犬用フード・おやつ

フレンチブルドッグの餌の量を年齢別に正しく管理する方法

はじめに

この文書は、フレンチブルドッグの餌の量と与え方についてわかりやすくまとめたガイドです。フレンチブルドッグは筋肉質で愛らしい反面、肥満になりやすい特徴があります。そのため、食事管理が健康維持に直結します。本書では年齢別・体重別・回数の目安を示し、具体的な給餌量の計算方法やフード選びのポイントも解説します。

目的

  • 飼い主が毎日の給餌で迷わないようにすること。
  • 肥満や栄養不足を予防し、健康な体重を保つこと。

このガイドの使い方

  • 第2章で年齢ごとの基本ルールを確認してください。
  • 第3章で実際の計算方法を学び、愛犬の体重に合わせて調整します。
  • 第4章と第5章でフード選びや日常の注意点を押さえてください。

注意点

  • 個体差が大きいので、目安は調整してください。獣医師の指示がある場合は優先します。
  • 食事管理は体重だけでなく、運動量や体調も合わせて見てください。

年齢別の餌の量と回数

子犬期(2か月〜11か月)

子犬は消化器官が未発達なので、1回にたくさん与えず少量を複数回に分けて与えます。目安は日量で、2か月は約143g、11か月は約128gです。与える回数は1日2〜4回が適切です。
例:2か月の143gを3回に分けると1回約48g、4回なら約36g。11か月の128gを2回に分けると1回約64g、3回なら約43gです。

成犬期(1〜7歳)

成犬は体重1kgあたり120〜140kcal/日が目安で、基本は1日2回に分けて与えます。フードの表示にあるkcal(例えば350kcal/100g)を使って、必要なグラム数に換算します。
例:体重10kgの犬は1200〜1400kcal/日が目安。フードが350kcal/100gなら1日あたり約340〜400gを2回に分けます。

シニア犬(7歳〜)

年齢とともに活動量や消化機能が落ちます。日量をやや減らし、1日2〜3回に分けて与えると消化にやさしいです。まずは現在の量から約10%減らして様子を見てください。

調整のポイント

体重変化、便の状態、食欲を毎日チェックして微調整します。運動量が多ければ増やし、減れば減らします。不安がある場合は獣医師に相談してください。

給餌量計算の目安

基本の計算式

給餌量はまず「安静時エネルギー要求量(RER)」を求めます。

RER = 70 × (体重(kg)^ 0.75)

次に年齢や活動量に合わせた係数をかけて、1日に必要なエネルギー量(DER)を求めます。

DER = RER × 係数

一般的な係数の目安は次の通りです(個体差があります)。
- 子犬(成長期):3.0〜2.0(成長の早い時期は高め)
- 成犬(一般的な室内犬):1.6
- 高齢犬:1.4
- 活動的な犬や繁殖期はさらに高くなる場合があります

具体的な計算例

例1:体重10kgの成犬(係数1.6)
1) RER = 70 × 10^0.75 ≒ 70 × 5.62 = 393 kcal
2) DER = 393 × 1.6 ≒ 629 kcal/日

フードが「350 kcal/100g」と表示されている場合、1gあたり3.5 kcalです。
給餌量(g/日)= DER ÷ (kcal/ g)= 629 ÷ 3.5 ≒ 180 g/日

例2:体重5kgの子犬(係数3.0)
1) RER = 70 × 5^0.75 ≒ 70 × 3.34 = 234 kcal
2) DER = 234 × 3.0 = 702 kcal/日
フードが400 kcal/100g(4.0 kcal/g)の場合、702 ÷ 4 ≒ 176 g/日

フード表示の読み方と注意点

  • パッケージは「kcal/100g」や「kcal/カップ」で表示されています。必ず単位を確認してください。
  • おやつや人の食べ物もカロリーに含めることを忘れないでください。

調整のコツ

  • 計算は目安です。まずは算出量から始め、週に1回程度体重と体型(BCS)を確認して調整します。
  • 体重が増えすぎるときは10%程度ずつ減らし、痩せているときは10%程度ずつ増やして様子を見ます。
  • 健康状態や疾患がある場合は獣医師に相談してください。

