目次
はじめに
犬用おやつは意外とかんたんに作れます
犬用おやつは、少ない材料で、加熱とほぼ味付けなしで作れます。特別な調味料や複雑な手順は不要ですから、料理が苦手な方でも挑戦しやすいです。
手作りおやつのメリット
- 原材料を自分で選べるため、添加物や塩分を避けられます。
- 愛犬の好みや体調に合わせやすく、アレルギー対策ができます。
- 作る過程でコミュニケーションが増え、信頼関係が深まります。
この記事の構成と読み方
第2章で超かんたんな定番レシピを紹介します。第3章で作るときの注意点を丁寧に説明し、第4章で避けた方がよい食材を挙げます。第5章では、もっと簡単にするコツをお伝えします。初心者の方は、第2章のレシピを試し、第3章で安全面を確認してから作ることをおすすめします。
準備は少しの材料と時間だけです。まずは気軽に一品作ってみましょう。愛犬が喜ぶ顔を見るのは何よりのご褒美です。
超かんたん定番レシピ
さつまいも一口クッキー
- 材料(約20個分): さつまいも200g
- 作り方:
- さつまいもは皮をつけたままでも可。洗って一口大に切る。
- 蒸すか茹でて柔らかくする(約15〜20分)。
- 熱いうちに皮をむき、フォークでつぶす。手で丸められる固さならOK。ゆるければ片栗粉小さじ1〜2で調整。
- 天板に並べ、オーブン180℃で約15〜20分、表面が少し乾くまで焼く。トースターでも代用可。
- ポイント: 味付けは不要です。小さめにすると中までムラなく火が通ります。
かぼちゃボール
- 材料(約12〜16個): かぼちゃ200g、片栗粉大さじ1
- 作り方:
- かぼちゃは一口大に切り、皮を取るか好みで残す。
- 蒸すかレンジで柔らかくし、熱いうちにつぶす。
- 片栗粉を加えて混ぜ、手で丸めやすい固さに調整する。
- オーブン170〜180℃で15分ほど、表面が乾くまで焼く。フライパンで弱火で転がして加熱してもよい。
- ポイント: 片栗粉でまとまりやすくなります。冷めると固くなるので、食べる直前に少し温めると香りが引き立ちます。
鶏ささみジャーキー風
- 材料: 鶏ささみ200〜300g
- 作り方:
- ささみは筋を取り、包丁で薄くそぎ切りにする(火が通りやすくするため)。
- キッチンペーパーで水気をしっかり拭く。
- 天板に並べ、120〜140℃の低温で40〜60分、または完全に火が通るまでゆっくり加熱する。オーブンがない場合はフライパンの弱火でじっくり焼く。
- 中まで白くなり、汁が出なくなったら完成。
- ポイント: 味付け不要ですが、中心までしっかり火を通してください。薄く切ると短時間で乾きやすくなります。
※いずれのレシピも加熱が基本で、味付けは不要です。調理中は火の通りを確認し、安全に配慮してください。
作るときの注意点
1. 必ず加熱する食材
肉・魚・じゃがいも・かぼちゃなどは必ず中までしっかり加熱します。肉は赤みが残らないよう、魚は身がほぐれるまで、芋類は芯が柔らかくなるまで火を通してください。生だと消化不良や食中毒の原因になります。揚げ物や焦げ付きは避け、蒸す・茹でる・ふっくら焼く調理がおすすめです。
2. 味付けは人間用を使わない
塩・砂糖・しょうゆ・香辛料・バターなど人間用の味付けは使わないでください。これらは体に負担をかける可能性があります。素材そのもののうま味を活かし、薄味で提供します。どうしても風味がほしいときは、少量の犬用(もしくは対象に応じた専用)調味料を使ってください。
3. 与える量と頻度の目安
与えすぎに注意します。1日の総カロリーの1割以内を目安にしてください。例えば1日の食事が400kcalなら、おやつや追加分は40kcal以内に抑えます。体重や活動量で適宜調整し、体重の増減を定期的にチェックしてください。
4. 調理・保存の注意
生肉を扱った調理器具はよく洗い、交差汚染を防ぎます。作り置きする場合は冷ましてから密閉して冷蔵・冷凍保存し、長期保存は避けます。再加熱は中心まで温め直してください。
安全第一で、少しの工夫で安心して与えられる食事を作れます。
避けた方がよい食材
犬に与えると危険な食材を分かりやすくまとめます。少量でも症状が出るものがあるので、手の届く場所に置かないようにしましょう。
ネギ類(玉ねぎ、ニンニク、長ネギ、ニラ)
含まれる成分が赤血球を壊し、貧血や元気消失、黄疸を引き起こします。生でも加熱しても危険です。目に見えない微量でも症状が出ることがあります。
チョコレート
テオブロミンとカフェインが中枢神経や心臓に影響を与え、嘔吐、下痢、興奮、震え、痙攣を引き起こします。ダークチョコほど危険度が高いです。
カフェイン・アルコール
コーヒーやエナジードリンク、紅茶のカフェインは心拍数増加や震えを招きます。アルコールは少量で中毒症状を起こします。
ぶどう・レーズン
腎不全を起こす恐れがあり、少量でも危険です。原因は完全には解明されていません。嘔吐や元気消失が見られたら注意してください。
キシリトール
ガムや歯磨き粉、菓子に含まれる甘味料で、急激な低血糖や肝障害を引き起こします。摂取後は速やかに獣医へ連絡してください。
生のイカ・タコ・エビ・貝類、生卵白
生の魚介類は細菌や寄生虫の危険があり、生卵白はビオチン欠乏を招くことがあります。加熱して与えると安全性が高まります。
もし誤って食べてしまった場合は、食べた量と時間を確認してすぐに獣医に相談しましょう。よだれ、嘔吐、下痢、ぐったり、震えなどの症状が出たら緊急受診が必要です。
安全な代替としては、加熱した鶏胸肉やゆでた野菜(人参、かぼちゃ)、市販の犬用おやつをおすすめします。
もっと簡単にするコツ
常備しておくと便利なもの
蒸してつぶした野菜ペーストを小分けにして冷凍しておくと、とても便利です。製氷皿やシリコンのトレイに入れて凍らせ、使う分だけ取り出してください。ラベルに日付と中身を記入すると管理が楽になります。
冷凍保存のポイント
冷ますときは平らな容器にして凍らせると重ねやすくなります。解凍は冷蔵庫や湯せんでゆっくり行ってください。解凍後は再冷凍せず、早めに使い切るようにしましょう。
簡単おやつのアイデア
ヨーグルトと果物を混ぜて凍らせれば、手軽なアイスになります。バナナはそのまま混ぜると滑らかになるので特におすすめです。年齢に応じて刻んだり、少量の牛乳や母乳でのばしてから凍らせると食べやすくなります。
新しい食材を試すコツ
初めての食材は少量から始め、数日間同じ症状が出ないか確認してください。一度に複数の新食材を与えず、1つずつ様子を見ましょう。
調理と道具の工夫
ブレンダーやフォークで潰すだけでも十分です。裏ごしや濾しは滑らかにしたいときだけ使ってください。使いやすいスプーンやミニゴムべらをそろえておくと作業が速くなります。