目次
はじめに
目的
この文書は、犬用おやつを家庭で安全においしく作るためのガイドです。人気のレシピや材料の選び方、栄養の配慮、調理のコツを、初心者にも分かりやすくまとめました。
本書の特徴
- 身近な材料で作れるレシピを中心に紹介します。量や手順を具体的に示します。
- 犬の健康を考えた材料選びや注意点を丁寧に説明します。
- オーブンやレンジ、ワッフルメーカーなど器具別の使い方も扱います。
こんな方におすすめ
- 手作りおやつを始めたい方
- 市販品の原材料が心配な方
- 愛犬の食事に少し工夫を加えたい方
注意点
アレルギーや既往症がある場合は獣医師に相談してください。分量は犬の体重や年齢に合わせて調整してください。
これから各章で具体的なレシピと注意点を順に紹介していきます。安心して楽しめる手作りおやつ作りの第一歩を一緒に踏み出しましょう。
手作りおやつの基本と重要性
はじめに
犬用おやつを手作りすることで、愛犬の健康や好みに合わせた食事を与えられます。市販品に含まれる保存料や着色料を避けられ、素材の鮮度も自分で管理できます。
手作りの利点
- 添加物を使わない安心感：原材料を選べば不要な添加物を避けられます。
- カスタマイズしやすい：アレルギーや体重管理、年齢に合わせて調整できます。
- 絆作り：調理の時間がコミュニケーションになります。
基本の注意点
- 材料選びは慎重に：犬に有害な玉ねぎ、にんにく、チョコレート、ぶどうなどは使わないでください。
- 衛生管理を徹底：手洗い、調理器具の消毒、十分な加熱で食中毒を防ぎます。
- 量と頻度の管理：おやつは1日の総カロリーの10%程度を目安にします。
作り方のコツ
- 小さなバッチで試作し、愛犬の反応を見ながら調整します。
- シンプルな材料と短時間の調理で失敗を減らします。
- 食べやすい大きさに切り、保存しやすい形にすることをおすすめします。
保存と与え方
- 冷蔵は2〜3日、冷凍は1か月が目安です。ラップや密閉容器で保存してください。
- 新しい材料を試す際は少量ずつ与え、体調変化がないか観察します。
安全確認と相談
ペット栄養管理士やかかりつけ獣医と相談したレシピを参考にすると、安全性が高まります。特に持病や薬を服用している場合は事前に相談してください。
最も簡単な人気レシピ① - ソフトじゃがいもクッキー
概要
ジャガイモ1個とスライスチーズだけで作る、やわらかい食感のクッキーです。材料が少なくて初心者向け。小さく作ればトレーニング用トリーツにも使えます。味付け不要で犬猫に安心です。
材料（約30枚分・小さめ）
- ジャガイモ（中）1個（約150g）
- スライスチーズ 1枚（無塩タイプ推奨）
- ※取り扱いに不安がなければ片栗粉小さじ1を混ぜると成形しやすくなります（任意）
作り方
- ジャガイモを洗い皮をむいて一口大に切る。電子レンジならラップをして600Wで4〜5分、柔らかくなるまで加熱します。蒸すか茹でても同様です。
- 熱いうちにフォークでよく潰す。ダマが残らないようにすると口当たりが良くなります。
- ちぎったスライスチーズを加えてよく混ぜ、チーズが溶けて全体がまとまるまで混ぜます。片栗粉を使う場合はここで加えて混ぜます。
- 天板にクッキングシートを敷き、生地を小さな一口サイズに丸めて平らにします。厚さは5mm前後が目安です。
- 160℃に余熱したオーブンで12〜15分、表面が固まるまで焼きます。柔らかめが好みなら短めに。オーブントースターやエアフライヤーでも代用可能です。
- 焼き上がったら常温で冷まし、完全に冷めてから与えてください。
ポイント
- 小さく切って出すと訓練で使いやすいです。咀嚼しやすいので歯が弱い子にも向きます。
- 塩分や香味料は加えないでください。チーズは無塩・低脂肪が安全です。
- こねすぎると硬くなるので、まとめる程度に留めます。
