犬用フード・おやつ

犬の血液検査と朝ごはんの注意点をわかりやすく解説

はじめに

目的

この章では、本資料の目的と読み方を分かりやすく示します。犬の血液検査で朝食をどう扱うかは、飼い主さんにとって迷いやすいテーマです。ここでは従来の絶食ルールと、近年の研究や臨床での実践の違いを整理します。

背景

これまで多くの動物病院で、血液検査の前に絶食を指示してきました。主な理由は食事が一部の検査値に影響を与えるためです。しかし、すべての検査が同じ影響を受けるわけではなく、検査項目ごとに対応が変わってきました。

本資料で分かること

本資料は以下を丁寧に説明します。
- 血液検査の目的と代表的な検査項目の特徴
- 食後検査が有効な場合と注意点
- 動物病院ごとの対応の違いと決め方

対象読者

犬を飼っている方、これから飼う予定の方、そして臨床に携わる方を想定しています。専門用語は最低限にし、具体例を交えて説明します。

犬の血液検査における朝食について~絶食の必要性と最新の考え方

はじめに

従来、血液検査の前は絶食(通常8〜12時間)が原則とされてきました。理由は食事で血糖値や脂質が一時的に変動し、本来の状態が分かりにくくなるためです。

従来の考え方と限界

絶食は確かに食後の“生理的変動”を避ける助けになります。ただ、実際の臨床では高齢犬や糖尿病の管理、検査当日の通院が困難な家庭も多く、絶食の実施が難しいケースが増えています。

最新の研究と臨床の動き

最近の研究では、健康な犬では食後でも多くの検査項目に大きな影響が出ないことが示されています。獣医師の中には、健康チェック目的の検査では絶食を必須としない方針を採るところも出てきました。さらに、食後測定が糖代謝の異常や脂質異常の早期発見に有効という報告もあります。

食後に変動しやすい主な検査項目

  • 血糖値:明確に上昇します。糖尿病疑いでは測定タイミングが重要です。
  • 中性脂肪(トリグリセリド):食後上昇しやすいです。
  • 尿素・リン:食事内容やタンパク摂取に影響されることがあります。

いつ絶食が必要か

糖尿病の疑いがある場合や特定のホルモン検査、手術前検査では従来通りの絶食が望ましいです。薬を服用中の犬や子犬、高齢犬は個別に指示を受けてください。

実用的な注意点

通院前は最後に食べた時間と内容をメモして持参してください。水は通常許可されますが、病院の指示に従ってください。病院ごとに方針が異なるため、事前に確認すると安心です。

実際の対応ガイドライン

検査前日の準備

検査前日は夕方までに普段どおりの食事を済ませます。動物病院から「朝6時までに食事を終える」など指定がある場合は、それに従ってください。早めに済ませると安心です。

検査当日の朝

多くの施設は数時間の絶食を指示します。例:検査開始2時間前から水分を控える、あるいは成犬・成猫に対して12時間の絶食を推奨することがあります。指示がないときは、獣医さんに確認してください。

水分の扱い

水は通常、少量なら許可されることが多いです。ただし指示で「検査開始2時間前から控える」と言われた場合は従ってください。嘔吐や下痢がある場合は特に注意します。

薬の投与

常用薬がある場合は病院に相談します。インスリンや一部の薬は検査前の調整が必要です。飲ませるかどうか明確な指示がなければ、事前に連絡してください。

子犬・子猫や持病がある場合

小さな動物や糖尿病などの病気がある場合は、長時間の絶食は危険です。短い絶食や別の検査方法を提案されることがあります。

当日の持ち物と病院での対応

普段の食事、薬、リードやキャリーを持参します。到着したらスタッフに検査のための食事・水分状況を伝えてください。必要なら検査後すぐに与えるフードを持っていくと安心です。

注意点

指示は施設や検査目的で変わります。疑問があれば必ず事前に病院へ問い合わせてください。

血液検査の重要性と検査内容

血液検査の目的

血液検査は犬の内臓や全身の健康を客観的に評価するための基本検査です。外見だけでは分かりにくい肝臓や腎臓の異常、感染や貧血の有無を早期に見つけられます。例えば元気がない、食欲が落ちたときに原因を絞る助けになります。

血球検査(CBC)

赤血球は貧血の有無、白血球は感染や炎症の程度、血小板は出血しやすさを調べます。具体例として、赤血球が少ないと運動を嫌がる、息が荒くなることがあります。

生化学検査

肝臓、腎臓、膵臓、脂質代謝などを数値で評価します。肝臓なら食欲不振や黄疸、腎臓なら多飲多尿と合わせて診ます。数値の上がり下がりで臓器の機能低下や薬の影響を把握します。

その他の項目

電解質(塩分バランス)や血糖、必要に応じてホルモン検査も行います。手術前や高齢犬の健康管理で役立ちます。

検査結果の読み方のポイント

単独の値だけで判断せず、問診や身体所見と合わせます。異常が出たら獣医と結果を詳しく相談してください。

他の検査との組み合わせ

犬の健康診断では血液検査だけでなく、尿検査・便検査・画像検査(レントゲン/超音波)などを組み合わせることで、より正確な診断ができます。ここでは各検査の目的と具体的な組み合わせ例、注意点をやさしく説明します。

尿検査

腎機能や糖の有無、尿たんぱく、尿比重、尿中の炎症や感染を調べます。たとえば尿に糖が出れば糖尿病の疑い、尿たんぱくや比重の変化は腎臓の異常を示すことがあります。尿検査は採取が簡単で、血液検査と同日に行うことが多いです。

便検査

寄生虫(回虫・鉤虫など)や消化管出血、消化不良の有無を確認します。便の浮遊法や顕微鏡で卵や虫体を検出します。寄生虫が見つかれば駆虫薬で対応し、再検査で効果を確認します。

画像検査(レントゲン・超音波)

臓器の形や大きさ、腫瘤、胸部の状態を評価します。超音波は肝臓や腎臓、心臓の内部構造が見やすく、腫瘍や結石の有無を調べるときに有用です。血液や尿で異常が見つかった場合、画像検査で原因を詳しく調べます。

フィラリア・寄生虫検査

血液検査と合わせてフィラリア抗原検査や外部寄生虫のチェックを行います。予防が重要なので、検査結果に応じて予防薬の開始や継続を獣医と相談してください。

検査の組み合わせ例とタイミング

・初診の総合健診:血液+尿+便+画像(必要時)
・元気がない、飲水量が増えた場合:血液(血糖・腎指標)+尿
・下痢や体重減少:血液+便+画像(腸や腹部の確認)

注意点

検査前の食事や薬の影響で結果が変わることがあります。可能なら獣医の指示に従い、採取方法やタイミングを確認してください。結果は複数の検査を総合して判断することが大切です。

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