はじめに
製品の概要
ロイヤルカナンの犬用療法食「消化器サポート 高繊維」は、大腸性の下痢や大腸疾患の犬のために作られた食事療法食です。高繊維で消化性のよいタンパク質を中心に配合し、腸内環境の安定と便の状態の改善を目指します。
どんな犬に向いているか
- 頻繁に下痢をする、軟便が続く
- 排便の回数が増えた、残便感がある
- 獣医師から大腸性の問題と診断された
これらの症状がある犬に使われることが多いです。
この章で伝えたいこと
この記事では、製品の基本情報、栄養設計、形状やラインナップ、期待される効果と注意点、使用前の確認点を順に説明します。飼い主さんが安全に選び、使えるように分かりやすく解説します。
簡単な注意点
療法食は獣医師の診断に基づいて使うことが大切です。食事を切り替える際は徐々に行い、体調の変化をよく観察してください。
フードの基本情報
対象となる犬
下痢が続く、または大腸に関係する疾患を抱える犬が主な対象です。便の軟らかさや頻度の改善が目的で、食物繊維の増量が望ましい場合に使われます。
想定される症状・適応場面
便が柔らかい、粘膜や血が混じる、急に便通が変わったといった症状のある犬に適します。慢性的な下痢や大腸性の腸炎、または腸内環境の安定をはかるときに選ばれます。
動物病院での取り扱い
このフードは主に動物病院で取り扱います。市販品と異なり、診断に基づく処方や管理が前提です。獣医師や動物看護師が状態を観察しながら供給します。
獣医師の診断・指導の必要性
投薬や治療と併用することが多く、獣医師の診断に沿って使います。給餌量、切り替え期間、継続期間は個体差があるため、指示に従ってください。
主な成分と働き(概要)
食物繊維を増やし、便の水分を調整します。具体的には、かぼちゃやビートパルプなどの繊維源が用いられることが多いです。消化を助ける成分や整腸を支える成分も配合されます。
給餌と保管の基本
切り替えは数日かけて行い、急に変更しないでください。指示された量を守り、水は必ず用意します。保存は直射日光・高温多湿を避け、開封後は早めに使い切るのが望ましいです。
特長・栄養設計
プレバイオティクスと食物繊維の配合
ビートパルプやオリゴ糖などのプレバイオティクスを配合し、腸内の善玉菌のエサを増やします。水溶性食物繊維は腸内でゲル化して便をやわらげ、不溶性食物繊維は腸のぜん動運動を促します。具体例として、ビートパルプが便量を整え、フラクトオリゴ糖がビフィズス菌の増殖を助けます。
消化率90%以上の超高消化性タンパク質
主要なタンパク質源は消化率90%以上の素材を採用し、消化器に負担をかけず効率よくアミノ酸を供給します。消化が速いことで胃や腸での滞留が少なく、食後の負担を抑えたい方や消化器の弱い個体に適しています。
バランス設計のポイント
ビタミン・ミネラルは過不足が出ないよう科学生成比で配合し、脂質はエネルギー源として適量を確保しています。味や嗜好性も考慮しているため、食いつきの良さと栄養価を両立しています。
日常での利点
腸内環境が整うと便の状態が改善し、被毛や皮膚のコンディションにも良い影響が出やすくなります。消化性が高いため、同量でも栄養吸収が良く、体重管理にも役立ちます。
※個体差があるため、切替時は少量から慣らしてください。
形状・ラインナップ
取り扱い形状
主にドライフードとローフタイプのウェット缶(200g)を用意しています。ドライは保存や給餌が手軽で、歯の汚れを抑える効果も期待できます。ローフタイプのウェットはしっとりしたペースト状で、歯や噛む力が弱い犬や、水分摂取が少ない子に与えやすい形状です。
ウェット缶(ローフタイプ)の特徴
200gサイズで扱いやすく、開封後は冷蔵保存して1〜2日内に使い切ることをおすすめします。匂いと食感が強いので、食欲が落ちた犬やドライを敬遠する犬にも受け入れられやすいです。温めると香りが立ち、さらに嗜好性が上がります。
ドライとウェットのミックスフィーディング
ドライとウェットを組み合わせることで、水分量や食感を調整できます。例えば、普段はドライを中心にして食欲が落ちた日はウェットを30〜50%混ぜると切り替えがスムーズです。高齢犬にはウェットを多めにして歯への負担を減らすとよいでしょう。
与え方と保存のポイント
ドライは湿気を避けて密閉保存します。ウェットは開封後すぐに冷蔵し、与える前に常温に戻すと食べやすくなります。混ぜる際は均一に混ぜ、選り分けを防ぐと栄養バランスが保てます。
期待される効果と注意点
期待される効果
- 便通の改善や便の形が整うことで、散歩後の片付けが楽になります。
- 腸内環境が安定して、ガスや不快感が減ることがあります。
- 一部の飼い主からは、被毛や元気の改善を感じる声もあります。具体的には軟便が減り、排便のリズムが整う例が多いです。
注意点と具体的対策
- 高繊維設計のため、排便回数が増えることがあります。散歩回数やタイミングを見直し、予備の散歩時間を確保してください。
- 切り替えを急に行うと軟便やガスが出ることがあります。7〜10日ほどかけて少しずつ混ぜる方法をおすすめします。
- 水分補給をしっかりと行ってください。繊維が増えると水分が必要になります。
- アレルギーや特定成分への過敏が疑われる場合は摂取を中止し、獣医に相談してください。
切替時のチェックポイント
- 排便の回数・量・色・においを毎日観察し、変化が続く場合は記録を残してください。
- 体重や食欲にも注意し、必要に応じて給餌量を調整します。
- 衛生面では、散歩時に排せつ処理の準備を増やすと安心です。
こんなときはすぐに獣医へ
- 血便、激しい下痢、嘔吐、元気消失、急激な体重減少が見られた場合は、速やかに受診してください。
使用前に確認したいこと
獣医師への相談は必須
療法食は病気の管理を目的としています。必ず獣医師に相談し、あなたのペットの病状に合っているか、給与量・期間を指示してもらってください。獣医師は検査結果や症状を基に最適な選択をします。
服用中の薬や他疾患との併用確認
現在薬を飲んでいる場合(例:抗生物質、心臓薬、ホルモン薬など)や別の疾患がある場合は、療法食との併用可否を確認してください。薬の吸収や効果に影響することがあります。サプリメントや市販のフードを同時に与える場合も事前に相談してください。
給与量・期間の確認と観察ポイント
獣医師の指示通りに量と期間を守ってください。よく見るべき点は体重、食欲、排泄の状態、嘔吐や下痢、皮膚のかゆみです。変化があれば速やかに連絡してください。療法食は効果が出るまで数週間かかることがあります。
購入前の確認事項
パッケージの適応疾患、対象動物(犬・猫の区別)、賞味期限、保存方法を確認してください。匂いや色が極端に変わっていれば使用をやめ、獣医師に相談します。
実際の準備とフォローアップ
開始前に体重や症状を記録しておくと比較しやすくなります。途中で食べなくなったり副作用が疑われる場合は勝手に中止せず、まず獣医師に相談してください。定期検査で栄養状態や病状の変化を確認しましょう。