目次
はじめに
この本の目的
家庭用オーブンで鶏ささみを低温長時間焼き、安全でカリっとしたジャーキーに仕上げる基本をやさしく紹介します。特別な道具は不要で、よく買える材料と家庭のオーブンで作れます。
鶏ささみジャーキーの魅力
ささみは脂が少なくたんぱく質が豊富です。低温でじっくり焼くと水分が抜けて保存性が高まり、噛みごたえのある食感になります。味付け次第でおつまみやおやつ、携帯食にも向きます。
読む前に知っておいてほしいこと
衛生面を大切にしてください。生肉を扱う際は、まな板や包丁を別にする、手をよく洗うなど基本を守ると安心です。オーブンの温度や時間は機種で差が出ます。この記事では基本の考え方と準備のポイントを中心に説明します。
この章で学べること
- 作り方の全体像
- 事前準備のコツ(筋や余分な脂の取り方、薄切りの方法)
- 用意する道具・材料の目安
次章からは実際の切り方、温度と時間の目安、味付けや保存方法を順に詳しく説明します。
基本の作り方
下ごしらえ
ささみは筋を取り、余分な脂を切り落とします。包丁を使って丁寧に取り除くと口当たりが良くなります。
切り方と水分除去
厚さ3〜5mm程度の薄切りにします。厚さを揃えると火の通りが均一になります。切ったらキッチンペーパーで表面の水分をよく拭き取り、余分な水分が残らないようにします。
並べ方と予熱
天板にオーブンシートを敷き、ささみを重ならないように並べます。予熱は70〜120℃の低温に設定します。低めの温度でじっくり乾かすと旨みが逃げにくいです。
焼き方(時間の目安)
目安は40分〜2時間です。機種や厚みによって差が出ますので、様子を見ながら調整してください。途中で一度トレーを回すか、裏返すとムラが減ります。
確認方法と仕上げ
中心を1枚割って、白っぽく水分が抜けていれば完成です。まだややしっとりしていたら追加で10〜20分様子を見ます。
冷ます・保存
焼き上がりは網の上で冷まし、余熱でさらに水分を飛ばします。完全に冷めたら密閉容器に入れ、冷蔵で数日、冷凍なら長期保存が可能です。
ポイント
厚さを揃える、重ならないように並べる、途中で確認することが失敗を防ぎます。焦げが気になるときは温度を下げ、時間を延ばしてください。
温度と焼き時間の目安
温度の基本
保存性を高めたい場合やペット用にする場合は、70〜100℃程度の低温でじっくり乾燥させます。温度を上げすぎると外側だけ固くなり中まで乾かないため、低めの設定が安全です。
前加熱(外側を軽く焼く)
安全性を高めたいときは、最初に約150℃前後で10分ほど短時間加熱します。外側の細菌や表面の水分を減らせます。その後、必ず温度を下げて乾燥工程に移します。
焼き時間の目安
厚さや水分量で大きく変わります。薄切りはおおむね2〜4時間、やや厚めや大きな肉・野菜は4〜8時間程度見てください。途中で様子を見て、必要なら30〜60分ごとにチェックします。
焼き方のコツ
・オーブンの扉を少し開けて蒸気を逃がすと乾燥が早まります。
・天板に網を使うと熱が均一に通ります。
焼き上がりの見分け方
触ってカリッ、パリッと折れるなら十分に水分が抜けています。しっとり感が残る場合は、温度を下げてさらに低温で追加乾燥してください。
味付けと注意点
ペット用(特に犬)
犬などペット向けに作る場合は、味付けを一切しないでください。ささみだけで焼くと消化にもやさしく、安全です。にんにく・たまねぎや調味料の入った食品は犬に有害になることがあるため、絶対に使わないでください。
人用の軽い味付け
人が食べる場合は、塩やハーブ、カレー粉を軽くまぶしても構いません。目安は塩はひとつまみ、ハーブやカレー粉は少量にとどめます。スパイスは風味を出しますが、表面が焦げやすくなるので高温や長時間は避け、低めの温度で様子を見ながら焼いてください。
衛生と取り扱いの注意
生の鶏肉を触ったあとは手やまな板、包丁を十分に洗ってください。調理中に生肉と加熱済みの食品を混ぜないようにして、二次汚染を防ぎます。
保存方法
完全に冷ましてから密閉容器に入れます。常温保存は短時間(数時間〜当日中)にとどめ、長く保存する場合は冷蔵(2〜3日)か冷凍(1か月程度)にしてください。解凍後は再冷凍を避け、早めに使い切ってください。
オーブンの個体差と試し焼き
オーブンは機種で温度差が出やすいので、最初は少量を試し焼きします。焼き時間と温度を調整しながら、好みの硬さや香ばしさに合わせてください。焦げやすい味付けのときはアルミホイルを利用すると焼き色を調整しやすいです。