フード選びと注意点

良いフードの選び方

フードは高品質で消化の良いものを選びます。主原料がはっきり書かれているもの(例:チキン、サーモンなど)が望ましいです。安価な「副産物」や不明瞭な原料を避けると安心です。

成分表示の見方

成分表示ではタンパク質・脂質・繊維の割合を確認します。原料欄は使用量の多い順に並びます。たとえば最初に肉類が並んでいれば肉主体のフードです。

年齢・体調に合わせた選択

子犬・子猫は成長に合わせた高カロリー・高タンパクのフードを選びます。成犬・成猫は維持用、シニアは消化に配慮した低カロリー・高可溶性のものが向きます。持病がある場合は獣医の指示に従います。

パッケージの給与量と調整

パッケージ記載の給与量は目安です。個体差や運動量、体重の変化に合わせて増減します。量は毎回キッチンスケールで量る習慣をつけます。

食べ残し・排便で見る健康サイン

毎回の食べ残しや便の硬さ・色は重要な指標です。柔らかい便や血便、長期間の残し癖があれば獣医に相談します。

切り替えとアレルギー注意

フードを替えるときは7〜10日かけて徐々に切り替えます。痒み、嘔吐、下痢が出たら中止して獣医に相談してください。

実践的な注意点

  • 成長期の給餌
  • 子犬は成長が早いので、体重に合わせてこまめに量を増やします。生後2〜6か月は1日3〜4回に分けて与えると消化の負担が減ります。体重は週に1回程度測って記録してください。

  • 成犬期以降の維持

  • 成犬は1日2回が一般的です。運動量や体格によって前後しますが、体重を基準に調整します。避妊・去勢後は代謝が落ちるため、与える量を少し減らすかカロリー低めのフードに切り替えましょう。

  • 回数と消化負担の軽減

  • 食事を複数回に分けることで嘔吐や下痢のリスクを下げられます。特に大型犬や早食いの子は1回量を小さくして給餌回数を増やすと安心です。食後すぐの激しい運動は避け、散歩は食事の前か食後30〜60分以降に行いましょう。

  • 給餌量の調整方法

  • 計量カップやキッチンスケールで正確に量ります。毎週の体重と体型(肋骨の触りやすさ)をチェックして、やせすぎ・太りすぎを早めに調整します。フード切替は7〜10日かけて少しずつ混ぜて行います。

  • おやつとごほうび

  • おやつは1日の総カロリーの10%以内に抑えます。トレーニングでは小さく切るかカロリーの低いものを使うと管理しやすくなります。

  • 特別な健康状態の注意

  • 持病や消化器の弱い子、シニア犬は獣医と相談して専用フードや回数の調整を行ってください。急な体重減少・嘔吐・下痢・元気消失があれば早めに受診しましょう。

まとめ

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。フレンチブルドッグの餌の量について、最後に大事なポイントをわかりやすくまとめます。

  • 年齢と成長段階を最優先で考える:子犬は成長に合わせて回数と量を多めに、成犬は体重管理を重視し、老犬は消化や食欲に配慮します(例:子犬は1日3回以上、成犬は1日2回が目安)。
  • 活動量と体調で調整する:散歩や運動が多ければ増やし、元気がないときは減らして獣医に相談します。
  • 毎回きちんと量る:計量カップやキッチンスケールで一定の量を与え、目分量は避けます。
  • 観察するポイント:体重、ウエストのくびれ、被毛のつや、便の状態を定期的にチェックしてください。
  • 少しずつ調整する:体重が増えたら与える量を約1割減らすなど、急な変更は避けて様子を見ます。急激な変更は消化不良を招くことがあります。
  • おやつとトリーツはカロリーに含める:与えすぎないように全体の量を考えてください。
  • 不安なときは獣医師へ:肥満や食欲不振、下痢など気になる症状があれば早めに受診してください。

毎回きちんと量り、愛犬の様子をよく観察することで、健康な体重と暮らしを守れます。小さな変化に気づいて、無理なく調整してあげてください。

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