はじめに
この記事の目的
犬の尿路結石（にょうろけっせき）は、愛犬の健康に関わる大切な問題です。本記事では、尿路結石の基本的な情報と、ロイヤルカナンの特別療法食「ユリナリーS/O」シリーズを中心に、フードの選び方や与え方の注意点までわかりやすく解説します。
誰に向けているか
・尿に血が混じる、頻繁に排尿するなどの症状が気になる飼い主さん
・獣医師に療法食を勧められたが、どれを選べばよいか迷っている方
・予防として食事を見直したい方
この記事を読むメリット
・尿路結石の基本がつかめます。
・療法食の選び方と使い方がわかります。
・ロイヤルカナンのユリナリーS/Oシリーズの特徴を具体的に理解できます。
大切な注意点
本記事は一般的な情報提供が目的です。愛犬に異変がある場合は、早めに獣医師に相談してください。
犬の尿路結石とは？症状と原因
はじめに
尿路結石は、膀胱や尿道に小さな石（結晶や塊）ができる病気です。排尿時の痛みや血尿、排尿困難を招くので早めの対処が大切です。
主な症状
- 血尿や濁った尿
- トイレに何度も行く、少量しか出ない
- 排尿時に鳴く、姿勢を崩すなどの痛がり方
- 元気・食欲の低下や嘔吐（悪化した場合）
結石の種類と特徴（具体例で説明）
- ストルバイト結石：細菌感染や尿がアルカリに傾くとできやすく、食事で溶けることがある。例：軟らかい結晶が多い。
- シュウ酸カルシウム結石：溶けにくく、再発しやすい。例：硬い石で手術が必要になることもある。
よくある原因
- フードのミネラルバランスや偏った食事
- 飲水量の不足で尿が濃くなる
- 体質や年齢、遺伝的要因
- 尿路の細菌感染
早期発見のポイントと受診目安
日頃から尿の色や回数、排尿時の様子を観察してください。少量しか出ない、トイレを我慢する、血尿が続く場合は早めに獣医に相談しましょう。排尿できない状態は緊急ですぐ受診してください。
尿路結石ケアのためのドッグフード選び方
はじめに
尿路結石のケアには、日々のフード選びが重要です。まずは必ず獣医師に相談し、指示に従ってください。本章では選び方のポイントと実践的な注意点を分かりやすく解説します。
療法食を選ぶ基本ポイント
- ミネラルバランスが調整されていること
- マグネシウムやリンなどが適切に抑えられている製品を選びます。過剰摂取を避けることで石の再発リスクを下げます。
- 尿pHを弱酸性に保てること
- 尿が適度に酸性になると特定の結石ができにくくなります。商品説明にpH調整の記載があるか確認しましょう。
- 高品質なタンパク質を使っていること
- 消化しやすい良質なたんぱく質を使うと、代謝負担が軽くなります。
- 添加物や過剰な穀物を避ける
- 不要な香料や保存料は避け、原材料がシンプルなものを選びます。
ドライフードとウェットフードの選び方
- 水分摂取が少ない犬はウェットフードも有効です。水分量が多いため尿量が増え、結石予防につながります。
- ドライは歯のケアに有利ですが、十分な飲水を促す工夫が必要です（ぬるま湯でふやかす、スープを足す等）。
ラベルの見方と注意点
- 「療法食」「処方食」と明記されているか確認してください。市販品でも成分が合う場合がありますが、必ず獣医師に相談を。
- 成分表は上から多い順。主原料やミネラル量の表示をチェックしましょう。
与え方のコツと獣医との連携
- フードは切り替えを段階的に行い、下痢や食欲不振がないか観察します。尿の色や回数、痛がる様子があればすぐ受診してください。
- 定期的に尿検査や診察を受け、フードの継続が適切か確認します。したがって、獣医師との情報共有が大切です。
ロイヤルカナン「ユリナリーS/O」シリーズの特徴
概要
ロイヤルカナンのユリナリーS/Oは、下部尿路の問題（結石や結晶）に配慮して作られた療法食です。獣医師の診断に基づき、短期の結石溶解や長期の再発予防に使われます。
主な特徴
- ミネラル調整：マグネシウムやリンなどの含有量を管理し、結石のもとになる成分の蓄積を抑えます。具体例として、マグネシウムを抑えることでストルバイト結石のリスクを下げます。
- 尿のpHコントロール：尿を弱酸性に保ち、ストルバイトの溶解を助けます。
- 水分バランス：種類によって尿量を維持しやすくする工夫があり、結石形成を防ぎます。
ラインナップと用途
