犬用フード・おやつ

犬の歯から血が出る原因とガムケアの注意点とは?

はじめに

本記事の目的

犬がガムを噛んでいるときに歯や歯茎から血が出る原因と、そのときの対処や日常的なケアのポイントをわかりやすく解説します。飼い主さんが不安にならず、適切に対応できるようにまとめました。

対象となる方

・犬がガムを噛んでいて血が出た経験がある方
・口のケア方法を知りたい方
・獣医師に相談すべきか迷っている方

記事の流れ

この章では本記事の全体像を示します。続く章で、出血の主な原因(歯周病、硬いガムによる外傷、乳歯の生え変わりなど)を順に説明し、出血時の応急処置、デンタルガムの使い方と注意点、日常の予防法まで具体的に解説します。

大切にしてほしいこと

口の出血は見た目より深刻なこともあります。軽く見ず、状態が続く・量が多い・愛犬が元気を失っている場合は、すぐに動物病院を受診してください。早めの対応で不安を減らせます。

ガムを噛んでいるときに犬の歯や歯茎から血が出る主な原因

概要

ガムを噛んでいるときに口から血が出る場合、いくつかの代表的な原因があります。ここでは分かりやすく、具体例を挙げながら説明します。

1) 歯周病(歯肉炎・歯周炎)

歯垢(プラーク)がたまり、硬くなって歯石になります。歯石が歯茎を刺激して炎症を起こし、出血しやすくなります。ガムを噛む力で弱った歯茎がさらに刺激され、血がにじむことが多いです。口臭や歯石の付着、歯のぐらつきが見られたら歯周病を疑ってください。

2) 硬いものによる外傷

牛のひづめや鹿角、硬いプラスチック製おもちゃなどを噛むと、歯が欠けたり歯茎が切れたりします。噛んだ直後に出血が始まることが多く、血が付いたおもちゃや破片が見つかれば外傷が原因です。

3) 乳歯の生え変わり(子犬)

子犬では乳歯が抜ける際に少量の出血があるのは自然な現象です。通常は短時間で止まり、元気や食欲に問題がなければ心配いりません。

4) 口内の炎症やその他の疾患

口内炎、舌炎、潰瘍、まれに腫瘍や出血傾向を伴う病気も血が出る原因になります。よだれ、食欲不振、痛がる仕草があれば専門の診察を受けてください。

出血の見分けポイント

  • 出血の場所:歯茎か、口の奥か、玩具に付くかを確認する
  • 出血の量と頻度:少量で一度だけか、繰り返すか
  • ほかの症状:口臭、痩せ、よだれ、食欲低下など

これらを参考にして、重い出血や繰り返す出血、全身の様子がおかしいと感じたら早めに獣医師に相談してください。

デンタルガムによるケアと出血時の注意点

デンタルガムの役割と選び方

デンタルガムは噛むことで歯垢をこすり落とし、口臭を抑える助けになります。選ぶときはVOHC(米国獣医口腔衛生協議会)認定の製品や、犬の体格に合ったサイズを選んでください。硬すぎるものや大きすぎるものは歯や歯茎を傷つけるので避けます。成分表示を確認し、キシリトールなど犬に有害な甘味料が入っていないか必ず確認してください。やわらかめのデンタルスナックやラバートイのデンタルタイプは、歯が弱い犬に向きます。使用中は必ず飼い主が見守ってください。

噛んで出血したときの初期対応

  1. すぐにそのガムを取り上げ、犬の口の中をざっと確認します。出血が目立たない軽い滲み程度で、犬が痛がらなければまず観察します。2. 清潔なガーゼや布で出血部を優しく1〜2分間押さえて止血を試みます。強く押しすぎないでください。3. 食事は柔らかいものにして、刺激を避けます。4. 口に触られるのを嫌がる場合は無理に触らず、写真を撮るなどして様子を記録してください。

受診が必要なサイン

  • 出血が続く(24〜48時間以上)。
  • 出血量が多く、止まらない。
  • 歯がぐらつく、折れている。
  • 口や歯ぐきが腫れている、膿が出る。
  • 強い口臭やよだれ、食欲低下、元気の喪失。
  • 犬が明らかに痛がる、触られるのを極端に嫌がる。
    これらが見られたら早めに動物病院を受診してください。受診時は使った製品名や写真、出血の様子を伝えると診断がスムーズです。

