犬用フード・おやつ

犬の栄養と食の基本をわかりやすく丁寧に解説します

はじめに

「愛犬の食事、何を基準に選べばいいかわからない」「手作り食に興味はあるけれど不安がある」——そんな悩みを抱えていませんか?本記事は、犬の健康を守るための食事の基本をやさしく丁寧に解説します。

本記事の目的は次の通りです。

  • 犬に必要な基本の栄養素をわかりやすく理解していただくこと
  • 市販の総合栄養食の選び方や見方のポイントを示すこと
  • 手作り食を始める際の注意点と安全な作り方を伝えること
  • 日常で使えるおすすめ食材と避けたい食材を具体例で紹介すること
  • 年齢や体調に合わせた食事の工夫を紹介すること

以降の章では、実際に飼い主さんが今日から取り入れやすいポイントを中心に説明します。専門用語はできるだけ控え、具体例や簡単な目安を示しますので、気軽に読み進めてください。愛犬の健康づくりにお役立ていただければ幸いです。

犬に必要な基本の栄養素

犬の健康を支える基本は、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの5つです。ここではそれぞれの役割と、普段のごはんで気を付けたいポイントを分かりやすく説明します。

タンパク質

筋肉や臓器、被毛をつくる主要な栄養素です。成犬は目安として粗タンパク質18%以上、子犬は22%以上が必要です。鶏肉・牛肉・魚・卵などの動物性タンパク質を中心に、バランスよく与えてください。

脂質

エネルギー源であり、細胞膜や皮膚の健康に欠かせません。魚油や鶏脂には良質な脂肪酸(オメガ3など)が含まれます。適量を守らないと体重増加につながります。

炭水化物

エネルギーを補う役割がありますが、犬は炭水化物の消化が得意ではありません。ごはんやさつまいもで補えますが、過剰摂取は軟便や肥満の原因になります。

ビタミン

免疫や代謝を助けます。ビタミンA・D・E・Kは脂溶性で過剰に与えると害になることもあります。緑黄色野菜や肝臓、魚から摂れます。

ミネラル

カルシウムは骨と歯、鉄は血液、亜鉛は皮膚や被毛に重要です。骨や乳製品、レバー、赤身肉で補います。特に成長期はカルシウムとリンのバランスに注意してください。

日々の食事はこれらをバランスよく含むことが大切です。市販の総合栄養食は基準に合わせて作られているため、手軽に栄養を整えたい場合に便利です。

犬の食事の基本と総合栄養食の選び方

はじめに

毎日の主食には、総合栄養食と表示されたドッグフードを選ぶことをおすすめします。総合栄養食は犬に必要な栄養がバランスよく配合され、水と一緒に与えるだけで日々の健康を保ちやすくなります。

総合栄養食とは

ペットフード公正取引協議会の基準を満たした製品だけが「総合栄養食」と表示できます。パッケージにその表示があるかをまず確認してください。表示は安全性と栄養バランスの目安になります。

フードのタイプ別の特徴

  • ドライフード:保存しやすく歯のケアに役立ちます。カロリー管理がしやすいです。
  • ウェット・缶詰・パウチ:水分が多く食いつきが良いので、食欲が落ちた時や高齢犬に向きます。

選び方のポイント

  1. 年齢別(子犬・成犬・高齢犬)や体重に合った表示を選ぶ。
  2. 原材料を見て主材料が肉類か確認する。過度な添加物は避ける。
  3. アレルギーや持病がある場合は獣医師と相談する。

与え方の基本

  • 必ず清潔な水を用意する。
  • パッケージの給餌量を目安に体重や運動量で調整する。
  • フードを切り替えるときは1〜2週間かけて徐々に混ぜて変える。

療養食について

病気や治療中は獣医師の指示に従い、療養食(処方食)を与えてください。自己判断で変えると症状が悪化することがあります。

手作り食の注意点とポイント

はじめに

手作りごはんは愛情が伝わる反面、栄養バランスを崩しやすい点に注意が必要です。ここでは安全に続けるためのポイントをやさしく解説します。

栄養バランスを最優先にする

市販の総合栄養食は必要な栄養を配合しています。手作りでは特定の栄養が不足・過剰になりがちです。AAFCOなどの基準を参考に、タンパク質・脂質・ビタミン・ミネラルのバランスを意識してください。気になる場合は獣医やペット栄養士に相談しましょう。

