目次
はじめに
本書は、犬のご飯としてのドッグフードについて基礎から分かりやすくまとめたガイドです。目的は、正しい選び方と与え方を学び、愛犬の健康な食生活を支えることです。
想定読者
・初めて犬を飼う方
・今のご飯に不安を感じている方
・年齢や体調に応じた与え方を知りたい方
本書で扱う内容
・ドッグフードの種類や特徴(例:ドライ・ウェット・手作りの利点と注意点)
・年齢別・ライフステージ別の適切な与え方(子犬、成犬、高齢犬)
・食べないときの原因と対処法(環境、健康、嗜好など)
読み方のポイント
実例を交えて具体的に説明します。専門用語は極力避け、分かりやすい言葉でお伝えしますので、気軽に読み進めてください。次章からは、まずドッグフードの基本を詳しく解説します。
犬にとっての「ご飯」とは?ドッグフードの基本
ご飯の役割
犬の毎日のご飯は、生活に必要なエネルギーや体を作る栄養を補う大切なものです。市販の「総合栄養食」は、成長や健康維持に必要な栄養バランスを考えて作られています。まずは主食としてドッグフードを基本に考えましょう。
ドッグフードの種類と特徴
- ドライフード:歯に当たる刺激があり保存がしやすい。カロリー管理がしやすく、一般的に経済的です。
- ウェットフード:水分が多く嗜好性が高い。食欲が落ちたときや高齢犬に向きます。
- セミモイスト/ソフトタイプ:柔らかく与えやすい反面、保存や添加物に注意が必要です。
成分の見方(具体例で)
- タンパク質:筋肉や被毛の元。原材料に「鶏肉」「ラム」など明記があると分かりやすいです。
- 脂質:エネルギー源。過剰は肥満の原因になります。
- 繊維・水分:消化や排便に関係します。
パッケージの成分表示や「総合栄養食」の表示を確認しましょう。
与え方と保存のポイント
給餌量はパッケージの目安を基本に、体型や活動量で調整します。フードの切り替えは7〜10日かけて少しずつ混ぜながら行ってください。開封後は乾燥・冷暗所で保存し、カビや虫に注意しましょう。
手作りご飯やトッピングについて
手作りは愛情が伝わりますが、栄養バランスを崩しやすいです。主食は市販のドッグフードにして、必要に応じて茹で野菜や少量の肉をトッピングする方法がおすすめです。疑問があれば獣医師に相談してください。
年齢別・ライフステージ別の正しいご飯の与え方
子犬期(生後0〜12〜18ヶ月)
子犬は内臓や消化機能が未発達です。少量を回数多めに与えることが大切です。目安は生後2〜3か月で1日3〜4回、6か月以降は2〜3回に減らします。子犬用のフードを使い、成長に必要なタンパク質やカルシウムを確保してください。具体例:体重5kgの子犬なら1回あたり20〜30gを3回など、メーカーの給餌量を目安にしてください。
成犬期(1〜7歳前後)
成犬は体重管理と健康維持が目標です。基本は1日2回で、朝と夕に分けて与えます。個体差が大きいので、運動量や体格に応じて給餌量を調整します。多く運動する犬はカロリーを増やし、肥満傾向があれば量を減らします。体格は触って肋骨が軽く触れる程度が適正です。
老犬期(7歳〜)
老犬は味覚や消化力、噛む力が弱まるため食べやすさを重視します。ドライをお湯でふやかしたり、柔らかいウェットフードを混ぜると食べやすくなります。回数を増やして1回量を減らすと胃腸に優しいです。関節や腎臓の配慮が必要なら獣医と相談してフードを選んでください。
給餌量の調整と注意点
・新しいフードは7日程度かけて少しずつ切り替えます。急な変更は下痢の原因になります。
・おやつは総カロリーの10%以内に抑えます。
・体重や便の状態、被毛を定期的にチェックして給餌量を見直してください。
・食べムラや著しい体重変化があれば早めに獣医に相談してください。
普段の観察を続けることで、その子に合った最適な与え方が見つかります。
犬がドッグフードを食べない原因と対処法
はじめに
犬が急にドッグフードを食べなくなると心配になります。ここでは考えられる主な原因と、今日からできる具体的な対処法をわかりやすくご紹介します。
主な原因と短い説明
- 病気や歯の痛み:口内や消化器の不調で食欲が落ちます。
- フードの急な変更:風味や食感が変わって違和感を覚えることがあります。
- おやつや人の食べ物で味を覚えた:よりおいしいものを期待している場合があります。
- ストレス・環境変化:引っ越しや来客で落ち着かないと食べにくくなります。
- 年齢による変化:高齢犬は嗅覚・味覚が落ちることがあります。
すぐ試せる対処法
- まず健康チェックを受ける:発熱、嘔吐、便の異常があれば獣医へ行きましょう。
- 徐々にフードを切り替える:新しいフードは7〜10日かけて混ぜて慣らします。
- 食べやすく工夫する:ぬるま湯や低ナトリウムのだしで香りを立たせる、ウェットフードを少量混ぜる。
- おやつ・人の食べ物を減らす:食事の価値を下げないために控えます。
- 食事のルールを作る:決まった時間に出し、15〜20分で片付けて空腹感を作ります。
- 噛みにくそうなら形状を変える:粒の大きさや硬さを見直す、ふやかすなど。
- 気分転換や運動を増やす:軽い散歩で食欲が戻ることがあります。
注意点(すぐに獣医へ)
- 食欲不振が2日以上続く、体重が急に減った、元気がない場合は早めに受診してください。
- 無理に食べさせると誤飲や嘔吐につながるので避けます。
普段の観察で早めに原因を見つけ、小さな工夫から試してください。