目次
はじめに

「犬のおやつは毎日あげても大丈夫?」「太ったり体に悪くならない?」と悩む方はとても多いですよね。おやつの回数だけを基準に考えると不安になりがちですが、実際は主食とのバランスや体の様子を見ながら決めると迷わずにすみます。ここでは、どこを見れば安心して与えられるのかを順番に説明していきます。
ご飯を毎回きちんと食べ、体重が増えも減りもせず安定している犬なら、おやつを少量ずつに分けて与えれば毎日でも問題ないことが多いです。しつけのごほうびやコミュニケーションとして使う程度なら、生活の一部として取り入れられます。反対に、ご飯を残すようになった、体重が増えてきた、元気がない、便の状態が変わったなどの様子が見られるときは、おやつの回数を減らすか一度やめて様子を見ます。
大切なのは「1日何回まで」という数字よりも、普段の食事量、体重の変化、元気や行動の様子の3つをセットで確認することです。この3点を見ながら調整すると、その子に合った無理のない与え方が自然と分かるようになります。
犬の「おやつの頻度」は「ご飯を食べるかどうか」で決める
おやつを毎日あげてよいか迷ったときは、回数の目安よりも「ご飯をきちんと食べているか」を最初に確認します。主食をしっかり食べている犬と、食べ残しがある犬では、おやつの与え方を同じにしないほうが安心です。ここでは、ご飯の食べ方を基準にした具体的な判断のしかたを説明します。
ご飯を毎回きちんと食べるなら1日1〜数回の少量なら与えてよい
毎回の食事でドッグフードを残さず食べ、食後に吐き戻しや下痢がなく、体重も安定している犬であれば、おやつは1日1〜3回まで、合計で1日の必要カロリーの10%以内に抑えて与えても問題ありません。たとえば体重5kgの成犬であれば、1日に必要なカロリーがおよそ350kcal前後なので、おやつは35kcal以内に収めます。小粒のビスケットなら2〜3個、さつまいもなら1cm角を2〜3個程度が目安です。
食事を先に完食させてから与えることが条件です。ご飯を半分以上残した日はおやつは与えません。「ご飯を食べなくても後でおやつがもらえる」と覚えると、主食を食べなくなります。あくまで主食が安定している犬に限り、少量を回数を決めて与えます。
ご飯を残す日があるならおやつは一度やめる
朝や夜のご飯を半分以上残す日がある場合は、おやつをいったんすべて止めます。期間は最低でも3〜7日間です。その間は、決まった時間にドッグフードだけを出し、15〜20分たっても食べなければ下げます。あとからおやつや別の食べ物は与えません。
「ご飯を食べなくても後でおやつがもらえる」と覚えている犬は、先に好きなものを待つようになります。おやつを完全に止めることで、「出されたご飯を食べないと何も出てこない」と理解させます。
体重が急に減っていない、元気がある、水を飲めている場合に限ってこの方法を行います。丸1日まったく食べない日が続く、嘔吐や下痢がある、元気がない場合は自宅で調整せず動物病院を受診します。
犬のおやつの頻度は「何回あげるか」より「食べすぎていないか」で決める
おやつの回数だけを気にしていても、実際に食べすぎになっているかどうかは分かりません。見た目や体重に変化が出ていないかを確認するほうが、その子に合った量を判断しやすくなります。ここでは、体重の変化を目安にしたおやつの与え方を説明します。
体重が増えていないなら1日数回に分けて与えてよい
体重がここ1か月で増えていない、肋骨を軽く触ると指で確認できる、ウエストにくびれがある状態なら、おやつは1日2〜3回に分けて与えてもかまいません。ただし合計量は1日の必要カロリーの10%以内に抑えます。
たとえば体重5kgの成犬で1日の必要カロリーが約350kcalの場合、おやつは35kcal以内です。小粒ビスケットなら1回1〜2個を3回まで、さつまいもなら1cm角を2個ずつを目安にします。まとめて一度に与えるのではなく、しつけや散歩後などタイミングを決めて分けます。
週に1回は体重を量り、100〜200gでも増えていれば量を減らします。見た目と体重の両方を確認しながら回数を決めます。
体重が増えているなら回数を減らすか一度やめる
