目次
はじめに
対象読者と目的
本記事は、これから子犬におやつを与え始める飼い主さん向けの入門ガイドです。何ヶ月から与えてよいかの目安、月齢別の選び方、与える量や注意点、表示の見方などを分かりやすく解説します。
この章で伝えたいこと
- おやつは単なる嗜好品ではなく、しつけやコミュニケーションの道具になること
- 与え方を誤ると肥満や栄養バランスの崩れ、誤飲などのトラブルにつながること
おやつの役割と基本の心得
おやつはごほうびやトレーニング用、歯のケア用など用途に応じて使えます。与えるときは一回の量を少なめにし、総カロリーが適正範囲を超えないようにします。原材料や成分表示を確認し、アレルギーがある場合は避けてください。硬さやサイズは子犬の月齢と歯の発達に合わせます。
読み方のコツ
市販品は成分表示と与える目安をまず確認します。はじめて与える際は少量から試し、便や皮膚の状態を確認してください。健康上の不安があれば獣医師に相談することをおすすめします。
犬におやつを与え始めてよい時期
一般的な目安
生後3か月以降が基本の目安です。離乳が終わり乳歯が生え揃い始める生後2〜3か月頃から、柔らかく消化しやすいおやつを少量ずつ試してもよいことがあります。ただし、生後3か月までは消化器官が未発達なため、不要または与えない方が無難です。
2〜3か月での与え方のポイント
・市販品は表示を確認し、生後2か月からOKのものだけ使います。
・最初は一口大の柔らかいものを1〜2回だけ与えて、便や体調を観察します。
・アレルギーや嘔吐、下痢が出たらすぐ中止し獣医に相談します。
与えない方がよい場合
体重増加が著しい、消化器の不調が続く、獣医から食事制限を指示されている場合はおやつを控えます。
注意点(安全に与えるために)
・人の食べ物(チョコレート、ぶどう、ネギ類など)は絶対に与えない。
・与える量は総カロリーの目安の一部にとどめ、主食とのバランスを保ちます。
・心配なときは獣医に相談して個別の開始時期を決めます。
月齢別のおやつの選び方
生後2〜3か月:はじめは少量の柔らかいものを
離乳が進む時期です。消化に優しい柔らかいおやつを極少量だけ与えてください。蒸したさつまいもや無塩のゆで鶏の細切り、子犬用の柔らかいパウチやペースト状のおやつが安全です。初めて与えるときは1〜2粒、様子を見ながら増やします。
生後3〜5か月:慣らしとしつけに使えるものを
この時期は噛む力が育ちますが胃腸はまだ敏感です。子犬用の柔らかいボーロや小さなクッキー、普段のドッグフードをおやつ代わりに使うのも有効です。成分表示で添加物や塩分が少ないものを選び、与え過ぎに注意してください。
生後6か月以降:硬めのおやつも検討可
消化機能と噛む力が発達します。歯磨き用デンタルガムややや硬めのジャーキー、噛むおもちゃタイプのおやつも選べます。ただし「子犬用」「1歳未満向け」など月齢表示を確認し、体格や歯の状態に合わせて選んでください。
選ぶ際のポイント
成分を確認し、塩分や糖分、香料や保存料が多すぎない商品を選びます。アレルギーに注意し、新しいおやつは少量から試してください。噛ませるおやつは監視し、誤飲や詰まりが起きない形状を選ぶことが大切です。
おやつを与える量と注意点
基本の目安
1日の総カロリーの約10%以内を目安にします。例えば、1日の必要エネルギーが400kcalの犬なら、おやつは約40kcalまでに抑えます。具体的な数値が分からない場合は、普段のフード量の目安に合わせて獣医師に相談してください。
年齢や活動量を考慮する
子犬や運動量の多い犬はエネルギー消費が高いため、多少多めでも大丈夫な場合があります。一方、室内中心で運動量が少ない犬は厳しく管理してください。生後3か月までのしつけには、おやつではなく普段のフードを数粒使うと食事バランスを崩しません。
