目次
はじめに
目的
本ドキュメントは、ロイヤルカナンの犬用食事療法食が動物病院でどのように取り扱われているかをわかりやすくまとめた調査報告です。獣医師の推奨に基づく適切な栄養管理の重要性や、購入に関する新たな要件、購入フローなどを整理しています。
対象読者
- 飼い主の方(初めて療法食を検討する方)
- 動物病院スタッフ
- ペット関連販売担当者
本書の構成
各章で製品の特徴、販売チャネルの限定化、2024年10月1日からの購入要件、オンライン・店舗での購入方法、登録サイトの役割を順に解説します。具体的な製品ラインアップも項目ごとに示しますので、日常の選択に役立ててください。
注意事項
本記事は獣医師の指示に基づいた利用を前提としています。療法食に関する判断はかかりつけの獣医師にご相談ください。
ロイヤルカナン食事療法食とは
概要
ロイヤルカナンの食事療法食は、獣医師の診断や栄養指導に基づいて使うペット用の専用フードです。病気や症状に合わせた栄養設計を行い、日常の療法管理をサポートします。
特徴
- 病態に応じた栄養バランスを意識して作られています(例えば、ミネラル調整、たんぱく質やカロリーの管理)。
- 臨床データや研究をもとに配合されており、安定した品質で供給されます。
どんなときに使うか(具体例)
- 尿路の結晶やストルバイトができやすい時は、尿pHやミネラルを調整した製品を使います。
- 腎機能が低下した場合は、腎臓に負担をかけにくい栄養設計のものを選びます。
- 消化器の調子が悪い時は、消化しやすい成分や特定の繊維を配合したものが有効です。
使用上の注意
- 獣医師の指示どおりに与えてください。独自の判断で中断したり他の餌と混ぜると効果が薄れます。
- 継続して経過を観察し、必要なら定期的に検査を受けてください。
形状と与え方の例
- ドライやウェットなど複数形状があります。食べやすさや嗜好に合わせて選びます。
- 療法食は通常の食事と異なり、目的に合わせた期間で与えるため、獣医と話して給餌量や期間を決めます。
販売チャネルの限定化
背景
ロイヤルカナンの食事療法食は、これまで一般のペットショップやさまざまなオンラインショップでも購入できました。現在は製品の適正使用を優先し、販売チャネルを制限しています。獣医師の確認なしに簡単に手に入らない仕組みになりました。
なぜ限定するのか
療法食は病気に合わせた栄養管理が必要です。不適切に使うと効果が出ないだけでなく、健康に悪影響を与えることがあります。獣医師が診断・フォローすることで、安全で効果的に使えます。
購入できる場所
- かかりつけの動物病院:診察のうえそのまま購入できます。
- ロイヤルカナン公式または認定のオンラインストア:購入前に獣医師の確認や登録手続きが求められます。
簡単な購入の流れ
- 動物病院で診察・適用判定。2. 病院で受け取るか、獣医師確認後に認定オンラインストアで注文する。3. 継続中は定期的な評価と調整を受けます。
飼い主へのポイント
購入が若干手間になりますが、愛犬の状態に合った安全な管理が受けられます。以前店舗で買っていた場合は、診察を受けてからの購入を準備してください。
購入要件の変更(2024年10月1日から)
概要
2024年10月1日から、オンラインストアでロイヤルカナンの食事療法食を購入する際に、かかりつけ動物病院登録サイトの認証情報入力が必須になりました。これにより、ペットのかかりつけ動物病院との連携が保たれます。登録がない場合は認定店での購入ができなくなります。
認証の目的とメリット
- 獣医師との情報連携で誤った製品選びを防げます。
- 投薬や療法食の継続管理がスムーズになります。
- ペットの健康情報を正確に反映できます。
登録・認証に必要な手続き(簡単な手順)
- かかりつけの動物病院に、かかりつけ登録を依頼してください。病院が登録サイトにペット情報を登録します。
