犬用フード・おやつ

犬の栄養補給で健康維持!基本と注意点を徹底解説

はじめに

本ドキュメントへようこそ。本書は、毎日の食事を通して愛犬の健康を守りたい方のために作りました。犬に必要な栄養や食事の考え方を、分かりやすく丁寧にまとめています。

取り上げる内容は次の通りです。

  • 第2章:犬の栄養補給の基本(5大栄養素と「総合栄養食」)
  • 第3章:手作りごはんで上手に栄養補給する基本バランス
  • 第4章:ミネラルの不足・過剰に関する注意点
  • 第5章:おやつを活用した栄養補給とコミュニケーション
  • 第6章:シニア犬や食欲低下時の栄養・水分補給の工夫

犬の健康には、年齢・体格・活動量・持病など個体差が大きく影響します。基本となるのは「バランスの良い食事」と「清潔な飲水」です。具体例としては、タンパク質を十分に取ること、ビタミンやミネラルを偏らせないことが挙げられます。

注意点として、犬にとって有害な食品(チョコレート、玉ねぎ・ネギ類、ぶどう・レーズン、キシリトールなど)がありますので与えないでください。また、食事を変えるときは少しずつ切り替え、体調に変化があれば獣医師に相談してください。

以降の章で、実践的な工夫や具体的な例を丁寧にご紹介します。普段のごはん作りやおやつ選びに役立ててください。

犬の栄養補給の基本:5大栄養素と「総合栄養食」の重要性

栄養の基本を押さえましょう

犬の健康には「たんぱく質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル」の5大栄養素がバランス良く必要です。各栄養は役割が違い、互いに補い合って体を作ります。日々のごはんで偏りが出ないことが大切です。

5大栄養素の具体例と働き

  • たんぱく質:筋肉や免疫の材料。肉・魚・卵で補えます。成長期や運動量が多い犬に特に重要です。
  • 脂質:エネルギー源で皮膚や被毛の健康を支えます。魚油や動物性油脂が含まれます。
  • 炭水化物:即時のエネルギー。ごはんやじゃがいも、野菜で摂れます。
  • ビタミン:代謝や免疫を助けます。緑黄色野菜や果物に多いですが、人と違って過剰に与えにくいものもあります。
  • ミネラル:骨や神経、血液の働きに関わります。カルシウム・リン・鉄・亜鉛・ナトリウムなどがあります。

ミネラルは特に注意が必要です

ミネラルは不足でも過剰でも健康問題を引き起こします。例えばカルシウム過剰は成長期の骨トラブルを招き、バランスの崩れたリンやナトリウムは腎臓や尿路に影響します。サプリで補うと過剰になりやすいので注意してください。

総合栄養食を主食にする理由

市販の『総合栄養食』は犬が1日に必要とする栄養バランスを考えて作られています。日常の主食として使うことで、栄養不足や偏りのリスクを大きく減らせます。特に子犬・妊娠・高齢期は栄養管理が重要なので、総合栄養食を基本にしてください。

手作りごはんやおやつとの付き合い方

手作りは味わい深く愛情表現になりますが、特定のミネラルが不足・過剰になりやすい点に注意が必要です。総合栄養食を主にし、手作りやおやつは栄養の補助や楽しみとして取り入れてください。サプリは獣医師の指示で使うと安全です。

日常の実践ポイント

  • ごはんは総合栄養食をベースにする
  • トリーツはカロリーを考えて与える
  • 新しい食事は徐々に切り替える
  • 定期的に体重や被毛、排せつをチェックし、気になるときは獣医師に相談する

以上を基本にして、愛犬の体調に合わせた栄養管理を心がけてください。

手作りごはんで上手に栄養補給する基本バランス

手作りごはんで栄養を整えるには、食材の「比率」を意識すると分かりやすいです。目安は、たんぱく質:野菜:炭水化物=1:1:0.5〜1です。肥満気味や運動量が少ない犬は炭水化物を下げ、活動的な犬はやや多めにします。

たんぱく質の選び方

鶏肉・牛肉・豚肉・魚を主に使います。白身魚は消化しやすく、カルシウムやDHAも補いやすいのでおすすめです。加熱はしっかり行い、味付けはしません。卵はゆで卵や温泉卵で与えると良いです。

野菜・果物の選び方

にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、ブロッコリーなどを日替わりで。食物繊維やビタミン、カリウムが摂れます。細かく刻むか蒸して消化を助けます。与えてはいけないもの(ぶどう、玉ねぎ、ねぎ類、チョコ)は避けます。

炭水化物の調整

白ごはん、さつまいも、じゃがいも、オートミールが使えます。肥満傾向なら量を減らし、低脂肪のたんぱく質を増やします。

カルシウムと脂質の補い方

生の骨は避け、必要なら犬用のカルシウムサプリやすりごま、煮干しで補います。オメガ-3は魚油や亜麻仁油で取り入れると被毛や脳に良いです。

与え方のポイント

1食ごとの総量は体重や活動量で調整します。体重と便の状態を毎週チェックし、体重が増える場合は炭水化物を減らします。栄養バランスに不安があるときは獣医師や動物栄養士に相談してください。