保存方法
- 完全に冷めたら密閉容器で冷蔵保存し、2〜3日以内に与えてください。
- 長期保存する場合は小分けにして冷凍し、使う分だけ解凍します（1ヶ月程度）。
トレーニングでの使い方
- 小さく割って1〜2口サイズにすると、褒めながら何度も使えます。糖質が多いので量は調整してください。
さつまいもを使った人気レシピ - さつまいもボール
概要
さつまいもボールは自然な甘さと栄養が魅力の手作りおやつです。無塩バターと犬用ミルクを加えると作りやすく、カロリーが気になる場合はミルクだけでも十分にまとまります。
材料（小型犬向け約10個分）
- さつまいも 200g（皮をむいて）
- 無塩バター 10g（または省略可）
- 犬用ミルク 大さじ1〜2（固さで調整）
作り方
- さつまいもを蒸すか茹でて柔らかくします。
- 熱いうちに潰し、バターを加えてよく混ぜます。バター省略時はミルクで調整します。
- ミルクを少しずつ加え、手で丸められる硬さにします。
- 1〜2cmの一口大に丸めます。
- 予熱したオーブン170℃で15〜20分焼くか、蒸し器で10分ほど蒸します。
カロリー調整とアレンジ
ミルクのみで作ればカロリーを抑えられます。かぼちゃやりんごと混ぜて風味を変えることもできます。
保存と与え方
冷蔵で3日、冷凍で1か月が目安です。与えるときは必ず冷ましてから、小型犬は1日1〜2個を目安に与えてください。
注意点
人用の砂糖や塩、バターを使うときは無塩を選び、与えすぎに注意してください。初めて与える場合は少量から様子を見てください。
野菜を活用したレシピ - かぼちゃ蒸しパン
はじめに
かぼちゃ蒸しパンは蒸すことで栄養が逃げにくく、消化もしやすいおやつです。素材の甘みが出るため砂糖を使わずに作れます。小さめに作れば犬や猫と一緒に安心して楽しめます。
材料（小分け6個分）
- かぼちゃ（皮を除いて正味） 100g
- 薄力粉または米粉 50g
- 卵 1個
- 牛乳またはペット用ミルク 大さじ1〜2
- ベーキングパウダー 小さじ1/2（気になる場合は省略可）
作り方
- かぼちゃを蒸すかレンジで柔らかく加熱し、熱いうちに裏ごしまたはフォークで潰します。温度は人肌程度に下げます。
- ボウルに卵を割りほぐし、かぼちゃと混ぜ合わせます。粉類を加えてゴムベラでさっくり混ぜ、液体で固さを調整します。生地はスプーンで落ちる程度が目安です。
- 型に生地を入れ、蒸し器で中火〜弱火で12〜15分蒸します。竹串を刺して生地が付かなければ出来上がりです。
- 粗熱を取り、完全に冷ましてから少量ずつ与えてください。
アレンジと注意点
- さつまいもやにんじんで同じ手順で作れます。味付けをする場合は生地を分けて人間用に少量の塩や砂糖を加えると便利です。
- 初めて与えるときは少量から始め、異変がないか確認してください。ベーキングパウダーは微量なら問題ない場合が多いですが、心配なら獣医に相談してください。
保存
冷蔵で2〜3日、冷凍で1ヶ月が目安です。解凍後は必ず加熱せずそのまま与え、変な匂いやカビがあれば廃棄してください。
タンパク質豊富なレシピ - 鶏ひき肉の混ぜおにぎり
材料（小型犬用1個分の目安）
- 鶏ひき肉 30g（茹でて脂を切る）
- ご飯 30〜40g（よく冷ましたもの）
- すりおろし人参やかぼちゃ 小さじ1（任意）
作り方
- 鶏ひき肉を沸騰した湯で充分に火を通し、アクと余分な脂を取り除きます。
- ご飯は冷ましてから鶏肉と混ぜます。野菜を加える場合は柔らかく茹でて小さく刻み、混ぜます。
- 手に水をつけて、犬の口に合わせた大きさに優しく握ります。小型犬は小さめに、子犬はさらに小さくして丸めます。
カロリーと目安
- 中型犬向け1個あたり約190kcalの目安です。小型犬は量を減らしてください。
ポイント・注意事項
