目次
はじめに
目的
本調査は、犬の「無添加ごはん」について分かりやすくまとめたガイドです。原材料の表示や添加物の役割、無添加を選ぶ際の注意点などを整理し、日々のごはん選びに役立てていただくことを目指します。
背景
ペットフードの選択肢が増え、原材料や加工の違いで愛犬の体調に差が出ることが分かってきました。アレルギーや消化の問題で無添加を検討する飼い主さんが増えています。本調査はそうした関心に応えるために作成しました。
本書の構成と読み方
全8章で構成します。第2章以降で定義、メリット、選び方、国産製品の紹介、完全無添加の特性、手作り食、信頼できるメーカーについて順に解説します。まずは全体像をつかみ、気になる章をじっくり読んでください。
読者へのお願い
愛犬の健康は個体差が大きいです。ごはんを大きく変える前は、かかりつけの獣医師に相談することをおすすめします。
無添加ドッグフードとは
定義
無添加ドッグフードとは、香料・保存料・着色料などの人工添加物を使わないドッグフードを指します。商品表示では「無添加」と書かれますが、企業ごとの基準に差があるため一律ではありません。
完全無添加と表記の違い
完全無添加はすべての添加物が不使用を意味しますが、現実には栄養バランスを整えるために必要なビタミンやミネラルなどが添加されることがあります。表示をよく確認することが大切です。
獣医師の見解
獣医師の朝井鈴佳氏によると、自然食材だけでは必須栄養素が不足しやすく、バランスを保つために一定の添加物を用いることがあるとされています。愛犬の健康を守るうえで、栄養面の配慮が重要です。
よく使われる成分(例)
- 天然由来の酸化防止剤(ビタミンE=トコフェロールなど)
- 必須ビタミン・ミネラル(骨や皮膚の健康のため)
表示の見方と注意点
原材料表記を先に見る・成分表でタンパク質や脂質の割合を確認する・原産国や製造方法にも目を向けると安心です。気になる点は獣医師に相談してください。
無添加ドッグフードのメリット
健康リスクの軽減
無添加ドッグフードは保存料や人工着色料、人工香料を使いません。長期的に与えることで、そうした化学物質による負担を減らせる可能性があります。例えば、合成保存料は一部で体調不良の原因になることが報告されています。
アレルギーや皮膚トラブルの予防
原材料がシンプルなことが多く、アレルギーの原因を特定しやすくなります。穀物不使用や特定タンパク源に限定した製品もあり、皮膚や被毛のトラブルが起きにくくなるケースがあります。
消化の改善と腸内環境の安定
添加物が少ないと消化が穏やかになり、便の状態が改善する犬がいます。消化にやさしい素材(鶏肉、魚、野菜、米など)が使われることが多く、腸内環境の安定に寄与します。
自然な身体づくりを支える
天然の素材から得られる栄養は、犬本来の体質に合いやすい場合があります。毛艶の改善や元気の持続を感じる飼い主も多く、日々の健康管理に役立ちます。
飼い主の安心感
成分表を見て中身が分かると、与える側も安心できます。特に初めて犬を飼う方やシニア犬を見守る方には心強い選択肢です。
注意点
無添加でも栄養バランスや保存方法は重要です。与える前に成分と賞味期限を確認し、切り替えは徐々に行ってください。
無添加ドッグフードの選び方のポイント
1. 表示と成分の透明性
「無添加」と書かれていても、原材料表示を確認してください。主原料が何か、肉の部位や産地が明記されているかを見ます。曖昧な表現(「ミートエキス」「肉副産物」など)は注意が必要です。
2. 酸化防止剤の種類
酸化を防ぐ方法は重要です。天然由来(ビタミンE、ローズマリー抽出物など)か合成(BHA、BHTなど)かを確認しましょう。天然由来が使われていると安心感が高まります。
3. 栄養添加物の有無とバランス
必須のビタミン・ミネラルが適切に配合されているか、過剰な添加がないかを見ます。年齢や体重に合った栄養バランスかどうかを確認してください。
4. 続けやすさ(価格・入手性・嗜好性)
無添加でも高価すぎると続けにくくなります。購入しやすい価格帯か、近所や通販で安定して手に入るか、愛犬が食べるかも重要です。
5. 保存・パッケージ
開封後の保存方法(密閉パックか脱酸素処理か)を確認してください。鮮度を保てるパッケージは安全性につながります。
6. 試すときのポイント
初めは少量ずつ切り替え、便・皮膚・被毛の状態を数週間観察します。不安があれば獣医師に相談してください。
人気の国産無添加ドッグフード製品
ドッグフード工房
国産素材を中心に、保存料や合成添加物を使わない製品を複数そろえています。原材料表示が分かりやすく、嗜好性の高いレシピが多い点が特徴です。年齢別や体格別のラインがあり、試供パックで試せます。
サクラペットフード
小型犬やアレルギーが気になる犬に配慮した低アレルゲン設計が多いです。ヒューマングレードの肉や魚を使い、グレインフリー製品もあります。素材の産地を明示しているので安心感があります。
チキンdeli