与え方の工夫
しつけやトレーニングでは小さく割れるおやつを使い、回数を増やしてご褒美頻度を高めると効果的です。コミュニケーションとして与えるときは決まった時間や場所を設けると習慣化しやすくなります。
注意点
- 成分表示を確認し、原材料やカロリーを把握してください。アレルギーがある場合は避けます。
- 大きさや硬さに注意し、誤飲や歯の負担を避けます。特に小型犬には小さめのものを選びます。
- 与えすぎのサイン(体重増加、食欲の偏り、便の変化)が出たら量を減らし、獣医師に相談してください。
おやつの代替案
運動や遊び、知育おもちゃ、普段のフードの一部をご褒美に使う方法があります。これらはカロリー管理や歯の健康にも役立ちます。
おやつの必要性と選び方のポイント
犬にとっておやつは必須ではありません。栄養面では総合栄養食(ドッグフード)で十分です。ただし、トレーニング、しつけ、歯みがきの補助、精神的な刺激という点で役立ちます。目的をはっきりさせて与えましょう。
選び方の基本ポイント
- 月齢表示を確認:子犬用や「生後○ヶ月から」と明記されたものを優先してください。消化器が未熟な時期は特に重要です。
- 消化性:原材料がシンプルで消化に良いものを選びます。穀物よりも消化しやすい肉類中心の製品もあります。
- アレルゲンの有無:鶏肉・牛肉・乳製品などアレルギーの原因になりやすい原料が入っていないかチェックします。
- 硬さ・大きさ:歯の発育や噛む力に合った硬さ、誤飲しない大きさを選びます。小さく割れるものはトレーニング向きです。
実用的な注意点
- 初めて与える場合は少量から始め、下痢や嘔吐がないか様子を見てください。
- カロリー管理を忘れずに。おやつの総量は1日の摂取カロリーの10%以内が目安です。
- 原材料が少ない単一素材のものや、普段のフードを小さく砕いて使う方法も安全です。
獣医師と相談しながら、その子に合ったおやつを選んでください。
よくある疑問・Q&A
ここでは、子犬に関するよくある疑問に短くお答えします。初めての方でも分かりやすい内容を心がけました。
Q1: 生後3ヶ月未満におやつを与えてもいいですか?
A1: 基本的に推奨しません。どうしても与える場合は、ごく柔らかく細かいものを極少量にし、必ず獣医など専門家に相談してください。
Q2: 市販のおやつの「◯ヶ月から」の表示は守るべきですか?
A2: はい。表示は消化機能や安全性を考慮したものです。必ず守ってください。
Q3: 成犬用のおやつを子犬に与えてもいいですか?
A3: 与えないでください。硬さやカロリーが合わず危険です。子犬用を選びましょう。
Q4: 人間の食べ物は与えてもよいですか?
A4: 基本は避けます。例外的に、加熱した鶏肉や白ごはんの少量なら短時間であれば問題ない場合がありますが、必ず獣医に相談してください。
Q5: おやつの量・頻度の目安は?
A5: おやつは1日の総カロリーの目安で10%以内に抑え、トレーニング時は小さな一口サイズを使います。
Q6: アレルギーや誤飲が心配です。
A6: 新しいおやつは少量から試し、24時間は様子を見ます。嘔吐や下痢、呼吸困難が出たらすぐに獣医へ連絡してください。
Q7: 歯が生え変わる時のおやつは?
A7: ひんやりした柔らかいおやつや噛むことができる冷やしたおやつが楽になります。硬いものは避けます。
Q8: おやつの保存や選び方で気をつけることは?
A8: 開封後は表示に従って保存し、原材料に不明な添加物がないか確認します。
ご不安な点は、かかりつけの獣医に相談してください。安全第一でおやつ選びを行いましょう。