犬用フード・おやつ

犬がご飯を詰まる原因と症状、対処法まで詳しく解説

はじめに

本記事では、犬がご飯を喉(のど)や食道、腸に詰まらせることについて、原因・症状・危険性・対処法をやさしく解説します。

目的

犬を飼う方が、詰まりのサインを早く見つけて適切に対応できるようになることを目的としています。普段の食事や誤食がなぜ危険になるのか、具体的に分かりやすく説明します。

なぜ大切か

詰まりは短時間で命に関わることがあります。早めに対応すれば助かる可能性が高くなり、治療も負担が少なくなります。

この記事で学べること

  • 詰まりやすい体の特徴
  • 食道や腸に詰まる仕組みと症状の見分け方
  • 緊急時の目安と家庭でできる応急処置
  • 誤食を防ぐ工夫

まずは落ち着いて読み進めてください。次章から詳しく説明します。

犬が「ご飯を詰まらせやすい」体の特徴

犬は人より丸飲みする習性が強いため、食べ物が食道にとどまりやすい動物です。ここでは、特に詰まりやすい体の特徴と日常で気をつけたい点を具体例を交えて説明します。

丸飲みしやすい習性

犬は獲物を争う本能や競争心から、噛まずに急いで飲み込むことがあります。ジャーキーやささみなどの塊を一気に飲み込み、喉に引っかかる例が多く見られます。

体の大きさと食道の太さ

小型犬は体も食道も細いため、小さな異物でも詰まりやすくなります。子犬は喉が小さく、老犬は歯が弱くなって噛まずに飲み込む傾向があります。

歯や噛む力の違い

歯が抜けている、歯痛があるとしっかり噛めません。結果として大きな塊を飲み込んでしまい、詰まりやすくなります。

食べ物の形状・硬さ

固くて尖るもの、糸状や薄く長いもの、表面が滑るものは詰まりやすいです。具体例:硬い骨、厚いジャーキー、長いひものおやつ。柔らかくても塊状だと食道にひっかかることがあります。

注意すべき犬種や状況

小型犬、食べるのが速い犬、歯の悪い高齢犬は特に注意が必要です。短頭種(鼻が短い犬)はむせやすく、飲み込み方に特徴があります。

日常でできる予防

おやつやご飯は小さく切る、ふやかす、食器を工夫してゆっくり食べさせるなど簡単な対策で詰まりを減らせます。食べ方に異変があれば早めに動物病院に相談してください。

食道に詰まる「食道内異物・食道閉塞」とは

食道内異物・食道閉塞とは

食道は口から胃までの短い通り道で、通常は飲食物がスムーズに通ります。食べ物やおやつ、異物がそこで引っかかり動かなくなる状態を「食道内異物」や「食道閉塞」と呼びます。閉塞が続くと粘膜が傷つきます。

よく詰まる物の具体例

  • ジャーキーや乾燥おやつ(噛まずに飲み込むと塊になる)
  • 鶏の骨などの鋭い骨(ささくれで引っかかる)
  • ささみや肉の塊(繊維状がまとまる)
  • りんごなどの果物のかたまり
  • 針やプラスチック片などの異物

詰まったときに体で起きること

異物が当たって炎症や浮腫(腫れ)が生じ、血流が悪くなりやすいです。長時間続くと壊死(組織が死ぬ)し、穴が開いて重篤になります。誤嚥や肺への影響も出ることがあります。

なぜ詰まりやすいのか

食道の一部は元々狭く、急いで飲み込む・よく噛まない・歯の問題で食べ物を細かくできないと詰まりやすくなります。年齢や既往の病気も影響します。

受診の目安と応急処置

違和感・大量のよだれ・吐く仕草・飲食できない様子があれば速やかに獣医師へ相談してください。手で無理に取ろうとせず、飲食を止めて落ち着かせ、搬送を行ってください。

検査と治療の流れ

まずレントゲンや造影で位置を確認し、内視鏡で摘出することが多いです。取れない場合は外科手術を行います。炎症が強ければ点滴や抗生物質・鎮痛剤で全身管理します。早期受診で予後が良くなります。