ここ1か月で体重が増えているなら、おやつの回数を減らすか、いったん中止します。目安は、5kgの犬であれば100〜200gでも増えていれば見直します。抱き上げたときに以前より重く感じる、肋骨を触っても分かりにくい、ウエストのくびれがなくなってきた場合も減らします。
まずは回数を半分にします。1日3回与えていたなら1回にします。それでも体重が減らない場合は、3〜7日間おやつを完全に止めます。その間はドッグフードの量は変えず、体重を週1回同じ時間に量ります。
体重が元に戻るまでは「少しだけなら」と追加しません。数字で確認しながら、増えた分が戻るまでおやつは再開しません。
犬のおやつの頻度は子犬・成犬・老犬で変わる
おやつの与え方はどの犬でも同じではなく、年齢によって体の状態や必要なエネルギー量が大きく変わります。子犬のように成長途中の時期と、活動量が安定した成犬、体力が落ちやすい老犬では適した回数や量が異なります。ここでは、年齢ごとに無理なく与えられる目安を説明します。
子犬は少量なら1日数回に分けて与えてよい
生後2〜6か月の子犬で、毎回の主食を残さず食べ、下痢や嘔吐がない場合は、おやつを1日2〜4回に分けて与えてもかまいません。しつけのごほうびとして使う場合は、1回につき米粒〜小豆大の大きさにします。小型犬の子犬ならドッグフード1粒を割って使う程度で十分です。
1日の合計量は、必要カロリーの10%以内に抑えます。たとえば体重2kgの子犬で1日の必要カロリーが約220kcalなら、おやつは22kcal以内です。与えすぎると主食を残すようになります。
噛む力が弱いため、硬いジャーキーや大きいビスケットは避け、指で簡単に割れる柔らかさのものを選びます。毎日体重を量り、急に増えていないかを確認しながら回数を決めます。
成犬は1日1〜2回の少量が目安
1歳以上で体重が安定している成犬は、おやつは1日1〜2回までにします。毎回のご飯を残さず食べ、ここ1か月で体重が増えていないことが前提です。
合計量は1日の必要カロリーの10%以内に抑えます。たとえば体重5kgで1日の必要カロリーが約350kcalなら、おやつは35kcal以内です。小粒ビスケットなら1回1〜2個まで、さつまいもなら1cm角を2〜3個が目安です。
散歩後やトレーニング後など時間を決めて与え、だらだら何度も与えません。週に1回は同じ時間に体重を量り、100g以上増えていれば回数か量を減らします。
老犬は体調に問題なければ少量を1日1回まで
7歳以上で、毎日のご飯を完食し、下痢や嘔吐がなく、ここ1か月で体重が減っていない老犬であれば、おやつは1日1回までにします。与える量は1日の必要カロリーの10%以内です。たとえば体重6kgで1日の必要カロリーが約380kcalなら、おやつは38kcal以内に抑えます。
硬いジャーキーは避け、指で押すと割れる柔らかさのものにします。さつまいもなら1cm角を2〜3個、小粒ビスケットなら1〜2個が目安です。食後すぐではなく、散歩後や投薬後など時間を決めて1回だけ与えます。
食欲が落ちている日、咳や元気の低下がある日、体重が減っている場合はおやつを与えません。週に1回は同じ時間に体重を量り、200g以上減っていれば受診を検討します。
犬のおやつの頻度は「あげるタイミング」で決める
おやつは回数だけでなく、いつ与えるかによっても食べすぎや生活リズムへの影響が変わります。決まった場面で与える犬と、欲しがるたびに与えられている犬では習慣のつき方が大きく異なります。ここでは、おやつを与えるタイミングの決め方について説明します。
散歩やトレーニングの後だけに決めて与える
おやつは「散歩のあと」「トレーニングが終わった直後」など、与える場面を1〜2つに固定します。たとえば朝夕の散歩後だけ、または「おすわり・待て・呼び戻し」ができた直後だけにします。それ以外の時間には与えません。
1回に与える量は小粒フード1〜2粒、さつまいもなら1cm角を1〜2個までにします。ポケットやバッグにその日分だけを入れておき、なくなったら追加しません。
時間や行動とセットにすると、「何もしていないのに欲しがる」回数が減ります。食卓のそばや人の食事中には与えないと決め、毎日同じルールで続けます。
