目次
はじめに
子犬の食事を1日2回にすることは、成長に合わせた生活習慣の一つです。ここでは、なぜ2回食にするのか、いつから始めるのが目安か、量の計算や調整のしかた、異変が出たときの対応まで、段階を追ってわかりやすく説明します。
目的
- 食事回数を安定させることで、消化や排泄のリズムを整えます。
- 大人の食事リズムに近づけ、将来的な体重管理を楽にします。
誰に向いているか
- 生後の離乳が終わり、成長が安定してきた子犬向けです。犬種や個体差で適切な時期は変わりますので、次章で詳しく触れます。
この記事でわかること
- 2回食にする基本の考え方
- 開始時期の目安と具体例
- 食事量の計算方法と調整サイン
- 安心して進めるためのポイント
読み進めることで、不安なく食事回数を変えられるように案内します。獣医師の判断が必要な場合は、早めに相談してください。
基本の考え方
総量を基準にする理由
まず今使っているドッグフードのパッケージに書かれている「子犬・体重○kgあたりの1日の給与量」を確認してください。メーカーはそのフードのカロリーや栄養をもとに、1日に必要なおおよその総量を示しています。総量を基準にすることで、栄養バランスを崩さずに回数だけ変えることができます。
実際のやり方(簡単な手順)
- 子犬の体重を量る(できれば朝の空腹時)。
- フードのパッケージの表を見て、体重に対応する「1日の目安量」を確認します。
- その総量を、回数に応じて分けます。1日2回にするなら「朝に半分・夜に半分」にします。総量は変えません。
例:体重5kgでパッケージに200g/日とある場合は、朝100g・夜100gに分けます。
測り方のコツ
定量はできるだけグラムで量ることをおすすめします。キッチンスケールがあると正確です。計量カップを使う場合は、そのフード専用のカップ目安を確認してください。
日常での注意点
・おやつは総量に含めて考えると、与え過ぎを防げます。
・給餌時間を一定にすると、子犬の消化や生活リズムが整います。
・運動量や成長で必要量は変わるため、定期的に体重と体型を確認してください。
この章では、総量を守りつつ回数を2回に分けるという基本方針をお伝えしました。次章では、2回食を始める目安の時期について具体的に説明します。
2回食の開始時期
いつから始めるか
多くの目安では、生後6〜7か月ごろから1日2〜3回に移行できます。9〜12か月ごろには1日2回が基本になることが多いです。個人差がありますので、赤ちゃんの発達や食欲を見て決めましょう。
年齢ごとの目安
- 3〜5か月:低血糖や胃腸への負担を避けるため、通常は1日3〜4回に分けます。離乳食はこの時期には始めないか、医師の指示で少量にとどめます。
- 6〜7か月:離乳食が安定してきたら、1日2〜3回にできます。初めは少量から始め、徐々に回数や量を調整します。
- 9〜12か月:1日2回を基本に、間に軽いおやつやミルクを加えることが多いです。
実際の進め方(例)
- 6か月の赤ちゃん:朝食は8時に少量のうらごし野菜、昼と夕は授乳で補い、夕食は18時に離乳食を少量与える。数週間かけて回数を減らす。
赤ちゃんの様子で判断するポイント
食欲が増える、食べ物に興味を示す、夜まとめて眠れるようになるなどが目安です。吐き戻しや機嫌不良が続くときは量や回数を見直してください。
注意点
急に回数を減らすと低血糖や不機嫌になることがあります。体重や発育に問題があれば小児科に相談してください。
具体的な量の計算例
前提
ここでは1日を2回に分ける場合の計算例を示します。パッケージ表示や体重パーセント表示を分かりやすく計算します。
パッケージに「体重○kg:1日□□g」とある場合
例:パッケージに「体重3kgの子犬:1日120g」とあるとき、1日2回なら1回あたり約60gが目安です。別の体重のときは表示量を体重比で換算できます。例:4kgの子犬なら120g×(4/3)=160g/日 → 1回80g。
「体重の◯%」で示されている場合
計算式:体重(kg)×1000×(%/100)=1日の総量(g)。例:体重4kgで体重の3%なら4×1000×0.03=120g/日 → 1回60g。
別の例:2kgで体重の4%なら2×1000×0.04=80g/日 → 1回40g。
実際に計るコツ
・キッチンスケールで量ると正確です。計量カップを使う場合はパッケージの「1カップ=何g」を確認してください。
・初回は目安どおりに与えて体重や便の状態を数日観察し、必要なら5〜10g単位で微調整します。
回数が異なる場合の対応
1日の総量を給餌回数で割ればよいです。3回なら総量÷3、朝昼晩で按分してください。
量を調整すべきサイン
増やすサイン
- 体重が短期間に減る(例:1週間で5%以上)。
- 肋骨が触れる・浮き出て見える。
- いつも極端にお腹を空かせている、常に食べ物を探す仕草がある。
これらが見られたら、1日の総量をまず5〜10%ほど増やして様子を見ます。増やす際は1回で大幅に変えず、数日ごとに調整してください。
減らすサイン
- 体重が増えすぎている、肥満の傾向が出ている。
- うんちがゆるい、回数や量が増えた。
- 食べ残しが多く、食欲が落ちている。
こうした場合は総量を5〜10%程度減らします。便の状態は特に重要です。
観察のコツと実際の手順
- 体重と便、食欲を毎日記録します。
- 変更後は3〜7日間は様子を見ます。急に戻さないでください。
- 明らかに元気がない、嘔吐や血便がある場合は速やかに獣医へ相談します。
個別の注意点
- 子犬・子猫や高齢の個体は栄養の必要量が変わります。成長期は増量を優先することがあります。
- 新しいフードを試すときは量と反応を慎重に確認してください。
- 目安はあくまで出発点です。個体差を尊重して調整しましょう。
安心して進めるために
段階的に進める理由
月齢が小さい子犬や超小型犬は、急に回数を減らすと空腹で元気がなくなったり体重が落ちたりします。まずは3回食→2回食へと、数日〜2週間かけて少しずつ移行してください。
減らし方の具体例
- 現在の1日総量を把握します(フード袋の推奨量や獣医の指示を参考に)。
- 1回分を徐々に減らします。例:まず夕方の食事を25%減らし、3日ごとに更に25%ずつ減らす。完全に抜くまでに1〜2週間かけます。
- 最終的に残る2回は総量を等分してもよく、成犬寄りの子は朝:夜=60:40の配分でも対応します。
相談する際にメモしておくこと
動物病院やフードメーカーに尋ねるときは、次を伝えると具体的な量が出やすいです。
- 月齢・体重(最近の増減も)
- 犬種(超小型・小型など)
- 現在のフード名と1日の合計量・回数
- 排便の状態や気になる症状
観察すべきサイン
体重が減る・元気がない・嘔吐や下痢が続く・過度に空腹を訴える場合は中止して相談してください。逆に体重が安定し、活力や排便が良ければ移行は順調です。
日々の工夫
給餌の記録をつけると変化に気づきやすくなります。おやつはカロリーを加味して量を減らすか与えない日を作ると管理が楽です。心配なときはプロに相談する習慣をつけると安心です。