- 味付けは不要です。塩や調味料は与えないでください。
- 窒息予防に小さくほぐせる形にし、必ず常温で与えて様子を見てください。
- アレルギーや体重管理が必要な場合は獣医に相談してください。
保存
- 冷蔵で1〜2日、冷凍なら小分けで1か月程度。解凍は自然解凍か電子レンジの低出力で行い、中心まで温度を確認してください。
夏向けレシピ - ペット用ミルクで作るゼリー
概要
ペット用ミルクで作るゼリーは、夏の喉の渇きをやさしく満たすデザートです。柔らかく作ればシニア犬や歯が弱い子にも与えやすいです。材料は少なく簡単に作れます。
材料（小型犬2〜3回分）
- ペット用ミルク（無糖）200ml
- 粉ゼラチン 2〜3g（パッケージ表示の目安に合わせる）
- ぬるま湯 大さじ2
- お好みで犬用すりおろしりんごやかぼちゃ 小さじ1
作り方
- 粉ゼラチンをぬるま湯にふり入れ、ふやかします（2〜3分）。
- 鍋にペット用ミルクを入れて弱火で温め、沸騰直前で火を止めます。沸騰させないでください。
- ふやかしたゼラチンを加えてよく混ぜ、完全に溶かします。冷ます前にお好みのすりおろしを少量加えます。
- 型や小さな容器に入れて冷蔵庫で1〜2時間冷やし固めます。
固さ調節のポイント
- 柔らかめ：ゼラチン量を少なめにするか、ミルク量を少し増やします。
- 固め：ゼラチンを規定量通りか少し多めにします。
歯の状態や食べやすさに合わせて調整してください。
保存と与え方の注意
- 冷蔵で2〜3日を目安に保存してください。長期間は避けます。
- 与える量は体重や普段の食事量を考えて調整してください。食欲不振や体調に変化があれば獣医に相談してください。
アレンジ例
- 夏場は少量の冷たいすりおろし果物を混ぜても喜ばれます（糖分に注意）。
- アレルギーがある場合は食材を変えてください。
犬猫共通レシピ - プリン
材料（小さめのカップ約4個分）
- 梨やりんごなどの果物（種は取り、皮は好みに応じて除く）100g
- 犬猫用牛乳 200ml
- 粉ゼラチン 5g（パッケージの分量に合わせて調整可）
- 水 大さじ1（ゼラチンふやかし用）
- オプション：ビーツパウダー 少々（自然な赤色付け）
作り方
- 果物は小さく切ってミキサーかフォークで潰し、ピューレ状にします。砂糖は加えません。
- ゼラチンを水でふやかしておきます（パッケージ通りの時間）。
- 鍋に犬猫用牛乳を入れて弱火で温め、沸騰直前で火を止めます。温めすぎないように注意してください。
- 温めた牛乳にふやかしたゼラチンを溶かし、よく混ぜます。火にかけ直さなくても溶けます。
- 牛乳ゼラチン液に果物ピューレを加えて混ぜ、味や硬さを見てカップに注ぎます。必要ならビーツパウダーで色を調えます。
- 粗熱が取れたらラップをして冷蔵庫で2〜3時間冷やし固めます。
与え方・量の目安
- 小型犬・猫：1回につき小さじ1〜2杯から始めます。中型〜大型は量を増やしますが、全体のカロリーに注意してください。
保存と注意点
- 冷蔵で2〜3日が目安です。長期保存は避けてください。
- 与える前に冷たすぎないか確認してください。ぬるめの状態の方が食べやすい場合があります。
- 猫は果糖に敏感な場合があるので、初めて与えるときは少量から。柑橘類、ぶどう、レーズン、アボカドは与えないでください。種や芯も必ず取り除いてください。
- アレルギーや持病がある場合は獣医師に相談してください。
ワッフルメーカーで作る - かぼちゃのワッフル
材料（小型犬用約6〜8枚）
- かぼちゃ（蒸してつぶす）：100g
- 卵：1個
- 米粉：80g
- ココナッツオイル：小さじ1（溶かす）
- はちみつ：小さじ1（任意）
作り方
- かぼちゃを蒸して柔らかくし、皮を取り除いてフォークでよくつぶします。
