目次
はじめに
ブッチ(Butch)について
ニュージーランド発のチルドタイプ(冷蔵保存が基本)のドッグフード「ブッチ」は、肉と内臓を主にした生に近い食感が特徴です。加熱乾燥タイプと比べて水分が多く、嗜好性が高い点で人気があります。素材感が残るため、食いつきが良い犬が多い一方で、保存や給餌の仕方に注意が必要です。
この記事の目的
本記事では、ブッチを愛犬に与えるときの「量」に焦点をあてて解説します。体重別の給餌量目安、超小型から大型犬までのサイズごとの考え方、子犬・成犬・シニア犬での調整方法、1本で何日もつかやコスパの見方まで、飼い主が知りたいポイントを分かりやすくまとめます。
読み進める際の注意点
犬の活動量や体型、健康状態で適切量は変わります。本記事はあくまで一般的な目安を示します。具体的な給餌量や体調の相談は、獣医師やトリマーなど専門家にも相談してください。
ブッチドッグフードとは?カロリーと特徴から量を考える
ブッチの概要
ブッチはニュージーランド発祥のチルド(冷蔵)タイプのドッグフードです。水分が多く柔らかい食感で、保存は冷蔵が基本になります。一般に缶詰やレトルトとは異なる冷たい加工で、素材の風味が残りやすい点が特徴です。
カロリーと水分量
標準的な数値で、ブッチは100gあたり約116kcal、最大で水分約74.5%を含みます。比較するとプレミアムドライフードは約360kcal/100gが一般的なので、同じカロリー量を与える場合はブッチの方を多め(重量ベース)に使えます。
栄養の特徴
高たんぱく・低脂肪の設計で、肥満傾向の犬やダイエット中、胃腸が弱い犬に向きます。水分が多いため消化吸収が穏やかで、飲水量が減る場合もあります。ただし、成分は種類ごとに差があるためラベル確認が重要です。
量の考え方(簡単な計算例)
1日の必要エネルギー(kcal)をまず目安で決めます。例えば必要量が500kcalなら、ブッチの量は次の式で求めます。500 ÷ 116 × 100 ≒ 431g。ドライフードと比較したい場合は、ドライの100gあたりカロリーで比率を出すと分かりやすいです(約360/116 ≒ 3.1倍)。
与えるときの注意点
・体重や運動量、年齢で必要量は変わるため、目安は調整してください。
・切り替えは7〜10日かけて徐々に行い、便や食欲を観察してください。
・開封後は冷蔵保存し、表示の期限内に使い切ること。
・大量に与えると下痢になる場合があるため、適切に量を計測してください。
体重別のブッチの基本給餌量(成犬の目安)
目安の前提
以下はブッチの公式推奨量をもとにした成犬の1日あたりの目安です。カロリーはやや低めなので、体調や活動量に応じて増減してください。表記はすべてグラム(g)です。
体重別の1日あたり目安(成犬)
- 1kg: 約100〜103g
- 2kg: 約135〜140g
- 3kg: 約180〜186g
- 4kg: 約225〜233g
- 5kg: 約265〜272g
- 6kg: 約285g
- 7kg: 約325g
- 8kg: 約360g
- 9kg: 約400g
- 10kg: 約450〜466g
- 12kg: 約528g
- 20kg: 約776g
- 30kg: 約1293g
- 40kg: 約1629g
- 50kg: 約2017g
- 60kg: 約2483g
調整のポイント
- 活動量:散歩や運動が多ければ多めに与えます。
- 体型:痩せ気味なら増量、肥満傾向なら減量します。
- 年齢・健康:病気や投薬中は獣医師に相談してください。
与え方のコツ
キッチンスケールで正確に量をはかり、1日1〜2回に分けて与えると消化にやさしいです。量を変えるときは数日かけて徐々に調整してください。
サイズ別(超小型〜大型犬)ブッチの量の目安
超小型犬(成犬体重4〜5kg未満)
1日目安:103〜272g