- ドライ／ウェット両方あり、サイズや年齢に合わせた処方があります。ライトや満腹感サポート（体重管理向け）など、体型や生活に応じたバリエーションがあります。
主原料
鶏や七面鳥などの動物性たんぱく質を主に使い、嗜好性にも配慮しています。
与え方と獣医師との連携
療法食は獣医師の指示に従って与えてください。溶解を目的とする場合は定期的な尿検査や診察が必要です。長期管理の相談も忘れずに行いましょう。
他のおすすめ療法食と比較
比較するポイント
- 主原料：タンパク源や穀物の有無で消化や好みが変わります。例：チキン主体かラム主体か。
- ミネラル調整：マグネシウム、カルシウム、リンの量や、pHコントロールの方法が製品で異なります。
- 形状・タイプ：ドライ・ウェットの有無。ウェットは水分補給に役立ちます。
- 価格と継続性：療法食は継続が必要な場合が多いので続けやすさも重要です。
ヒルズ c/dシリーズ
- 特長：尿石の予防・再発抑制に焦点を当て、pH調整やミネラル制御を行っています。嗜好性のバリエーションが多く、ドライ・ウェット両方がそろいます。
- こんな犬に向く：味にうるさい子や、水分摂取が少ない子に試しやすいです。
和漢みらい 特別療法食KE
- 特長：和漢の考えを取り入れた成分配合が特徴で、日本産素材を重視する傾向があります。ミネラル調整も行われていますが、配合は製品ごとに違います。
- こんな犬に向く：西洋の処方に合わなかった子や、和の素材に反応が良い子に検討できます。
選び方の実例と注意点
- まず獣医と相談し、尿検査結果や既往歴を確認してください。
- 好みが分かれる場合は小袋や試供品で味を確かめます。
- ドライ＋ウェットで水分を増やす方法も有効です。
- 継続して効果を確認するため、数週間後に尿検査を受けることをおすすめします。
フードを与える際の注意点
療法食は獣医師の指導で
療法食は必ず獣医師の診断・指導のもとで与えてください。結石の種類や犬の年齢、体重、活動量で適切な種類や量が変わります。自己判断での継続や中止は避けましょう。
給餌量・回数を守る
処方された給餌量を守ってください。体重の変化に合わせて量を調整する必要があります。例えば体重が増えればカロリー管理で量を見直します。回数は1日2回や3回など獣医の指示に従って与えます。
切り替えは段階的に
普段のフードから療法食へは1〜2週間かけて徐々に切り替えます。最初は混ぜる割合を少なめにして、数日ごとに増やすと消化の負担が少ないです。
定期検査と観察を続ける
定期的な尿検査や血液検査で効果を確認してください。排尿回数や色、におい、食欲、元気の有無を日常的に観察し、異常があれば早めに受診を。
おやつや他のフードは注意
療法食以外のおやつやサプリ、家族が与えるフードは結石再発の原因になります。必ず獣医と相談のうえ、許可されたものだけを与えてください。
水分補給を工夫する
水をよく飲ませることが重要です。複数の水飲み場を用意したり、ぬるま湯や投薬用のウェットフードで水分を補うなど工夫しましょう。
トラブル時の対応
食欲不振、嘔吐、下痢、血尿などの症状が出たらすぐに獣医に連絡してください。療法食の変更や中止も獣医の判断で行います。
まとめとQ&A
まとめ
尿路結石のケアでは、適切に設計された療法食（例：ロイヤルカナン ユリナリーS/O）が有効です。まずは獣医師の診断と指示を受け、原因に合わせた食事管理と水分摂取の工夫を行ってください。日々の観察と定期検査で再発を防げます。
- 診断を確かめる：種類や原因で対応が変わります
- 食事の役割：結石の成分に合わせてphや成分を調整します
- 生活管理：水を増やす、適正体重を保つ、排泄チェックを習慣にする
Q&A（よくある質問）
Q1: 療法食はいつまで与えますか？
A1: 結石の種類や治療経過で異なります。獣医師と治療計画を確認してください。
Q2: 普通のフードを混ぜてもいいですか？
A2: 治療効果が下がる可能性があります。獣医師に相談して混合の可否を決めましょう。
Q3: 水を飲ませるコツは？
A3: ウェットフードや水飲み場を複数用意する、味付きの水や低ナトリウムスープを試すと飲水量が増えやすいです。
Q4: 再発を防ぐ日常の注意は？
A4: 排尿の回数や量、血尿の有無をチェックし、体重管理と定期検診を続けてください。
Q5: 緊急サインは？
A5: 排尿困難、頻尿や血尿、元気消失があれば速やかに受診してください。