犬用フード・おやつ

犬の健康を守る手作り餌レシピで毎日元気に過ごす方法

はじめに

飼い主として愛犬にできることの一つが、手作りご飯の提供です。本書は、犬の手作りご飯についての調査結果と実践的なノウハウをやさしくまとめたガイドです。目的は、安全で栄養バランスのとれたレシピを日常に取り入れやすくすることです。

第2章では手作りご飯の基本的なメリットをわかりやすく説明します。第3章は管理栄養士監修の具体的なレシピ(例:鮭と玄米のおじや)を紹介します。第4章は調理の細かな手順と注意点、第5章は腸活や夏バテ予防に役立つレシピ、第6章は初心者向けの簡単レシピ、第7章は作り置きの利点と注意点を解説します。

食材の安全性は最優先です。与えてはいけない食品(チョコレート、玉ねぎ、ぶどうなど)や個々の健康状態による制限については、獣医師に相談してください。本書は日常で実践しやすい提案を中心に、無理なく続けられる手作りご飯を目指します。

手作りご飯の基本メリット

水分を取り入れやすい

手作りご飯は食材の水分をそのまま与えやすく、飲水量が少ない犬にも効果的です。おじややスープにすることで腎臓や尿路の負担を軽くできます。

旬の食材を活用できる

旬の野菜や果物は栄養価が高く、食べ飽き対策にもなります。たとえば秋はかぼちゃ、夏はきゅうりやズッキーニを取り入れやすいです。

生食で酵素を補える

一部の野菜や果物は生で与えることで酵素を摂取できます。生で与える場合は消化や安全性を確認して量を調整してください。

年齢・体質に合わせた栄養管理

子犬・成犬・高齢犬で必要なタンパク質やカロリーは変わります。体重や活動量を見ながら材料の割合を調整できます。

アレルギーや消化器が弱い犬への対応

原因食材を除外したレシピを作りやすく、消化しやすい食材(たとえば白身魚やさつまいも)に切り替えられます。

与える際の注意点

塩分や調味料は避け、骨や中毒になる食材(玉ねぎ、ぶどう等)は絶対に与えないでください。獣医師や管理栄養士と相談してから始めましょう。

管理栄養士監修の「鮭と玄米のおじや」レシピ

レシピ概要

管理栄養士が監修した「鮭と玄米のおじや」は、5kg成犬の1食分を想定したレシピです。7食分まとめて作り置きでき、1食あたり約165kcalに調整されています。

材料(7食分)

  • 鮭(焼きまたは蒸し、骨を除く):280g
  • 玄米(炊いた状態):350g
  • えのきたけ:105g
  • なす:140g
  • かぼちゃ:140g
  • パプリカ:105g
  • ごま油:3.5g
  • 水:980ml

栄養のポイント

鮭の良質なたんぱく質とDHAが中心です。玄米でエネルギー源となる炭水化物と食物繊維を補えます。えのき・なす・かぼちゃ・パプリカでビタミンや食物繊維をバランス良く加え、ごま油で適度な脂質をプラスします。塩や調味料は不使用で犬の健康を優先しています。

調理の概要

  1. 玄米は炊いておきます。鮭は焼くか蒸して骨を完全に取り除き、ほぐします。野菜は食べやすい大きさに切るか刻みます。
  2. 鍋に水を入れ、野菜を柔らかくなるまで煮ます。玄米と鮭を加えて軽く煮て味をなじませます。
  3. 火を止めてごま油を混ぜ、冷ましてから1食分ずつ分けます。

保存と与え方

  • 冷蔵での保存は2〜3日、長期は冷凍で1か月ほどを目安にしてください。
  • 使用時は自然解凍または湯せんで温め、中心が冷たくないか確認して40℃前後にしてから与えます。

注意点

骨や塩分、香辛料は避けること。食物アレルギーや持病がある場合は獣医師に相談してください。新しい食事は少量から試し、体調を観察してください。

調理プロセスの詳細

材料の下ごしらえ

えのきは石づきを落とし、細かく刻みます。にんじんや玉ねぎも小さめの薄切り・みじん切りにして火の通りを良くします。玄米は炊いておくか、時間がある場合は前夜から浸水しておきます。鮭は皮と骨を確認し、骨はピンセットなどで丁寧に取り除きます。

野菜を炒める

フライパンにごま油を少量入れ、中火で温めます。えのきや他の野菜を入れ、しんなりするまで炒めます。彩りを保つため強火にせず、焦げないように注意します。野菜がしんなりしたら火を止め、粗熱を取ります。

鍋で煮る工程

粗熱を取った野菜を鍋に移し、水を加えます。水は材料がかぶる程度が目安です。火にかけて温まったら鮭をそっと入れます。鮭の身は崩れやすいので、木べらで軽くほぐしながら骨が残っていないか確認します。

玄米を加えて煮込む

玄米を加え、水分がほとんどなくなるまで弱火〜中火で煮込みます。焦げつかないよう時々混ぜ、必要なら少量の水を足します。玄米はミネラルやビタミンが豊富で、消化しやすいように柔らかめに仕上げると良いです。

仕上げのポイントと保存

味付けは不要です。犬用の場合は冷ましてから与えます。保存する場合は冷ましてから密閉容器で冷蔵(2〜3日)か冷凍(1か月目安)します。再加熱は中心までしっかり温めてから与えてください。

