はじめに
リード
ドクターズダイエットは、動物病院向けに開発された国産のドッグフードです。体重管理や尿路ケア、皮膚・被毛ケアなど、目的別に細かくラインナップされています。本章では、このシリーズの位置づけと特徴をわかりやすく紹介します。
ドクターズダイエットとは
ドクターズダイエットは、獣医師が処方やアドバイスを行いやすいよう設計された総合栄養食です。病気の予防や改善を目的に、栄養バランスを整えた処方が特徴です。
安全性と衛生管理
国内で製造し、原料の管理や製造工程の衛生に配慮しています。品質管理を重視し、安心して与えられるようにしています。
獣医師のアドバイスの重要性
このフードは病院専用のため、症状や体調に合わせて獣医師の指示で選ぶことをおすすめします。自己判断で使うよりも、適切なアドバイスを受けると効果的です。
本シリーズの読み方
以降の章で、具体的な成分やラインナップ、選び方のポイントを順に解説します。愛犬の健康管理に役立てていただければ幸いです。
どんなフードか
ブランドの特徴
ペットライン株式会社が製造する、動物病院専用の療法食ブランドです。安全性と衛生管理を重視し、原料や製造工程でのチェックを徹底しています。獣医師の指示に沿って与えることを前提にしたラインナップです。
製造と品質管理
国内の管理された工場で生産し、製造後の検査やロット管理でトレーサビリティを確保しています。具体例としては、原料受け入れ時の検査、加熱工程での温度管理、出荷前の品質確認があります。
動物病院専用である理由
病気や状態に合わせた栄養バランスを調整しているため、自己判断で与えるのは避けるべきです。例えば、腎臓病用はリンとタンパク量を調整し、消化器サポートは消化にやさしい成分を中心に配合されています。
種類の選び方と獣医師の役割
製品は体重管理、腎臓・肝臓・消化器など用途別に分かれています。獣医師は検査結果や症状をもとに最適な種類と給餌量を指示します。疑問があれば、普段の食欲や便の状態を伝えると相談がスムーズです。
使う際の注意点
急に切り替えず、少しずつ混ぜながら割合を増やしてください。食いつきが悪ければ獣医師に相談し、必要なら別の処方に変えることを検討します。
原材料と成分の特徴
概要
体重管理用のこのフードは、主にとうもろこし・脱脂大豆・ミートミールを原材料に使い、成分はたんぱく質約26％以上、脂質約7.5％以上、カロリーは100gあたり約323kcal程度の低脂肪・低カロリー設計です。合成保存料や着色料は使っていません。
主原料の役割と特徴
- とうもろこし：エネルギー源として使います。消化が良く、コストを抑える役割があります。
- 脱脂大豆：植物性たんぱくの供給源で、脂肪分を抑えつつたんぱく質を補います。
- ミートミール：肉成分を濃縮した原料で、動物性たんぱくを効率よく補えます。生肉と比べ風味や栄養密度が高い点が利点です。
成分のポイント
- たんぱく質約26％：筋肉や基礎代謝を支える量です。アクティブな犬や筋肉維持が必要な犬に配慮した数字です。
- 脂質約7.5％：一般的なドライフードより低めで、体重管理向きです。
- カロリー約323kcal/100g：給餌量を調整すれば体重減量や維持に役立ちます。
添加物と安全性
合成保存料・着色料不使用の点は安心材料です。ビタミンやミネラルは必要量が強化されていることが多く、栄養バランスを保ちやすくしています。
長所と注意点
長所：低脂肪・低カロリーで体重管理に向く、保存料不使用で安心感がある点。
注意点：穀物が主原料のため高肉比率を求める方や穀物アレルギーの犬には合わない場合があります。ミートミールに対しては評価が分かれることがあります。
給餌の実践ポイント
給餌量を体重や活動量に合わせて調整してください。減量目的なら獣医師と目標体重や給餌計画を相談することをおすすめします。
ラインナップ（代表例）
以下は代表的なラインナップと、それぞれの特徴や与え方のポイントです。
パピー用（成長サポート）
高タンパク・高カロリーで骨や筋肉の成長を支えます。消化しやすい炭水化物とバランスの取れたカルシウム・リン配合が特徴です。例として、成長期に必要な栄養を凝縮した小粒タイプがあり、離乳後すぐでも与えやすいです。給餌は1日3〜4回に分けると消化に負担がかかりません。