犬がご飯を詰まらせたときの症状サイン

食道に詰まったときに見られるサイン

食後すぐに何度も吐こうとする(えづく)、実際に吐く・吐出する、よだれが急に増える、喉を苦しそうに鳴らす(ガーガー、クルクル)、首を伸ばして落ち着かない姿勢を続ける、食べたがるのに飲み込めずすぐ戻す、といった症状が出ます。誤嚥(食べた物が気管に入ること)を伴うと咳や苦しそうな呼吸が続きます。

腸に詰まったときに見られるサイン

激しい嘔吐を繰り返す、食欲が急に落ちる、元気がなくなる、腹部を触られるのを嫌がる、腹部の膨らみや便が出ないなどが特徴です。詰まりが進むと嘔吐が止まらず脱水やぐったり状態になります。

いつが緊急か(すぐに受診すべきサイン)

・呼吸が苦しそう、舌や歯茎が青紫や白っぽい
・ぐったりして反応が鈍い
・腹部が急に膨らんだ、激しい痛がる
・嘔吐が止まらない、3〜4回以上繰り返す
これらは命に関わる可能性があるため、すぐに動物病院へ連絡してください。

自宅での応急対応と注意点

落ち着いて周囲を安全にし、他のペットや子どもを遠ざけます。吐物や詰まった物の破片を保管し、食べたものや時間をメモして持参してください。口の中を無理に探らないでください。食道や気道に詰まっている場合、指で取ろうとすると奥に押し込む危険があります。飲ませたり吐かせたりするのも獣医の指示なしに行わないでください。

獣医に伝えると役立つ情報

・何を、どれくらい、いつ食べたか
・吐いた物や破片の有無と写真
・症状が始まった時刻と経過
これらが診断と処置をスムーズにします。

腸に詰まる「腸閉塞」とご飯の関係

腸閉塞とは

腸のどこかに物が詰まり、その先へ内容物が進めなくなる状態です。詰まると胃や腸に内容物が溜まり、嘔吐や腹痛が起きます。放置すると腸の血流が悪くなり、壊死や穴(穿孔)を起こして重篤になります。

詰まりやすい物とご飯の関係

犬が誤って飲み込む物が原因で起きます。具体例として、梅干しの種、とうもろこしの芯、ジョイントマットの破片、ペットシーツの吸水部分、布類、ラップ、竹串、お菓子のパッケージ、鶏の骨などがあります。大きさや形、硬さによって腸でつかえやすくなります。消化しにくい食べ物(骨や硬い芯)は特に危険です。

主な症状

・急に始まる繰り返す嘔吐
・元気消失、腹部の張りや痛がる仕草
・便が出ない、排便回数の変化

診断と処置

獣医は触診、X線や超音波で確認します。詰まりが確認されれば内視鏡で取れる場合と外科手術が必要な場合があります。早期受診で治療の幅が広がります。

予防のポイント

小さな物や危険な食べ物は手の届かない場所に片付けること、犬用に安全な玩具を選ぶこと、食事管理でサイズや与え方を注意することが重要です。

犬が誤食する原因と「詰まり」につながりやすい物

なぜ誤食するのか

子犬は好奇心で何でも口に入れます。留守番中の退屈や不安で布やペットシーツを噛むことも多いです。食べ物以外を好む「異食(いしょく)」は栄養不足やストレス、注意を引きたい行動が原因になることがあります。飼い主の目を離したすきに拾い食いする場合もあります。

詰まりやすい代表的な物

  • 紐・糸・糞詰めになりやすい布類(靴下、タオル、ペットシーツ)
  • 小さなプラスチック部品やおもちゃの破片
  • ガムやロープ、ラテックス(ゴム製品)
  • 魚の骨・鶏の小骨(割れて鋭くなる)
  • トウモロコシの芯、ナッツ類、大きな塊の食べ物
  • 石や木片、土などの異物

これらは食道や腸で引っかかりやすく、飲み込み方によっては腸閉塞や食道閉塞になります。

防止策と対応

  • 危険物を手の届かない場所に片づけます。散らかったおもちゃも小分けに。
  • 噛むのが好きな子には耐久性のある大型の噛むおもちゃを与えます。サイズが小さすぎない物を選んでください。
  • 留守番時はパズル型の給餌器で退屈を減らします。
  • 異食が続く場合は獣医に相談し、栄養や健康のチェックを受けましょう。

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