欲しがるたびに与えるのはやめる
キッチンに立つたびに吠える、ソファに座ると前足で触ってくる、袋の音がすると走ってくる──こうした行動のたびにおやつを与えるのはやめます。要求に応じて与えると、「鳴けばもらえる」「見つめれば出てくる」と覚えます。
その日のおやつの量は朝の時点で決めます。たとえば小粒フード5粒まで、さつまいも1cm角を5個までと決め、容器に入れておきます。容器が空になったら、その日は追加しません。
欲しがっても、目を合わせず声もかけずに30秒〜1分待ちます。落ち着いたら「おすわり」などの指示を出し、できたときだけ与えます。要求行動そのものに対しては一切与えないと家族全員で統一します。
太りやすい犬のおやつの頻度は少なめにする
太りやすい犬の場合は、同じ量でも体に負担になりやすいため、一般的な目安より慎重に考える必要があります。見た目や体重に変化が出ているかを確認しながら、無理のない範囲で調整していくことが大切です。ここでは、体重の状態に合わせたおやつの与え方を説明します。
体重が増えているなら毎日は与えない
ここ1か月で体重が増えているなら、おやつは毎日与えません。まずは週2〜3回までに減らします。たとえば体重5kgの犬で100〜200g増えている場合は、いったん3〜7日間おやつを止め、その後も「散歩のあとだけ」「週末だけ」など回数を固定します。
1回の量も減らします。小粒ビスケットなら1個まで、さつまいもなら1cm角を1〜2個までにします。1日の合計は必要カロリーの10%以内ではなく、5%以内に抑えます。
週に1回、同じ時間に体重を量ります。増えた分が元に戻るまでは回数を増やしません。体重が減らない場合はドッグフードの量も見直します。
体重が安定するまでは回数を減らす
ここ1か月で体重が増えた、または理想体重より重い状態なら、体重が元に戻るまではおやつの回数を減らします。毎日与えている場合は週2回までに減らし、1日2回与えているなら1回にします。まずは2週間その回数で固定します。
量も減らします。体重5kgの犬なら、小粒ビスケットは1回1個まで、さつまいもは1cm角を1〜2個までにします。1日の合計は必要カロリーの5%以内に抑えます。
週に1回、同じ曜日・同じ時間に体重を量ります。100g単位で記録し、増えた分が減るまで回数は増やしません。体重が横ばいのまま2週間続く場合は、さらに回数を減らすか一度中止します。
薬を飲ませる目的の場合のみ例外
体重を減らしている途中でも、薬を確実に飲ませるために使う分だけは例外にします。錠剤をそのまま吐き出す犬には、直径1cm未満の小さなチーズや、ささみを親指の先ほどの大きさにちぎったものに包んで与えます。量は薬を包む分だけにし、追加では与えません。
1日に2回投薬がある場合でも、その2回分だけに限定します。おやつとして楽しませる目的では使いません。使った分のカロリーは、次の食事でドッグフードを5〜10g減らして調整します。
薬を飲ませるため以外の理由では与えないと家族全員で決めます。投薬が終われば、例外も終了します。
まとめ
犬のおやつの頻度は「1日何回あげるか」ではなく、①主食を毎回完食しているか、②体重が増減していないか、③決めた場面だけで与えているか、この3点で判断します。
ご飯を残さず食べ、ここ1か月で体重が増えていない犬であれば、1日の必要カロリーの10%以内に抑えた少量を、散歩後やトレーニング後など時間を決めて与えても問題は起きにくいです。
一方で、ご飯を半分以上残す日がある、体重が100〜200g単位で増えている、欲しがるたびに与えている場合は見直しが必要です。3〜7日間いったん止める、回数を週2〜3回に減らす、1回量を小さくするなど、数字で管理します。
子犬は小さく分けて回数を使い、成犬は1日1〜2回まで、老犬は体調を確認したうえで1日1回までが目安です。薬を飲ませる目的だけは例外にし、それ以外では追加しません。
「主食が安定しているか」「体重は増えていないか」「その日分の量は決めたか」を毎週確認すれば、おやつで迷うことはなくなります。頻度ではなく総量と状態で決めることが、安全に続けるための基準です。