腸活と夏バテ予防レシピ

レシピ概要

ペット食育士考案の1日分(成犬5kg向け)レシピです。腸内環境を整える米麹と乳酸菌、消化に優しい鶏ササミ、夏場の水分補給にもなる野菜類で夏バテ予防を目指します。

材料(5kg成犬・1日分)

  • 鶏ササミ:80g
  • 米麹パウダー:小さじ1
  • キャベツ:30g
  • セロリ:10g
  • キュウリ:20g
  • ニンジン:20g
  • ブロッコリー:20g
  • カボチャ:30g
  • ミニトマト:2個
  • 炊いた白米:80g
  • 小豆茶(薄めに淹れたもの):150〜200ml
  • 味噌:小さじ1/2
  • 乳酸菌パウダー:小さじ1/4
  • オリーブオイル:小さじ1

作り方

  1. 鶏ササミに米麹パウダーをまぶし、10分ほど馴染ませます。麹の酵素がたんぱく質の消化を助けます。
  2. 野菜は食べやすい大きさに切ります(小さめが消化に優しいです)。
  3. 鍋に野菜、炊いた白米、小豆茶を入れて火にかけ、弱めの中火で煮ます。野菜がやわらかくなるまで10〜15分ほど煮てください。
  4. 別にササミをさっと湯通しして火を通し、食べやすくほぐして鍋に加えます。
  5. 火を止め、粗熱が取れたらオリーブオイルと味噌を溶かし入れ、最後に乳酸菌パウダーを加えます(高温で乳酸菌は弱るため、必ず温度を下げてから混ぜます)。

ポイント(腸活・夏バテ対策)

  • 米麹は消化酵素やプレバイオティクス効果で腸内の善玉菌を支えます。
  • 乳酸菌パウダーでプロバイオティクスを補いますが、熱に弱いので最後に加えます。
  • 水分の多い野菜と小豆茶で夏場の水分補給を助けます。

保存と与え方

  • 1回分ずつ冷ましてから冷蔵(2日程度)または冷凍(1週間目安)します。与える際は完全に解凍し、温度を人肌程度にしてから与えてください。

注意事項

  • 食材にアレルギーがある場合は使用を避け、持病がある場合は獣医師に相談してください。味噌は塩分があるため量は控えめにしてください。

簡単初心者向けレシピ

初心者でも作りやすい「鶏肉のソテー」のレシピです。材料が少なく短時間ででき、ベースフード(BASE DELI DASHI)を使うことで栄養管理が簡単になります。

材料(1人分)

  • BASE DELI DASHI:36g(ぬるま湯で戻します)
  • 鶏もも肉:80g
  • 太白ごま油:小さじ1
  • 無糖プレーンヨーグルト:大さじ1
  • バナナ:1/2本(添え物)

作り方

  1. BASE DELI DASHIをぬるま湯で5分ほどふやかします。やわらかくなればOKです。
  2. 鶏肉は余分な脂を取り、軽く塩こしょう(分量外)します。水気を軽く拭き取ると焼き色が付きやすいです。
  3. フライパンに太白ごま油を中火で温め、鶏肉の皮目から入れて両面を焼きます(片面約3〜4分が目安)。中まで火が通るまで焼いてください。
  4. 器に鶏肉とふやかしたBASE DELI DASHIを盛り、ヨーグルトを添えます。バナナを添えて完成です。

ポイントとコツ

  • BASE DELI DASHIはぬるま湯で戻すと食感がやさしくなります。
  • 鶏肉は強火にしすぎず、中火でじっくり焼くとふっくら仕上がります。
  • ヨーグルトは酸味でさっぱりするので脂っぽさが気になる方におすすめです。

アレンジ例

  • 野菜(サラダや蒸し野菜)を添えると食物繊維が補えます。
  • 鶏むね肉に替えると脂質を抑えられます。

保管と注意点

  • 当日中に食べきるのが安全です。冷ます場合は早めに冷蔵してください。
  • 生肉の扱いは清潔に。中心部まで火を通してからお召し上がりください。

作り置きのメリットとデメリット

メリット

  • 時間の節約:週末にまとめて作れば平日の調理時間を大幅に短縮できます。例えば、おじやや煮物、スープを小分けにしておくと朝や夜にすぐ食べられます。
  • 経済的:食材をまとめ買いして無駄を減らせます。余った食材を活用して献立を組みやすくなります。
  • バランス管理がしやすい:栄養を考えて下ごしらえしておけば、毎食偏りを減らせます。

デメリット

  • 衛生リスク:冷ます時間や保存温度を誤ると菌が増えます。冷蔵保存でも長く置きすぎると傷みます。
  • 食感・風味の変化:ご飯や揚げ物は時間とともに食感が落ちます。ビタミンなど栄養も一部減ることがあります。

保存と衛生の実践的なコツ

  • 冷ますときは粗熱を取ってから小分けの浅い容器に入れ、できるだけ早く冷蔵庫へ。
  • ラベルに調理日を書き、冷蔵は2〜3日、冷凍は品質を保つなら1か月を目安に使い切る。
  • 冷凍する場合は小分けにしてラップや密閉容器で空気を抜く。解凍は冷蔵庫で行い、再加熱は中心まで熱く(沸騰や十分な温度)する。
  • 生魚や生野菜のまま長期保存は避ける。乳幼児や高齢者向けは短期間保存と念入りな再加熱を心がける。

作り置きは準備と管理を少し工夫すれば、日々の負担を大きく減らせます。安心して使えるよう、保存方法と消費期限を守ってください。

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