メインテナンス（pHエイド）
尿pHを適正に保ち、尿路の健康維持を意識した設計です。ミネラルバランスを調整して結石のリスクを下げる配合が多く、水分摂取を促すレシピが特徴です。日常的に与えやすい味付けで、定期的な尿検査と合わせて使うと安心です。
体重管理用（ライト）
脂質とカロリーを抑え、食物繊維を増やして満足感を高めます。筋肉量を維持するために良質なタンパク質を確保していることが多いです。おやつや食事量を調整しながら体重を管理してください。
皮ふ・毛づやケア
アレルギーに配慮した限定原料や、オメガ3・6脂肪酸を強化したレシピが中心です。かゆみや被毛のパサつきが気になる場合に向きます。改善が見られないときは獣医師に相談してください。
避妊・去勢用
術後に太りやすくなる傾向に配慮した低カロリー設計と、尿石対策を組み合わせた処方が一般的です。術後は体重や食欲の変化を見ながら段階的に給餌量を調整してください。
評価と選び方のポイント
概要
国産で病院専用ライン、無着色・合成保存料不使用、目的別に細かく設計されている点が大きな長所です。安全性や用途の明確さを重視する飼い主に向いています。
メリット
- 原料や製法の管理が行き届いていることが多く、品質に安心感があります。
- 目的別（体重管理、皮膚ケア、消化サポートなど）に成分を調整しているため、特定の問題に対応しやすいです。
- 着色料・合成保存料を使わないため、添加物に敏感な犬でも受け入れやすい傾向があります。
デメリット（注意点）
- 穀物比率が高めの配合だと、たんぱく質主体を望む飼い主には物足りなさを感じられます。
- 表示に「ミール（肉粉）」がある場合、肉の鮮度や部位が分かりにくく、不安に感じる方がいます。
- 長期間メインフードにする際は、総合栄養バランスを確認したほうが安心です。
選び方のポイント
- 成分表を確認：主原料が肉類か穀物かを見て、愛犬の体質と照らし合わせます。
- 目的適合性：体重管理や皮膚ケアなど、求める効果に合わせて専用ラインを選びます。
- 成分の具体表示：肉の種類、油脂の種類、添加物の有無をチェックします。
- カロリーと給与量：表示に従い、運動量や年齢に合わせて量を調整します。
与え方と確認点
- 新しいフードは1〜2週間かけて徐々に切り替えてください。
- 食いつきや便の状態、皮膚の調子を観察し、変化があれば獣医に相談します。
- アレルギーや持病がある場合は、事前に専門家に相談することをおすすめします。
どんな犬に向いているか
概要
このフードは、獣医師と相談して特定の目的（体重管理、尿路の健康、皮膚ケアなど）を念頭に総合栄養食を選びたい犬に向きます。一方で穀物アレルギーがある犬や、グレインフリー・ヒューマングレードに強いこだわりがある場合は、他ブランドも比較検討してください。
体重管理が必要な犬
太りやすい体質、避妊・去勢後の体重増加傾向がある犬に向いています。カロリーや脂肪のコントロール、満足感を得やすい食物繊維を含む配合は、体重管理を助けます。与えるときは、必ず適正体重を獣医と決め、給餌量を計って管理してください。
尿路トラブルの予防が必要な犬
尿路の健康を意識した処方がある場合、結石の再発予防や尿のpH調整をサポートします。水分摂取を増やす工夫や、排尿の観察も合わせて行うと効果的です。症状がある場合は必ず検査を受け、獣医の指示に従ってください。
皮膚・被毛トラブルがある犬
かゆみやフケ、被毛のパサつきが気になる犬には、オメガ3脂肪酸やビタミン、良質なたんぱくを含む処方が役立ちます。アレルギーが疑われる場合は、成分を絞った“除去食”で原因を探すことを獣医と検討しましょう。
向かない可能性のある犬
明らかな穀物アレルギーがある犬、もしくはグレインフリー・ヒューマングレードに強いこだわりがある飼い主さんの犬は、別ブランドの製品と比較することをおすすめします。
実践的な注意点
- 切り替えは7〜10日かけて少しずつ行う。体調や便の状態を確認する。\n- ごほうびやテーブルスクラップも含めてカロリー管理を行う。\n- 体重や体格（BCS）を定期的に確認し、異常があれば獣医に相談する。
獣医師と相談しながら、愛犬の状態に合わせて選ぶと安心です。