犬用フード・おやつ

犬の避妊手術後の食事と健康管理の大切なポイント

はじめに

本書は、犬の避妊手術(メスの避妊)後の食事管理とケアに関する実践的なガイドです。手術後はホルモンの変化などで代謝が変わり、体重が増えやすくなります。そのため適切な食事量やフード選び、日々の観察がとても大切です。

目的

飼い主が愛犬の健康を守り、肥満を予防するための具体的な方法を分かりやすく示します。獣医師の指示に沿った対応ができるよう、基礎知識と実践例を載せています。

本書の構成

第2章では術後のご飯の量と与え方を解説します。第3章では避妊・去勢後に向くドッグフードの選び方を紹介します。第4章は術後に特に気を付けるべき点、傷口のケアや行動の変化について触れます。第5章では長期的な健康管理と体重管理のポイントをまとめます。

読むときのポイント

犬種や年齢、体重、術前の状態で対応は変わります。ここでの情報は一般的な目安です。具体的な判断は必ず獣医師にご相談ください。

犬の避妊手術後のご飯の量!いつから?どうやって与える?

術前の絶食について

手術前の絶食は麻酔中の誤嚥を防ぐため重要です。指示がある場合は必ず守ってください。水は獣医の指示に従い与えることがあります。

いつから与えるか

麻酔から覚めて元気があり、吐き気やぐったりがなければ、術後6〜12時間を目安に少量から与え始めます。嘔吐や異常がある場合は獣医に相談してください。

初めのご飯の種類と与え方

消化に良い、ふやかしたドライフード、ウェットフード、または療養食を推奨します。嗜好性の高いものを少量にして様子を見ます。水分補給も同時に注意してください。

量と増やし方の目安

最初は通常の半分以下、目安は25〜50%程度からスタートし、2〜3日かけて元の量に戻します。術後は活動量が減るため、長期的には術前より10〜20%程度カロリーを減らすのが目安です。

カロリー比較と切り替え方法

フードを変える際はカロリー(kcal/100gやkcal/カップ)で比較し、同等のカロリーになるよう量を調整します。体重は週に1回チェックして、増減に合わせて給餌量を調整してください。

与える際の注意点

少量ずつ回数を増やし、嘔吐、下痢、食欲不振、傷の異常があればすぐ獣医へ。長期的な体重管理と適度な運動で肥満を防ぎましょう。

避妊・去勢後のワンちゃん専用ドッグフード

なぜ専用フードが必要か

避妊・去勢後はホルモンの変化で基礎代謝が下がり、太りやすくなります。低カロリーで高たんぱくの専用フードに切り替えると、筋肉を維持しながら体重増加を抑えやすくなります。

選ぶときのポイント

  • たんぱく質:筋肉維持のために高め(目安29%以上)
  • 脂質:適度に(目安15%前後)でカロリーを抑える
  • 食物繊維:満腹感アップと便通の改善に有効
  • L-カルニチンやオメガ3:脂質代謝や皮膚・被毛の健康をサポート

具体例

カナガンやミシュワンは例として高たんぱく(約29%以上)・適度な脂質(約15%前後)をうたっており、筋肉維持と体重管理のサポートに向きます。あくまで例ですので、愛犬の反応や体重変化を見て選んでください。

給餌方法と注意点

  • 回数:1日2~3回に分けて与えます。空腹を防ぎ、代謝を安定させます。
  • 水分:いつでも新鮮な水を用意してください。ウェットを併用すると水分摂取が増えます。
  • 給与量の調整:体重を定期的に測り、増加傾向なら給与量を5~10%程度減らすなど調整します。指で肋骨が触れて腰が適度にくびれているかを目安に体格をチェックしてください。
  • おやつ:おやつのカロリーも含めて管理します。野菜や低カロリーの専用おやつに替えると安心です。

切り替え方と獣医師への相談

新しいフードへは約7~10日かけて徐々に切り替えてください。食欲不振や下痢・急激な体重変化があれば獣医師に相談しましょう。しかし、体重管理は長期戦ですので、短期間で判断せず継続して様子を見てください。

愛犬が避妊手術を受けた後に気を付けるべきこと

体重管理と食事

避妊手術後は基礎代謝が下がり、食欲が増す子が多いです。カロリーを減らすときは、量だけ減らすのではなく満足感を保つ工夫をします。大根やおからなどの水分・食物繊維が多い野菜を刻んで混ぜると腹持ちが良くなります。ドッグフードは低カロリー・高タンパクのものを選び、給餌量は獣医の指示か体重を見ながら調整してください。

傷のケアと活動制限

傷は清潔に保ち、舐めないようにエリザベスカラーや保護服を使います。患部を無理に触らないでください。ジャンプや激しい遊びは術後10〜14日程度控え、短い散歩で体を動かす程度に留めます。赤みや膿、出血があればすぐに受診します。

排泄・体調のチェック

食欲や元気さ、便・尿の状態を毎日確認します。嘔吐や下痢、排尿困難・血尿があれば早めに獣医へ連絡してください。少しの元気低下は普通ですが、長引く場合は診察が必要です。

行動の変化と精神的ケア

術後は甘えが強くなったり、落ち着かないことがあります。静かで安心できる寝場所を用意し、普段通りのルーティンに戻すように声かけや短時間の遊びでサポートしてください。低カロリーの歯ごたえのあるおやつで気をそらすのも有効です。

すぐに獣医に相談すべきサイン

大量出血、明らかな膿や強い腫れ、38.5℃以上の発熱、持続する嘔吐・下痢、呼吸困難や歩行不能、排尿できない場合は緊急です。早めに相談して落ち着いて対処しましょう。

避妊・去勢手術後に気をつけたい、ペットの健康管理とケア

食事管理(カロリーコントロール)

手術後は代謝が下がり太りやすくなります。カロリーを抑えたフードを選び、給餌量は体重と活動量に合わせて調整します。まずは毎日の給餌量を計量カップやスケールで正確に測ってください。おやつは低カロリーのものにし、与える回数を減らします。

運動と生活習慣

散歩や遊びで筋肉を維持します。短時間でも毎日続けると効果的です。室内での遊びを取り入れ、座りがちにならないよう工夫してください。

傷口と皮膚のケア

傷口は清潔に保ち、舐めさせないよう保護します。赤み、腫れ、膿、強い臭いがあれば速やかに獣医に相談します。抜糸や通院の指示は必ず守ってください。

定期チェックと体重管理

週に一度は体重測定を行い、増減を記録します。半年~年に一度の健康診断で血液検査や尿検査を受け、内臓や代謝の状態を確認しましょう。

行動とストレスの配慮

ホルモン変化で行動が変わることがあります。落ち着ける環境を整え、スキンシップやおもちゃで安心感を与えてください。

緊急時のサイン

元気がない、食欲が極端に落ちる、呼吸が苦しそう、傷口からひどい分泌物が出る場合はすぐに受診してください。

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