簡単レシピ例(1食分)

鶏むね肉60g(加熱)+ 蒸しかぼちゃ60g + 白ごはん30〜60g + 小さじ1のオリーブ油。よく混ぜて温度を確認してから与えます。

犬に必要なミネラルと「不足・過剰」を防ぐ栄養補給の考え方

ミネラルは犬の体で重要な役割を果たします。ここでは日常で気をつけたい主なミネラルと、簡単な対策をやさしく説明します。

主なミネラルと働き

  • カリウム:筋肉や心臓の動きを支えます。毎日継続して必要です。バナナ少量や蒸したさつまいも、じゃがいもで補えます。
  • マグネシウム:神経や筋肉の調整に関与します。他のミネラルとのバランスが大切です。小松菜やブロッコリー、魚に含まれます。
  • 鉄:赤血球の材料です。豚レバー、鶏レバー、カツオなどに多く含まれます。吸収を助けるビタミンCと一緒に与えるとよいです。
  • カルシウム、亜鉛:骨や皮膚の健康に関係します。カルシウムは乳製品や骨粉(安全な加工品)で、亜鉛は肉類や卵に含まれます。

不足・過剰のサイン

  • 不足:元気がない、筋力低下、貧血、被毛の悪化など。
  • 過剰:嘔吐、下痢、食欲低下、腎機能の負担などが現れることがあります。特にサプリでの単独過剰に注意してください。

実践的な考え方

基本は総合栄養食(市販のバランスの取れたドッグフード)で必要量を確保します。手作り食にする場合は、獣医師監修のレシピか市販の栄養補助パウダーを利用してください。単体のサプリメントはバランスを崩すリスクがあるため、獣医師の指示がない限り多用しないでください。

すぐできるポイント

  • まずは普段のフードを確認する(「総合栄養食」か)。
  • レバー類は週に1回程度、小さめの量から。
  • サプリを使う場合は獣医に相談し、過剰にしない。

日々の観察と獣医師との相談を大切にして、安全に栄養を整えましょう。

おやつは「栄養補給」と「コミュニケーション」に役立つ

おやつの二つの役割

おやつは単なるごほうびだけでなく、栄養補給の一助にもなります。主食だけでは不足しやすいたんぱく質や特定の脂肪酸、カルシウムなどを補えます。もう一つは、しつけやスキンシップの道具としての役割です。短時間で注意を引き、飼い主と犬の信頼を深めます。

栄養補給としての選び方

魚や肉を原料にしたおやつはたんぱく質が豊富です。小魚(煮干しや焼きアジ)であればカルシウムもとれます。オメガ3を補いたければ、フィッシュオイル入りのおやつやサーモンを使った製品を選んでください。ナチュラル表記のものや原材料が明示されている製品を優先すると安心です。

与える量と管理のコツ

おやつは1日の総摂取カロリーの目安として約10%以内に抑えましょう。たとえば、必要エネルギーが400kcalの犬なら、おやつは約40kcalが目安です。与えすぎると肥満や栄養バランスの偏りを招くため、普段のフード量から調整して管理してください。

しつけやコミュニケーションでの使い方

訓練中は小さく切った低カロリーのおやつを使うと効果的です。褒め言葉と組み合わせると学習が早まります。食事以外のスキンシップや遊びも大切にして、おやつだけに頼らない関係作りを心がけてください。

注意点

高脂肪・高糖分のものや、チョコレート、ネギ、ぶどう、キシリトール含有品は絶対に与えないでください。アレルギーや持病がある場合は、獣医師と相談して適切なおやつを選んでください。

シニア犬・食欲低下時の「食事からの栄養・水分補給」の工夫

はじめに

シニアや体調不良で食欲が落ちた犬には、少量でも栄養と水分を摂らせる工夫が大切です。無理に食べさせず、食べやすく香り高くすることを優先します。

食欲を刺激する工夫

  • フードは人肌程度に温めて香りを立てます。電子レンジはムラができるのでよくかき混ぜて温度を確かめてください。
  • 好きなトッピングを加えます(茹でささみ、鶏胸肉のほぐし身、蒸したかぼちゃやにんじん、ウェットフード少量)。
  • 少量を回数多めに与えると負担が減ります。

水分と栄養を同時に補う方法

  • 低塩の鶏ガラスープや野菜スープを作り、フードにかけて与えます。
  • スープをゼラチンで固めてゼリー状にすると舐めやすくなります。
  • 流動食(市販の流動食やミキサーで作ったペースト)で栄養濃度を上げることも有効です。

与え方の工夫と注意点

  • 歯や飲み込みが弱い場合はペースト状にし、犬用シリンジで少量ずつ与えます。誤嚥に注意し、頭を高く保ちます。
  • 塩、玉ねぎ、にんにく、キシリトールは厳禁です。
  • チューブフィーディングや長期の流動食は獣医師の指示で行ってください。

獣医師に相談する目安

食欲不振が数日続く、体重が減る、嘔吐や下痢、脱水の兆候(口が乾く・皮膚の弾力低下)があれば早めに受診してください。

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