- 登録後、病院から認証コードやログイン情報を受け取ります。病院ごとに手順は異なりますので確認してください。
- オンライン購入時に、その認証情報を入力して認証を行います。
登録がない場合の対応
登録がないと認定オンラインストアでの購入はできません。代替としては、かかりつけ病院での購入や、認定店(店頭)での購入を検討してください。病院側がまだ登録していない場合は、病院へ登録依頼をすることをおすすめします。
注意点
- 個人情報は病院との連携に限定して使用されます。詳細は登録サイトや病院でご確認ください。
- 認証手続きは各病院によって時間が異なります。余裕を持って進めてください。
犬用食事療法食の製品ラインアップ(尿路・腎臓・心臓・関節対応)
下部尿路(ユリナリー S/O シリーズ)
- 対応疾患:ストルバイトやシュウ酸カルシウムなどの下部尿路トラブルの予防・管理。
- 特長:尿の状態を整え、結晶や結石の形成リスクを低減します。ドライ(キブル)やウェット(缶・パウチ)があります。
- 使用例:尿結石の既往がある犬、頻尿や血尿の管理に用います。獣医師の診断に基づき、投薬と併用することが多いです。
腎臓サポート
- 対応疾患:慢性腎臓病など、腎機能の低下に伴う栄養管理。
- 特長:リンやたんぱく質の調整、体液バランスのサポートを重視した配合です。ドライとウェットがあります。
- 使用例:食欲が落ちた犬でも比較的食べやすい風味や形状があります。定期的な血液検査で効果を確認します。
早期心臓サポート+関節サポート
- 対応疾患:心臓の初期症状がある犬で、さらに関節への負担が懸念される場合に選択します。
- 特長:心臓に配慮した栄養(ナトリウム管理など)と、関節を支える成分を組み合わせた製品です。
心臓サポート
- 対応疾患:心不全など心臓の管理が必要な場合。
- 特長:塩分を抑えた配合で、エネルギーや必須脂肪酸を調整し循環を支えます。咀嚼しやすいキブルや嗜好性の高いウェットがあります。
関節サポート
- 対応疾患:関節炎や加齢による運動低下の予防・改善。
- 特長:グルコサミンやコンドロイチンなど、関節の健康を助ける成分を含みます。体重管理と組み合わせることが多いです。
共通の注意点
- いずれも獣医師の診断・指示に基づき使用してください。
- 食事の切替は7〜10日ほどかけて徐々に行い、食欲や便の状態を観察してください。
- ドライ・ウェットの選択は嗜好や咀嚼力、飲水量に合わせて決めます。
必要があれば、各製品のパッケージ表記や給餌量の例もお伝えします。
犬用食事療法食の製品ラインアップ(消化器・肝臓・肥満・糖尿病対応)
消化器サポート
急性または慢性の胃腸トラブルに配慮した処方です。消化しやすい原材料と適切な食物繊維で下痢や軟便の改善を目指します。例として、消化率が高いタンパク質と少量ずつ与えやすい粒形状が特徴です。獣医師の指示で給餌量を調整します。
肝臓サポート
肝機能が落ちている犬向けに、負担を減らす栄養設計をしています。例えば、代謝に優しいタンパク質やビタミン、ミネラルのバランスを整え、肝臓の回復を助けます。定期的な血液検査と合わせて使うと安心です。
退院サポート
手術後や入院後の回復期に適した栄養を提供します。消化にやさしく、エネルギーを効率よく補えるので体力回復を支援します。少量ずつ頻回に与える方法が推奨されます。
肥満(満腹感サポート)
カロリーコントロールしつつ満足感を高める処方です。食物繊維やたんぱく質で満腹感を維持し、体重管理を助けます。おやつの量や運動量も併せて見直しましょう。
糖尿病(糖コントロール)
血糖値の安定を重視した製品で、低GIの炭水化物や調整された脂質を使用します。インスリン治療と一緒に使うことで血糖管理がしやすくなります。食事の時間と量を一定に保つことが重要です。