鶏肉主体のラインで消化が良く嗜好性に優れます。子犬や高齢犬向けのやわらかいタイプや、カロリー控えめの製品もあり、体重管理中の犬にも使いやすいです。
マウンテンズギフト
自然素材にこだわり、たんぱく源や脂質のバランスを重視したレシピが多いです。成分表示が丁寧で、アレルギー対応の選択肢もあります。
安心犬活
総合的な栄養バランスを重視したブランドで、無添加のドライとウェット両方を展開しています。手作り風の原料配合で、食べやすさを意識した製品が揃います。
ウェットフード(鹿肉など低カロリー製品)
鹿肉などの野生肉を使ったウェットは、低カロリーでたんぱく質が豊富です。水分が多く満腹感を得やすいため、体重管理や食欲が落ちた時に向きます。
選ぶポイント
原材料の最初に何が書かれているか、カロリーや年齢対応、アレルギー情報を確認してください。まずは少量パックで試し、愛犬の反応を見ましょう。
完全無添加ドッグフードの特性
概要
完全無添加ドッグフードは防腐剤や酸化防止剤を使わず、原材料そのままの状態を重視した製品です。添加物を避けたい飼い主さんに向きますが、取り扱いにはいくつかの特性があります。
賞味期限と保存方法
製造からの賞味期限は概ね約3か月と短めです。開封後は数週間〜1か月を目安に早めに使い切ると安心です。保存は冷暗所で、湿気や直射日光を避けてください。小分けにして冷凍保存できる製品もあり、長持ちさせたい場合は有効です。
原材料と鮮度の見方
原材料表示が短く明快で、製造日やロット番号が記載されているものを選びましょう。魚や油の多い原料は酸化しやすく、他の素材より鮮度管理が重要です。
匂い・色・触感での見分け方
正常なものは素材の自然な匂いがします。酸っぱい匂いや変色、ベタつきが出たら使用をやめてください。少量を手に取って状態を確認すると判断しやすいです。
メリットと注意点
メリットは添加物による負担が減る点です。一方で賞味期限が短く保存管理の手間が増えます。価格がやや高めのこともありますので、家族構成や与える頻度を考えて選んでください。
購入時のコツ
製造日や保存方法を確認し、小分け包装や試供サイズがある製品をまず試すと失敗が少ないです。犬の体調や好みを見ながら徐々に切り替えてください。
手作り食という選択肢
手作り食は、完全無添加を目指す方にとても向いています。食材の産地や加工を自分で選べるため、透明性の高い食事管理ができます。ここでは、手作り食のメリット・注意点・簡単な実例を丁寧に解説します。
メリット
- 食材を選べる:有機野菜や無添加の肉を使えます。
- 体質に合わせやすい:アレルギーや好みに応じて材料を変えられます。
- 保存料や香料を避けられる:添加物が気になる飼い主さんに安心です。
基本の組み立て
犬の食事は、たんぱく質(肉・魚)、エネルギー源(ごはん・さつまいも)、野菜、脂質、カルシウムが基本です。具体例としては、鶏むね肉、白米またはさつまいも、にんじんやほうれん草、卵、そしてカルシウム補給に卵殻粉などを用います。調理は茹でる・蒸すが基本で、塩や香辛料は使わないでください。
注意点
- バランスの偏りに注意:特にカルシウム不足になりやすいので補助が必要です。
- 中毒食材を避ける:玉ねぎ、にんにく、チョコレート、ぶどう、アボカドは絶対に与えないでください。
- 獣医師と相談する:長期で与える場合は獣医師か動物栄養士に相談してください。健康チェック(体重・便・被毛)を定期的に行ってください。
簡単な1日の例(中型犬・10kg前後の目安)
- 朝:鶏むね肉100g+白米100g+茹で野菜30g+ゆで卵の半分
- 夜:白身魚80g+さつまいも100g+茹で野菜30g+カルシウム少々
量は年齢や運動量で調整してください。最初は少量で開始し、体調を見ながら増減します。
手作り食は手間がかかりますが、愛犬の反応を見ながら最適な食事を作れる喜びがあります。安心して始められるよう、まずは獣医師に相談することをお勧めします。
業界の信頼できるメーカー
メーカー紹介
犬猫生活は、利益よりも愛犬・愛猫の健康を優先する姿勢で知られる国産無添加フードのメーカーです。原材料の選定や製法にこだわり、飼い主が安心して与えられる商品を提供しています。
こだわりのポイント
- 原材料の明示:使用する肉や穀物の産地を明確にしています。
- 製法管理:小ロット生産や衛生管理を徹底し、品質を保っています。
- 添加物不使用:保存料や着色料を使わず、シンプルな配合です。
安心を確かめる方法
- 成分表や原材料の産地を確認してください。
- 製造工場の情報や第三者機関の検査結果を公開しているか見ます。
- 問い合わせ窓口の対応や、返品・交換の方針をチェックすると信頼度が上がります。
社会的な取り組み
犬猫生活は殺処分ゼロを目指す活動を支援し、動物保護団体との連携や寄付を行っています。商品を通して社会貢献に取り組む姿勢は、企業の信頼性を高めます。
購入時のアドバイス
まずは小袋やお試しセットで愛犬の反応を確かめましょう。食いつきや便の状態を観察し、合わない場合は速やかに中止して獣医に相談してください。