目次
はじめに
目的
この資料は、小型犬にとって安全で健康的なおやつの選び方を分かりやすくまとめたガイドです。市販品の見分け方や、新鮮な果物・野菜、良質なタンパク質を使ったおやつの紹介、さらに手作りレシピまで実用的に解説します。健康管理やアレルギー対策に配慮した内容を優先しています。
対象読者
小型犬（トイプードル、チワワ、ミニチュアダックスなど）を飼っている方、これから飼う予定の方、あるいはおやつの見直しを考えている方を想定しています。獣医師の指示がある場合は、その指示を最優先してください。
本資料の使い方
各章は実践的なポイントに分けています。第2章で基本的な選び方を学び、第3～5章で具体的な安全素材と市販品の見分け方を解説します。第6章では簡単な手作りレシピを紹介します。日々の与え方や与える量、アレルギーチェックの方法も順を追って説明します。
大切な心構え
おやつは栄養補助とコミュニケーションの手段です。適量を守り、与える前に成分やアレルギー、消化性を確認してください。チョコレートやぶどう、玉ねぎ、キシリトールなど犬に有害な食品は避けます。問題が起きたら速やかに獣医師に相談してください。
この先の章で、より具体的で実践的なアドバイスを丁寧にお伝えします。安心して読み進めてください。
小型犬に適したおやつの選び方の基本
なぜ小型犬は特別に選ぶ必要があるか
小型犬は体が小さく、一回に必要なカロリーが少ないため、おやつの量や種類で体重や健康に影響が出やすいです。消化力や歯の状態も個体差があるため、飼い主が注意して選びます。
選び方のポイント
- サイズ：一口で飲み込みにくい大きさは避け、細かく割れるか小粒のおやつを選びます。
- カロリー：おやつは1日の総カロリーの目安の10%以下に抑えます。体重3kgの犬なら1日約20〜40kcalが目安です。
- 素材：消化にやさしい単一タンパク（鶏肉、魚など）や、添加物の少ないものを優先します。
原材料の見方
ラベルで主原料が何かを確認します。「○○（肉名）100%」や短い原材料表が望ましいです。香料、着色料、人工保存料が多く含まれるものは避けます。
年齢や歯の状態に合わせる
高齢犬や歯に問題のある犬には柔らかいタイプ（ソフトチュート、蒸し素材、細かくした缶詰など）が向きます。子犬は固さや成分に注意し、消化負担を減らします。
安全上の注意点
チョコレート、ぶどう・レーズン、キシリトール含有製品は危険です。硬すぎるおやつや骨は割れて喉を傷つけることがあるため避けます。初めて与えるときは少量にして様子を見てください。
小型犬に安全な市販おやつの選び方
原材料表示の見方
袋や缶の上からでも原材料を見てください。主原料が肉や魚なら良いです。肉名がはっきり書かれている（例：チキン、ビーフ）商品を選びます。 "肉副産物" や不明瞭な表記は避けましょう。
アレルギー対応と成分表
アレルギーがある場合は、アレルゲンの有無を確認します。小麦や大豆などが入っているかチェックしてください。たんぱく源が複数あるときは、どれが主原料かを優先的に見ます。
添加物と自然素材の見分け方
保存料（例：BHA、BHT）や人工着色料がない「無添加」表示を確認します。原材料が短く、馴染みのある食材名が並ぶ商品は自然素材が多いです。表示を見て判断しましょう。
カロリー管理のポイント
おやつは1日の総摂取カロリーの約10％以内に抑えます。目安例：体重5kgの犬で1日約300kcalなら、おやつは30kcal以内が望ましいです。パッケージの100g当たりのカロリーだけでなく、1個当たりのカロリーを確認してください。
形状と安全性
小型犬には小さめで噛み切りやすい形状が安全です。硬すぎるおやつは歯や喉に負担をかけるため避けてください。
購入時のチェックリスト
- 原材料が具体的か
- アレルギー表示があるか
- 添加物が少ないか
- 1個当たりのカロリーを確認したか
これらを基準に選べば、小型犬にとって安全で安心なおやつを見つけやすくなります。
小型犬に与えられる果物・野菜（安全なおやつ素材）
はじめに