セレクトプロテイン(特定タンパク質源限定)
アレルギーやフード不耐症がある犬向けに、使用するタンパク質源を限定したシリーズがあります。例えば、ラム、ダック、フィッシュなど単一の主要タンパク質を用いることで原因特定や症状管理がしやすくなります。
オンラインストアでの購入フロー
1. 商品を選んでカートへ
認定オンラインストアで目的の療法食を選び、通常の買い物と同じようにカートに入れます。商品説明に「療法食」や「獣医師の承認が必要」と表示されます。
2. レジで登録サイトへ案内
レジ(購入手続き)に進むと、自動的に「かかりつけ動物病院登録サイト」へ誘導されます。ここで購入の前提となる認証手続きに移ります。
3. 登録・認証に必要な情報(例)
- 動物病院名、診察券番号
- 飼い主様の氏名、連絡先(電話番号やメール)
- ペットの名前・生年月日
- 処方箋や診療記録の写真(スマホで撮影してアップロード)
具体例:診察券番号と処方箋の写真を用意しておくと手続きが速く進みます。
4. 獣医師の承認と購入完了
登録後、病院側の獣医師が情報と処方を確認します。承認されるとオンラインストア側で購入手続きが完了し、決済と発送が始まります。承認には数分〜数営業日かかる場合があります。
5. 購入前の注意点とコツ
- 事前にかかりつけ病院へ連絡し、登録手順を伝えておくとスムーズです。
- 診察券や処方箋の写真は見やすく撮ること。
- 連絡先の入力ミスで承認が遅れることがあるため、確認を忘れないでください。
これらを守るとオンラインでの購入がスムーズに進みます。
かかりつけ動物病院登録サイトの役割
役割
登録サイトは食事療法食の購入で中心的な役割を果たします。飼い主がペットの健康情報を入力すると、その情報はかかりつけ動物病院に届き、獣医師が適合性を判断します。獣医師の承認が購入条件です。
登録から購入までの流れ
- 飼い主がペット情報を入力(年齢・体重・既往症・投薬など)
- 必要に応じて検査結果や写真をアップロード
- かかりつけ獣医師が確認し、承認または不承認を通知
- 承認されると購入手続きへ進めます。したがって、正確な情報が重要です。
飼い主が準備するもの
- 最近の検査結果(あれば)
- 現在の投薬と投与量
- 日常の食事や便の状態のメモ
これらがあると審査がスムーズです。
承認されない場合の対応
獣医師が適合しないと判断した場合は購入できません。しかし、その際は理由を丁寧に説明し、代替の食事や追加検査の提案が受けられます。
情報の取り扱い
共有される情報は治療と審査のために限定して使用されます。疑問があれば事前に病院に相談してください。
店舗での購入方法
購入前に確認すること
・取扱商品は店舗ごとに異なります。来店前に電話か店舗サイトで在庫を確認してください。イオンペットなど大手チェーンでも取り扱いが始まっていますが、全店での常備は保証されません。
店舗での購入手順
- かかりつけ動物病院登録サイトに登録する(スマホでの登録が一般的です)。
- 登録後に表示される店舗提示用バーコードを準備します(スマホ画面、または印刷)。
- 店舗スタッフにバーコードを提示して商品を購入します。スタッフがバーコードを読み取り、販売手続きを行います。
よくある注意点と便利なコツ
・取扱いの有無や取り寄せ可否を事前に確認すると時間を節約できます。
・バーコードは画面の明るさを上げると読み取りやすくなります。印刷して持参すると安心です。
・サイズや療法食の種類は限られる場合があります。希望の製品名や規格(例:犬用・体重別)を伝えるとスムーズです。
・購入記録やレシートは保管してください。後で動物病院と情報を共有する必要が出る場合があります。
店舗スタッフが手続きに不慣れな場合もありますので、落ち着いて説明すると円滑に進みます。必要なら事前にかかりつけ動物病院に確認してから来店してください。