犬用フード・おやつ

犬の脾臓摘出後の食事で知っておくべき重要ポイント

はじめに

目的と対象

犬が脾臓摘出手術(脾臓摘出)を受けた後の食事管理の基本を、やさしく分かりやすくお伝えします。飼い主さんが毎日のケアで迷わないよう、実践的な注意点を中心にまとめました。

術後の基本方針

術後は体に負担がかかっています。消化にやさしく、栄養バランスのとれた食事を、少量ずつ回数多く与えることが基本です。食欲や嘔吐、下痢などの変化をよく観察してください。主治医の指示を最優先にし、体調に応じて柔軟に対応します。

具体的に覚えておくこと

  • 最初はぬるま湯でふやかしたフードや消化のよい手作り食など、柔らかいものを少量から。
  • 食後は静かに休ませ、激しい運動は避けます。
  • 食欲が急に落ちる、血が混ざる、元気がないなど異常があればすぐに連絡を。

本ガイドの使い方

次章以降で、術後すぐの食事、フードの選び方、与え方と量、食後の過ごし方、獣医師に確認すべき点を順に詳しく説明します。日々のケアで不安があれば、遠慮なく主治医に相談してください。

術後すぐの食事

病院での指示を最優先に

手術直後から数日は、病院で獣医師や看護師が決めたタイミングと量で給餌します。点滴や投薬の状況に合わせて与えるため、ご家庭のルールより病院の指示を優先してください。説明が不明な点は必ず確認しましょう。

自宅に戻ってからの基本方針

自宅では一度に多量を与えず、少量を1日に複数回に分けて与えます。胃腸に負担をかけないよう、通常の餌より少し少なめを目安にしてください。食欲が戻っても急に元の量に戻さず、数日かけて徐々に増やします。

与える食事の種類と準備

消化のよい療法食や、普段のフードをぬるま湯でふやかしたものが向いています。ふやかすと喉への負担が減り、消化も助けます。香りづけにスープや鶏の茹で汁を少量使っても構いませんが、塩分や調味料は避けてください。

観察するポイント

食べた量、嘔吐、下痢、元気や水の飲み方をよく観察します。異常が見られたら、すぐに病院へ連絡してください。特に嘔吐が続く、血が混じる、ぐったりする場合は早めの受診が必要です。

注意点

薬を飲ませるタイミングは獣医師の指示に従います。食後の散歩は短めにし、安静を保ってください。

フードの選び方

基本の考え方

術後は胃腸への負担を減らし、回復に必要な栄養を確保することが大切です。消化しやすい総合栄養食や、獣医師が勧める消化器サポート食を優先してください。水分とたんぱく質が十分に取れることを重視します。

おすすめのタイプ

  • 低脂肪の缶詰フード:消化がよく水分も多いため負担が少ないです。
  • シニア向けの柔らかい総合栄養食:歯や消化力が弱い子に向きます。
  • 獣医師処方の消化器サポート食:問題がある場合はこれが安心です。

避けるべきもの

高カロリーなおやつ、脂肪の多い食べ物、固いガムや骨類は傷が落ち着くまで控えてください。香辛料や乳製品も刺激になることがあります。

切り替え方と注意点

新しいフードは数日かけて少しずつ切り替えます。急な変更は下痢や嘔吐を招くためです。手作りや応急的な鶏肉ご飯を与える場合は、塩や調味料を使わず獣医師に相談してください。

こんな症状が出たら

食欲不振、嘔吐、激しい下痢、ぐったりした様子が続く場合はすぐに獣医師に連絡してください。水を十分に飲めているかも合わせて確認します。

与え方と量の注意

手術後の食事は回数と与え方を工夫して胃腸の負担を減らすことが大切です。ここでは具体的な注意点を分かりやすく説明します。

食事回数と時間配分

1日の総量を2~4回に分けて与えます。例えば普段の1日量を朝晩で2回に分けるか、朝・昼・夕・夜で4回に分けます。少量をこまめに与えると吐き戻しや消化不良を防げます。

1回の量の目安

普段の1日量が分かれば、それを回数で割って調整します(例:1日200gなら4回で1回50g)。体重減少が気になる場合や目安が分からない場合は獣医師に相談してください。

食べさせ方の工夫

  • フードをぬるま湯でふやかすと飲み込みやすくなります。
  • 器を浅くして食べやすくする、スローフィーダーを使うなど工夫してください。
  • 無理に食べさせず、食べない場合は強制給仕は獣医師の指示で行ってください。

体調変化があったら

下痢・嘔吐、元気がない、明らかな体重減少が見られたら自己判断で量や種類を大きく変えず、すぐに獣医師へ連絡してください。起こった時間、回数、量を記録すると診察時に役立ちます。

フード切替の方法

種類を変える場合は3~7日かけて徐々に混ぜて切り替えます。急な変更は下痢や嘔吐を招くことがあります。

日々の観察を続け、不安な点は遠慮なく獣医師にご相談ください。

食後の過ごし方

脾臓摘出歴のある犬は胃捻転(GDV)のリスクが高まるため、食後の過ごし方に注意が必要です。ここでは具体的な目安と日常の対応、緊急時の注意点を分かりやすくまとめます。

食後の安静時間

  • 食後は数時間(目安:2〜3時間)は安静にしてください。激しい運動やジャンプ遊びは避けます。軽い散歩にしても短時間にとどめます。
  • 運動は食前か、食後なら数時間あけてから行ってください。食事の直後に走らせないようにします。

軽い散歩の具体例

  • リードでゆっくり歩く5〜15分程度、匂いを嗅がせる程度にしてください。
  • 階段や段差、急な上り下りは避けます。ボール遊びや追いかけっこは控えます。

室内での過ごし方

  • 落ち着ける場所に寝床を用意し、ジャンプしてベッドに飛び乗らないよう補助します。
  • 水は少しずつ与え、短時間で大量に飲ませないようにします。おもちゃは噛む程度の静かなものを選びます。

注意する行動・症状

  • 落ち着かない、よだれを垂らす、何度も空吐きするが吐けない、腹部が膨れる、弱る、歯茎が白っぽくなる、突然倒れるなどは緊急のサインです。

応急対応の基本

  • こうした症状が出たら速やかに獣医または夜間救急に連絡して受診してください。勝手に薬を与えたり嘔吐を促したりせず、落ち着いて搬送準備をします。

獣医師に確認しておきたいこと

手術後の食事については、獣医師と具体的に相談しておくと安心です。以下を目安に、診察時に確認してください。

すぐに聞くべき項目

  • 通常のフードに戻す時期:症状や手術の種類で違います。徐々に切り替える方法(例:数日で割合を増やす)も聞きましょう。
  • 長期的に適したフードの種類:消化にやさしい療法食、低脂肪、体重管理用など、愛犬・愛猫の状態に合うものを提案してもらいます。
  • 合併症や持病がある場合の制限:腎臓病、糖尿病、アレルギーなどがあれば、成分やカロリー制限の有無を確認します。

持参すると相談がスムーズになるもの

  • 現在与えているフード名・メーカー、成分表示の写真
  • 1回の量と回数、与える時間
  • 飲んでいる薬やサプリの名前

その他確認しておきたいこと

  • 食べない・嘔吐・下痢が起きたときの連絡基準と対処
  • フォローアップの受診時期と体重の記録方法

これらをメモして診察に臨むと、病院ごとの指示に合わせた最適な食事計画が立てやすくなります。

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