目次
はじめに
この文書の目的
高齢犬がドッグフードや食事を食べずにおやつだけ好む現象について、原因や健康上の懸念、そして現実的な対策を分かりやすく解説します。飼い主さんが不安を減らし、愛犬の生活の質を守ることを目的としています。
対象となる方
・老犬を飼っている方
・食事の変化に悩む家族や介護者
・動物看護やトレーニングに関心がある方
本書の構成と使い方
第1章（本章）は本書の概要と注意点を説明します。第2章で原因の詳細と具体的な対策を示します。読みやすさを優先し、専門用語は最小限にして具体例や実践的な手順を載せます。
大切にしてほしいこと
高齢犬の食行動は年齢や体調、環境で変わります。単に“わがまま”とは限りません。体調不良や歯の問題、嗅覚・味覚の変化、薬の影響などが背景にあることがあります。疑わしい症状がある場合は、早めに獣医師に相談してください。
この先では、日常でできる観察ポイントや簡単に試せる工夫、受診の目安などを丁寧に解説していきます。
老犬がおやつしか食べない理由と対策について
なぜおやつばかりになるのか
年を取ると犬は味やにおいに敏感さを失い、柔らかくて香りが強いおやつに魅かれます。歯やあごの力が弱くなると硬いドライフードを嫌がり、消化機能や基礎代謝の変化で食欲が落ちることもあります。体調不良（歯の痛み、胃腸の不調、慢性疾患）が隠れている場合もあるため注意が必要です。
「わがまま」か病気かの見分け方
食欲以外に元気・排便・体重の変化があるかを確認します。急に食事量が減ったり、体重が落ちるときは病院へ。体調に問題がなければ、与え方や環境を見直します。
おやつばかり続けるリスク
栄養の偏り、肥満、必要な栄養素不足、しつけの混乱などが起こります。長期では筋肉量の低下や体調不良につながりやすいです。
具体的な対策（すぐできること）
- 年齢に合った缶詰やふやかしたドライを使う。柔らかくして香りを立てると食べやすくなります。
- 食事に少量のおやつを混ぜて移行する。量を調整してカロリー管理します。
- 食事時間を決めて間食を制限する。おやつは訓練やご褒美のみにします。
- 歯のケアと定期検診を受ける。歯痛や内科の異常を早めに見つけます。
- ぬるま湯で温める、細かく刻むなど食べやすさを工夫する。
いつもと違う様子があれば早めに獣医師へ相談してください。