タンパク質の注意点

肉や魚は良いタンパク源です。ただし与えすぎると肝臓や腎臓に負担がかかります。体重や年齢に合わせた量を守り、加工品や塩分は避けてください。

野菜・果物と食物繊維

野菜や果物でビタミンや食物繊維を補えますが、生のまま大量に与えると消化不良や下痢になります。やわらかく煮る、すりつぶすなど消化しやすく調理しましょう。

穀物やアレルギー

穀物は栄養源になりますが、アレルギーが疑われる場合は種類を変えるか一時的に控えて様子を見ます。新しい食材は少量から試してください。

調理・保存の基本

人間用の味付けはしないでください。生肉を扱う際は衛生に注意し、加熱してから与えます。作り置きは冷蔵で短期間、冷凍保存も活用しましょう。

定期的なチェックと相談

体重、便、被毛の状態、活力を観察してください。変化があれば獣医に相談し、必要なら栄養補助食品を取り入れます。専門家と一緒に計画を立てることが安全です。

おすすめ食材と避けたい食材

犬の健康を支える食材と、避けるべき食材をわかりやすく整理します。毎日のごはんに取り入れやすい例と注意点を中心に解説します。

おすすめの食材

  • 高品質な肉類:ビーフ、チキン、ポーク、フィッシュは良質なタンパク源です。脂身は控えめにし、味付けはしないで与えます。加熱してから与えると安全です。
  • 魚:サーモンやマグロなどの脂ののった魚はオメガ3が豊富で毛づやに良いです。ただし生の魚は寄生虫や酵素で問題になることがあるため、加熱を推奨します。
  • 卵:完全栄養に近い食材です。生より加熱した卵の方が安全です。
  • 野菜・果物:にんじん、かぼちゃ、さつまいも、いんげん、リンゴ(芯と種は除く)などはビタミンや食物繊維の供給になります。生で与えるより火を通すと消化しやすいです。
  • 穀物:玄米やオートミールはエネルギー源になりますが、過剰は避けます。
  • 臓物(レバー等)はビタミンが豊富ですが、与えすぎると過剰摂取になります。適量を心がけます。

避けたい食材

  • チョコレート、カフェイン:中毒を起こします。少量でも危険です。
  • ネギ類(玉ねぎ、ニンニク、長ネギ、チャイブ等):赤血球を壊すことがあり、重大です。
  • ぶどう・レーズン:腎不全を引き起こすことがあります。量に関係なく注意します。
  • キシリトール(人工甘味料):低血糖や肝障害を起こす可能性があります。ガムやお菓子に注意。
  • ナッツ類(特にマカダミアナッツ):中毒を起こすことがあります。
  • 生のパン生地、アルコール、調理した骨(割れると内臓を傷つける):避けます。
  • 脂肪分や塩分の多い食材:肥満や膵炎の原因になります。

与え方のポイント

新しい食材は少量ずつ試し、下痢や嘔吐がないか確認します。人の味付けは避け、油や塩分は控えめにします。持病や体重管理が必要な場合は獣医と相談してください。

犬の年齢・体調に合わせた食事の工夫

子犬(成長期)のポイント

子犬は身体を作るためにエネルギーとタンパク質が多めに必要です。消化しやすい総合栄養食を選び、1日3〜4回に分けて与えると消化負担を減らせます。成長に合わせて体重と体型をこまめに確認しましょう。例:活発な骨格の成長期は高タンパク・高カロリーのフードが向きます。

成犬のポイント

成犬は体重維持が基本です。運動量に合わせて給餌量を調整します。体重が増えやすい犬種は低脂肪の総合栄養食を選ぶとよいです。食事の回数は多くても2回程度で十分な場合が多いです。

シニア犬のポイント

年齢とともに消化吸収や運動量が落ちます。消化にやさしい成分や高品質のタンパク質を重視し、カロリーは控えめにします。関節や腎臓の状態に合わせたフード選びも大切です。

体調・病気がある場合の工夫

食欲不振やアレルギー、腎臓病などがあると必要な栄養が変わります。かかりつけの獣医師と相談し、処方食や成分調整を行ってください。食事の温度や柔らかさを調整すると食べやすくなります。

活動量に合わせた調整と実践のコツ

散歩量や運動時間が多ければエネルギーを増やし、少なければ減らします。おやつもカロリーに含めて管理しましょう。体重・被毛・便の状態を目安にして、違和感があれば早めに見直します。

まとめ・犬の健康を守るために

犬の健康を守るためには、毎日の食事を基礎にした習慣作りが大切です。ここでは本書で触れたポイントを分かりやすくまとめ、実践しやすい形でお伝えします。

基本方針

  • 総合栄養食(ドライやウェット)を食事の基本にします。栄養バランスが整っていて、必要なビタミンやミネラルを補えます。
  • 手作り食やおやつは補助として利用します。栄養バランスが崩れないように量や頻度を調整してください。

日々の実践ポイント

  • 年齢・体調に合わせてフードを選びます。子犬・成犬・老犬で必要な栄養が変わります。
  • 1日の総カロリーを守り、肥満を予防します。体重は定期的に測り記録しましょう。
  • フードの切り替えは少しずつ行います。1〜2週間かけて混ぜながら変えてください。
  • アレルギーや消化不良が疑われるときはすぐに獣医師に相談します。

おやつと与え方の注意

  • おやつは1日の摂取カロリーの10%程度に抑えるとバランスが崩れにくいです。
  • 人間の食品で与えてはいけないもの(チョコ、玉ねぎ、ぶどうなど)は厳禁です。

観察と記録の習慣

  • 食欲、便の状態、毛艶、体重を定期的にチェックします。変化があれば早めに対処しましょう。

最後に、愛犬の健康は食事だけでなく運動やストレス管理も重要です。日々の小さな工夫と観察が、大きな安心につながります。ぜひ今回のポイントを参考に、健康で長く一緒に過ごせる毎日を目指してください。

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