋にささみが浸かる程度の水を入れ、中火にかけます。白っぽく柔らかくなったら火を止め、そのまま余熱で中まで火を通します。塩や油、調味料は一切加えないでください。

切り方・冷まし方

火が通ったら取り出し、冷ましてから繊維に沿って細かく裂くか刻みます。小型犬やシニア犬には細かめに、大型犬はやや粗めで与えます。熱いまま与えないでください。

与える量と頻度の目安

ささみは高たんぱくです。おやつとしてなら少量を1日1回程度、主菜の一部にする場合は体重や総摂取カロリーを考慮します。具体的な量は獣医師に相談すると安心です。

注意点と保存方法

生で与えないこと(食中毒や寄生虫リスク)。調味料・油・塩は使わないでください。アレルギーや下痢、嘔吐が出たら与えるのをやめて獣医師へ。調理したささみは冷蔵で2日以内、冷凍すれば1か月程度を目安に保存します。調理器具はよく洗い、衛生に気を付けてください。

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