- ボウルにかぼちゃ、卵、溶かしたココナッツオイル、はちみつを入れてよく混ぜます。
- 米粉を加えてダマがなくなるまで混ぜ、生地の固さを見て水（または無調整豆乳）を小さじ単位で足し、ホットケーキ程度のややゆるめに調整します。
- ワッフルメーカーを中温に予熱し、薄く油（ココナッツオイル）を塗ります。生地を流し入れて約3〜5分焼き、表面に焼き色がついたら取り出します。
ワッフルメーカーがない場合（フライパン）
- テフロンのフライパンを中火で熱し、油を薄く塗ります。スプーンで生地を丸く流し入れ、ふたをして弱火〜中火で両面約2〜3分ずつ焼きます。
与え方と注意点
- 初めて与える時は少量から様子を見てください。消化不良やアレルギー症状が出たら中止し、獣医に相談してください。
- 糖尿病や体重管理が必要な犬にははちみつは与えないか、少量にとどめてください。
- ココナッツオイルは脂質が高いので過剰摂取に注意します。
保存
- 冷蔵で2〜3日、冷凍なら1ヶ月を目安に保存します。食べる時は自然解凍か軽く温めてください。
コツ・アレンジ
- かぼちゃの水分量で米粉の量を微調整します。
- すりおろしチーズ少量や無塩ゆで鶏を混ぜるとタンパク質アップで犬が喜びます。
レンジで5分 - オートミールクッキー
材料（4個分）
- オートミール 60g
- 薄力粉（または全粒粉） 20g
- 白ねりごま 大さじ1
- 水 大さじ2〜3（様子を見て調整）
- フリーズドライ（いちご・かぼちゃなど） 小さじ1〜2（好みで）
作り方（約5分）
- ボウルにオートミールと薄力粉を入れて混ぜます。
- 白ねりごまを加え、ヘラでよくなじませます。
- フリーズドライを細かく砕いて加え、水を少しずつ入れてまとまる硬さにします。
- スプーンで4等分し、手で軽く丸めてから平らに押して形を作ります。型抜きは不要です。
- 耐熱皿にクッキングシートを敷き、間隔をあけて並べます。
- 電子レンジ（600W）で約1分30秒を2回に分けて加熱します（計3分）。表面が少し硬くなれば完成です。混ぜる時間を含めて約5分で出来上がります。
ポイント・注意
- 焼き上がりは熱いうちは柔らかいので、冷ましてから与えてください。
- ごまは香りづけになりますが、アレルギーに注意してください。
- フリーズドライで色や風味を変えられます。砂糖や塩は不要です。
- 保存は冷蔵で2〜3日、冷凍なら1ヶ月が目安です。
クッキーの材料選びのコツ
おすすめの主材料
- おから：低脂肪で食物繊維が豊富。消化にやさしく、つなぎとしても使いやすいです。
- 米粉：グルテンフリーでアレルギーの心配が少ない。サクッとした仕上がりになります。
- さつまいも：自然の甘みがあり、ビタミンや食物繊維も補えます。潰してペースト状にすると扱いやすいです。
小麦粉の扱い方
小麦粉はアレルギーを起こす犬がいます。初めて与える場合は少量から試し、皮膚や便の変化を確認してください。アレルギーが心配なら米粉やおからに置き換えると安心です。
味付けと脂肪源
- 油は少量のオリーブ油やキャノーラ油が使えます。バターは避けたほうが無難です。
- 砂糖は不要です。甘みはさつまいもやりんごで補えます。
- 塩は基本的に不要です。ごく微量でも控えめに。
禁止・注意材料
チョコレート、キシリトール、ぶどう・レーズン、ネギ類は絶対に使わないでください。
代替と分量の目安
- 小麦粉→米粉はほぼ1:1で代用できますが、水分量を調整してください。
- 卵はつなぎとして便利ですが、アレルギーのある犬には卵不使用レシピにします。
保存と与え方
常温で1〜2日、冷蔵で1週間程度を目安に保存してください。初回は少量を与え、愛犬の反応を確認してから量を増やします。
焼き方のポイント
低温でじっくり焼き、内部までしっかり火を通すと消化にやさしくなります。サイズは愛犬の口に合った大きさに切ってください。