にんじん、ブルーベリー、インゲン豆、さつまいも、かぼちゃは小型犬に与えやすく栄養価も高い食材です。ビタミンや食物繊維が補えますが、量や調理法に注意して安全に与えます。
安全な素材と与え方の例
- にんじん：生でも加熱しても可。小さく切るかすりおろしてから与えます。噛む力が弱い子は蒸すと柔らかくなります。
- ブルーベリー：一粒ずつ。抗酸化作用があり少量の間食に最適です。
- インゲン豆：茹でて柔らかくし、塩や調味料は使わず与えます。
- さつまいも：蒸すか焼く。皮は消化しにくい場合があるので様子を見て取り除きます。
- かぼちゃ：蒸すか煮る。ペースト状にしてから与えると消化に優しいです。
与えるときの注意
- 初めては少量から始め、24時間以内に異常がないか確認します。
- 人用の味付けや塩分、砂糖は与えないでください。
- サイズ管理をして誤嚥を防ぎます。
絶対に避ける食材
ブドウ・レーズン、ネギ類（長ネギ・玉ねぎ等）、アボカド、キシリトール含有の食品は犬に有害です。これらは決して与えないでください。
小型犬に適したタンパク質ベースのおやつ
はじめに
小型犬は体が小さいぶん、良質なタンパク質を少量で補えるおやつが向きます。ここでは安全で使いやすいタンパク質源と与え方のコツを紹介します。
おすすめのタンパク質源
- フリーズドライの肉・魚：栄養が凝縮し保存が利きます。無添加のものを選んでください。
- 調理済みの鶏肉（皮なし・骨なし）：茹でるか蒸して、冷まして小さくカットします。
- ターキー（七面鳥）：脂肪が少なく消化にやさしいです。調味料を使わずに調理してください。
- 小魚（煮干し・しらすなど）：無塩で骨が柔らかいものならカルシウム源になります。細かく砕いてから与えると安心です。
- ゆで卵：蛋白質が豊富で嗜好性も高いです。黄身と白身を小さく切って少量だけ与えます。
与え方のポイント
- 味付けはしないでください。塩やハーブ、調味料は避けます。
- おやつは一日のカロリーの10%以内に抑えます。小型犬なら1回あたり米粒～小さめの一口大が目安です。
- 新しい食材は少量から始め、3日間ほど体調を観察します。アレルギーや消化不良が出たら中止してください。
- 加熱済みは冷蔵で2〜3日、長期保存は冷凍が安心です。
注意点
- 鶏の小骨や魚の硬い骨は割れて喉を傷つけるので絶対に与えないでください。
- 加工肉や人間用の味付け肉は塩分や保存料が高いので避けます。
- 持病がある場合や特別な食事制限があるときは、獣医師に相談してください。
小型犬におすすめの手作りおやつレシピ
はじめに
素材の自然な甘さを活かし、砂糖・塩・油を使わない簡単レシピを集めました。安全性に配慮し、量や保存方法の目安も付けています。
1) かぼちゃとオートミールのビスケット
材料：蒸したかぼちゃ60g、オートミール80g、卵1個（代替可）
作り方：オートミールを細かくし、かぼちゃと卵と混ぜてまとめる。小さく丸めて平らにし、160℃で20〜25分焼く。
分量目安：直径2〜3cmのビスケットなら1回に1〜2個
保存：冷蔵3日、冷凍1か月
2) さつまいものチュウ（スティック）
作り方：さつまいもを厚さ1cmのスティックに切り、オーブンで低温（150〜160℃）でじっくり焼く（30〜40分）。皮は犬によって消化が悪ければ剥く。
3) ヨーグルトの冷凍ドロップ
材料：プレーンヨーグルト（加糖・人工甘味料不可）
作り方：小さなスプーンでトレーに落とし冷凍。おやつに凍ったまま与える。
4) ピーナッツバターとバナナの一口おやつ
材料：完熟バナナ半分、無添加ピーナッツバター大さじ1（キシリトール不使用）
作り方：混ぜて一口サイズにして冷凍。少量を目安に与える。
5) かぼちゃクッキー（小麦粉使用）
材料：かぼちゃ50g、全粒粉80g、卵1個
作り方：材料を混ぜ薄く伸ばして小さく切り、160℃で15〜20分焼く。小麦アレルギー注意。
注意点
新しい材料は少量から様子を見て与えてください。ピーナッツバターはキシリトール含有表示を必ず確認。量は体重に合わせて調整し、主食のカロリーを考えて与えてください。