目次
はじめに
目的
本記事は、犬のための餌台(フードスタンド)を手作りしたい方向けの入門ガイドです。安全で使いやすく、見た目も良い餌台を、できるだけ簡単かつ低コストで作る方法を丁寧に紹介します。
誰に向いているか
・DIY初心者で工具の使い方に不安がある方
・市販品だと高さや角度が合わない犬を飼っている方
・インテリアに合うシンプルな餌台を自作したい方
この記事で学べること
- 餌台が犬にとってなぜ必要かの理由
- 犬の体格に合わせた高さの目安
- 木材を使った本格DIYの手順と工具の紹介
- 角材や100均グッズを使った簡単・安価な作り方
大切にしているポイント
安全性(倒れにくさ、角の処理)、犬の姿勢(首や背中に負担をかけない高さ)、手入れのしやすさを重視します。具体例や写真ではイメージしやすい寸法も示しますので、順に読み進めてください。
次章では「なぜ餌台が必要か」を分かりやすく解説します。
なぜ犬に餌台(フードスタンド)が必要なのか
犬に餌台を用意する理由を、実例を交えてわかりやすく説明します。
吐きぐせ・逆流の予防
首を深く下げて食べると、胃液や食べ物が逆流しやすくなります。特に短頭種(鼻の短い犬)や早食いの犬はリスクが高いです。少し高めに食器を置くと、首が自然な角度になり飲み込みやすくなります。例えば、餌台で顔が前に突っ込まずに済むと、むせたり吐き戻したりする頻度が減ります。
首・腰・関節への負担軽減
成長期やシニア犬、大型犬は前かがみで長時間食べると首や腰、前肢の関節に負担がかかります。適切な高さの台を使うと、背中がまっすぐになり体重の負担が分散されます。結果として歩行や立ち上がりが楽になり、関節痛の悪化を防げることがあります。
食べやすさ・姿勢の安定
体に合った高さにすると、犬は前足で踏ん張る必要がなくなり、姿勢が安定して落ち着いて食べます。落ち着いて食べられると、消化もスムーズになり食事の時間がストレスの少ないものになります。小さな工夫で毎日の食事が快適になります。
犬の餌台の高さの目安
基本の高さ
一般的な目安は8〜15cm程度です。小型犬〜中型犬はおおむね約10cm、大型犬はそれより高めに設定することが多いです。犬の体格や年齢によって最適な高さは変わります。
調整式スタンドの例
成長や体調に合わせて変えられるものが便利です。たとえば9cm、12cm、15cm、18cmの4段階で高さを変えられる設計なら、子犬から成犬、体調の変化にも対応できます。
決め方のポイント(実践的な測り方)
犬が自然におすわりした状態で、首を無理に曲げずに食器に口をつけられる高さを選びます。測り方は次の通りです。
1. 犬を落ち着かせておすわりさせる。
2. 床から顎先(下あごの先端)までの高さをメジャーで測る。
3. 食器の深さ(内側の底までの高さ)を測る。
4. 顎先の高さから食器深さを差し引いた値が台の高さの目安です。例:顎先20cm、食器深さ8cmなら台の高さは約12cm。
食器の深さも含める理由
浅い皿と深いボウルでは同じ台の高さでも口の位置が変わります。食器が深い場合は台を低めに、浅い場合は少し高めに調整してください。
注意点と観察ポイント
・子犬や関節症のある高齢犬は、負担を減らすためにやや高めが望ましいことが多いです。
・食べるときに首を曲げ過ぎる、逆に不自然に伸ばす、急に飲み込むなどが見られたら高さを見直してください。
・高さは一度に大きく変えず、徐々に調整して犬の様子を観察します。滑り止めや安定した台を選ぶと安全です。
【本格DIY】高さ・角度を調整できる木製フードスタンドの作り方
概要
高さを4段階(9 / 12 / 15 / 18cm)で変えられ、角度も調整できる木製フードスタンドの作り方を説明します。安定性と使い勝手を重視した構造です。
材料と道具(例)
- 天板:幅330mm×奥行180mm
- 脚:高さ200mm×奥行180mmの板×2
- 丸棒:幅330mm(前縁用)
- 滑り止めネット
- 棚ダボ、ダボ錐、木工ねじ、木工用ボンド、ヤスリ、電動ドライバー
作り方(ステップ)
- 木材のヤスリがけを丁寧に行い、角や面を丸めて安全性を高めます。表面は布で拭いてほこりを取ります。
- 脚に高さの印を付け、貫通穴(上側固定用)とダボ穴(調整用)を開けます。穴は同じ高さで左右を揃えてください。
- 天板に下穴を開け、奥側は木工ねじで脚にしっかり固定します。奥を固定することで安定します。
- 手前側は棚ダボで取り外し可能にします。ダボとダボ穴にボンドを少量付けると脱着がスムーズです。
- 前縁に丸棒と滑り止めネットを取り付けて、フードボウルが前に滑り落ちないようにします。
角度調整のコツ
- 天板と脚の接合を斜めにつけることで角度を持たせます。片側に短い補助板を入れるだけでも角度が作れます。
- ボウルの位置に合わせて、手前のダボ位置を変えると微調整できます。
仕上げと注意点
- 組み立て後は表面の毛羽立ちを再度ヤスリがけし、子犬の口が当たる部分は念入りに仕上げてください。
- ネジは緩みやすいので定期的に点検してください。滑り止めは水洗い可能な素材を選ぶと衛生的です。
使用レビュー(簡単)
実際に使うと、犬が首をあまり下げずに食べられるため食事が楽そうでした。高さを変えることで食べやすさを見ながら調整できます。
角材で作るシンプル&おしゃれなフードスタンド
概要
30×40mmの角材だけで作る、シンプルでおしゃれな木製フードスタンドの作り方です。脚は高さ120mmにカットしたものを4本使い、上部フレームは食器の外径に合わせて位置を決めます。作り方は簡単で初心者にもおすすめです。
材料・道具
- 角材(30×40mm): 脚4本(各120mm)、上部フレーム用に4本
- 食器(直径を測る)
- 木工用ボンド、クランプ
- のこぎり、紙ヤスリ、メジャー、鉛筆
- ペット対応のオイルまたはミネラルオイル
作り方(手順)
- 食器の外径を測り、上部フレームの内側寸法を決めます(余裕を5〜10mm程度)。
- 角材を脚用に120mmで4本カットします。上部フレーム用の角材も長さを合わせてカットします。
- 上部フレームを組み立て、脚をフレームの内側四隅に当てて位置を確認します。食器を置いて安定する位置を確かめます。
- 木工用ボンドで接合し、クランプで圧締して乾燥させます(表示時間を守る)。
- 乾燥後、紙ヤスリで面取りや表面を整えます。角を丸めると犬のケガを防げます。
- ペット対応オイルを薄く塗り、乾燥させて完成です。
ポイントと注意
- フレームの内寸は食器に対してぴったり過ぎないように少し余裕を持たせましょう。出し入れが楽になります。
- 接合が弱いとぐらつくため、ボンドの量とクランプの圧力を適切にしてください。
- 水に濡れたらすぐ拭き、長時間濡れたままにしないでください。汚れたら布で拭き、必要なら軽くサンディングして再度オイルを塗ります。
応用例
完成後は犬がいないときに観葉植物スタンドとしても使えます。塗装の色を変えたり、脚の高さを変えて別サイズの食器にも対応できます。手軽で見た目も良いので、DIYの入門にぴったりです。