目次
はじめに
この章では、本記事の目的と読み方をやさしく説明します。愛犬のかゆみや耳の汚れ、下痢や嘔吐などが続くと「食べ物が原因かもしれない」と不安になります。本記事は、そんな飼い主さんが落ち着いて判断できるように、犬の食物アレルギーについて基礎から具体的な対策までをわかりやすくまとめたガイドです。
誰のための記事か
- 食事を変えても症状が改善しない愛犬を持つ飼い主さん
- 原材料の選び方に迷っている方
- アレルギー対策フードを探したい方
この記事で得られること
- 食物アレルギーの基本的な考え方
- 避けたほうがよい原材料と、試してみやすい代替素材
- フード選びの実践的なポイントとおすすめの方向性
読み方の目安
第2章で症状と原因を理解し、第3章で原材料の特徴を学びます。第4章で実際のフード選びの手順と注意点を確認してください。獣医師の診断が重要なので、気になる症状があれば早めに相談してください。
犬の食物アレルギーとは？症状と原因を理解しよう
食物アレルギーとは
犬の食物アレルギーは、体が特定の食材に含まれるタンパク質に対して過剰に反応することで起きます。すべての穀物が悪いわけではなく、その犬が繰り返し摂ってきた食材がアレルゲンになることが多いです。
主な症状
- しつこいかゆみ：特に顔まわり、脇、腹、足先をよくかきます。
- 皮膚の赤みや湿疹、脱毛：同じ場所をなめ続けて毛が抜けることがあります。
- 耳のトラブル：外耳炎を繰り返す場合、食物が原因のことがあります。
- 消化器症状：下痢や嘔吐、食欲不振が出ることがあります。
- 行動の変化：かゆみのために落ち着かなくなることがあります。
よく問題になる食材
鶏肉、牛肉、乳製品、卵、魚、羊肉、大豆、（小麦などの）穀物が挙げられます。特徴は、その犬が長期間よく食べてきたものが原因に選ばれやすい点です。
発症の仕方と診断のポイント
アレルギーはすぐに出る場合もあれば、数か月〜数年後に現れることもあります。疑わしい場合は獣医師と相談のうえ、除去食（ある素材を一定期間やめる）で反応が収まるか確認するのが有効です。皮膚検査や血液検査もありますが、確定には除去食と再導入が重要です。
アレルゲンになりやすい原材料・なりにくい原材料
アレルゲンになりやすい原材料
犬で比較的よくアレルギーを起こすのは、日常的に与えられることの多い素材です。たとえば牛肉、鶏肉、豚肉、ラム肉、卵、乳製品のほか、小麦・大豆・トウモロコシといった穀物、じゃがいもなどが挙げられます。これらは犬の食事に含まれるタンパク質量が多く、繰り返し摂取することで免疫が過敏になることがあります。
アレルゲンになりにくい原材料（新奇タンパク）
普段あまり与えない「新しい」タンパク源は、アレルギーになりにくい傾向があります。具体例はサーモンや白身魚、馬肉、鹿肉、ダックやターキーなどです。摂取経験が少ないため免疫系が過剰反応しにくいと考えられます。ただしラムは個体差があり、既に摂取歴がある犬では反応することもあります。
注意点
原材料表示は重要です。混合タンパクや加工過程での混入で、思わぬアレルゲンが入ることがあります。また“新奇”といっても個体差が大きいので、変更時は少量から様子を見てください。
アレルギー対策フードの賢い選び方
はじめに
アレルギー対策フードは、症状を抑えつつ栄養を満たすことが大切です。選び方の基本を分かりやすく説明します。
選ぶポイント
- シングルプロテイン（単一タンパク源）を選ぶ
- どの食材に反応するか把握しやすくなります。ラムや鹿など、普段与えない肉が使われることもあります。
- 主要アレルゲンを避ける
- 牛・豚・鶏・卵・乳製品・小麦・大豆・トウモロコシを避ける製品を検討します。
- グレインフリーまたは低アレルゲン穀物
- 米や玄米、オート麦などは比較的よく使われます。穀物が心配ならグレインフリーを選びます。
- 無添加・シンプルレシピを重視
- 保存料や合成香料を避け、原材料が短く分かりやすい製品が安心です。
- 機能性成分もチェック
- 乳酸菌やオメガ3（EPA/DHA）は皮膚や腸の健康を助ける可能性があります。
成分表示の見方
原材料は多い順に記載されます。最初の1〜2成分が主成分です。「ラムミール」など加工名は中身を確認しましょう。添加物は後半に書かれます。
切り替えと確認の手順
食物アレルギーの特定には除去試験が有効です。獣医と相談の上、新しいフードだけにして8〜12週間観察します。少しずつ混ぜ替えると胃腸への負担が少ないです。
具体例（参考）
- ペロリコドッグフード アレカット：アレルゲンを絞った処方の例
- ナチュラル チョイス ラム＆玄米：ラムを主タンパクとした製品
- ダイエティクス ダイジェストエイド：消化サポートを重視した処方
注意点
表示は変更されることがあります。製品を試す前にラベルを確認し、症状が強い場合は必ず獣医に相談してください。