一度に食べられる量が少ないので、1日2〜3回に分けて与えてください。例:150g/日なら、朝晩2回で各75g、あるいは3回で各50gが目安です。
小型犬(4〜7kg)
1日目安:233〜336g
運動量や筋肉量で調整します。活発なら上限寄り、運動が少なければ下限寄りに設定してください。
小型〜中型寄り(5〜10kg)
1日目安:272〜466g
パグや柴犬などは太りやすい傾向があります。体重の増減がないか定期的に確認し、与えすぎに注意します。
中型犬(10〜20kg)
1日目安:466〜776g
散歩や遊びの量で上下します。筋肉質なら多め、肥満気味なら少なめに調整してください。
大型犬(20kg以上)
1日目安:776g〜
目安例:20kgで約776g、30kgで約1293g、40kgで約1629g、50kgで約2017g、60kgで約2483g
大型犬は胃腸への負担を避けるため1日2回に分けると良いです。
与え方のコツと注意点
・ドライよりカロリーが低めなので、同じ体重管理でも量はやや多めに見えることがあります。
・運動量、避妊・去勢の有無、年齢で±10〜20%調整してください。
・体重と体型(肋骨が触れるかなど)を月1回は確認し、必要なら給餌量を見直します。
子犬(パピー)にブッチを与える量の考え方
はじめに
成長期の子犬は栄養と回数のバランスが重要です。ここでは、体重1kg以上の子犬に対するブッチの与え方をわかりやすく説明します。
基本の目安(体重1kg以上)
成犬時の給与量の2〜3倍が目安です。例えば成犬の目安が1日300gなら、子犬期は600〜900gが目安になります。ただし個体差があるため、体型(やせ・標準・太り気味)と体重の増え方を見ながら調整してください。
回数とタイミング
・生後10週までは1日4回程度に分けます。胃が小さく一度に多く食べられないためです。
・生後3ヶ月以降は、成犬体重の約50%に達するまでは1日3回にします。
・1歳に近づくにつれて、徐々に成犬用の給与量と回数(通常1〜2回)に移行します。
切り替えのコツ
今のフードに少量ずつブッチを混ぜ、数日かけて割合を増やします。便の状態や食欲を観察し、下痢や嘔吐があれば割合の増やし方をゆっくりにしてください。冷蔵庫で保存する際はパッケージの指示に従い、常温で長時間放置しないよう注意します。
注意点・チェック項目
・体重の増え方が急すぎないか(週ごとの増加を確認)
・食べたあとの元気さ、便の固さや色
・過剰に与えると肥満や骨の成長不良の原因になることがある
問題があれば早めに獣医師に相談してください。
シニア犬・老犬にブッチを与える量の目安
特徴とメリット
シニア犬には消化しやすく柔らかい食事が向きます。ブッチは低脂肪・低カロリーで食べやすく、高齢期の体重管理に役立ちます。
給餌量の基本ルール(公式目安)
成犬の給与量を基準に、シニアは80〜90%にするのが公式の考え方です。基礎代謝が落ちるため、同じ量だと太りやすくなります。
具体例(分かりやすい計算)
成犬10kgの目安が約466gなら:
- 80% → 約373g
- 90% → 約419g
この範囲から個体差を見て調整します。
個別に調整するポイント
- 体重の変化を週1回確認し、増加なら量を減らす、減少なら獣医に相談して増やします。
- 活動量が多ければ上限寄り、少なければ下限寄りに設定します。
- 腎臓病や心疾患がある場合は、獣医の指示に従って療法食や量を調整します。
- 歯が弱い子は刻む・温める・回数を分けると食べやすくなります。
与え方の工夫
温めると香りが立ち食いつきが良くなります。1回量を減らして1日2〜3回に分けると胃に優しい給餌になります。
移行時の注意
新しい量や与え方に変えるときは1週間ほどかけて徐々に変えてください。急な変更は消化不良の原因になります。
最後に
個体差が大きいので、心配なときは必ず獣医師に相談してください。