日常の注意点と代替ケア

デンタルガムに頼り切らず、定期的な歯磨きや獣医による歯のチェックも行ってください。噛むおもちゃは大きさと硬さを合わせ、監督下で与えます。ガムは与えすぎないようにし、成分やカロリーも確認してください。

歯周病・歯肉炎の症状と見逃しやすいサイン

歯茎の赤みや腫れ、出血は歯肉炎・歯周病の代表的なサインです。早めに気づくことで悪化を防げます。

主な見た目のサイン

  • 歯茎が赤く腫れている、触ると出血する
  • 歯に茶色い歯石や汚れがついている
  • 歯がぐらつく、歯並びが変わって見える
  • ガムやおもちゃに血がつく

行動や食欲の変化で気づくポイント

  • 固いものを嫌がる、軟らかい食事を好む
  • 食べるのが遅くなった、片側でだけ噛む
  • 口を気にして前足で触る、よだれが増える

見逃しやすい小さなサイン

  • 口臭が強くなる(年齢での変化より明らかに悪化)
  • 顔の片側が腫れている、目の下が膨らむ
  • 元気や食欲が徐々に落ちる

家でできる簡単チェック法

  • 明るい場所で唇をめくり歯茎の色や歯の表面を確認する
  • 食べた後のおもちゃやガムに血がついていないか見る
  • 口臭やよだれの量を日々観察する

早めに受診する目安

  • 出血や膿、強い口臭が続くとき
  • 歯がぐらつく、食べられない、顔が腫れるとき
  • 元気や体重が落ちていると感じたら動物病院で相談してください。

予防と日常ケアのポイント

  • 日常の歯みがきの重要性
    毎日のブラッシングが最も効果的です。やさしく短時間(1回あたり数十秒〜1分ほど)から始め、慣れたら少しずつ時間を延ばします。犬用の歯ブラシと犬用の歯みがきペーストを使ってください。人間用は避けましょう。

  • 歯みがきのコツ
    口を無理に開けず、まずは歯ブラシやガーゼを触らせることから始めます。上の前歯から奥歯へ向かって外側の歯と歯ぐきを軽くこするイメージで動かします。嫌がるときは褒めたりおやつで報酬を与えて、少しずつ習慣化します。

  • デンタルガムや専用トイの活用
    歯磨きが難しい場合はデンタルガムや噛むおもちゃで補います。噛むことで歯垢を落としやすくします。選ぶ際はサイズと硬さに注意し、飲み込みやすい形状のものは避けてください。

  • 食事とおやつの工夫
    ベタつくおやつや粘着性の高いものは歯に残りやすいので控えめにします。歯の負担が大きい極端に硬いものも避けます。適度な硬さのデンタルおやつや歯に良い成分が配合されたフードを活用するとよいです。

  • 定期検診とスケーリングの目安
    歯石がついてしまったら家庭ケアでは取れません。獣医によるスケーリングが必要です。年1回以上の口腔チェックを目安に、口臭や出血、食欲低下があれば早めに受診してください。

  • シニア犬・持病のある犬の注意点
    高齢犬や心臓病・糖尿病などのある犬は無理なケアを避け、短時間で行って体調をよく観察します。どうしても難しい場合は獣医師と相談して安全な方法を決めます。

まとめ:犬の口腔ケアで大切なこと

犬がガムを噛んでいて口から血が出ると、歯周病や歯ぐきの傷、乳歯の生え変わりなどさまざまな原因が考えられます。少量で犬が元気なら様子を見てもよいですが、繰り返す場合や他に異常があれば必ず獣医に相談してください。

  • 応急処置の基本
  • ガムを取り上げて口内をそっと確認します。無理に触らないでください。
  • 清潔なガーゼや布で軽く押さえて止血を試みます。出血が止まらない、頻繁に出る場合は受診を。
  • 人用の薬は与えないでください。

  • 予防と日常ケアのコツ
    ・毎日の歯みがきを習慣にしましょう。指サックや柔らかいブラシ、犬用ペーストを使うと続けやすいです。
    ・デンタルガムは獣医推奨のものを選び、硬すぎないサイズを使ってください。
    ・硬い骨や石のようなおやつは避け、噛み方や歯の状態を観察しましょう。
    ・定期的に獣医で口腔チェックを受けることが早期発見につながります。

  • 受診の目安
    食欲低下、痛がる、腫れ、強い口臭、膿やぐらつく歯があるときは早めに受診してください。

早期発見・早期対応が大切です。日常のちょっとした観察とケアで、犬の口腔の健康を守りましょう。

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