犬用フード・おやつ

老犬のご飯食べない悩みに効く手作りご飯の秘訣とは

はじめに

大切な第一歩

年をとった犬が急にご飯を食べなくなると、不安になりますね。まず一番大切なのは「病気ではないか」を確認することです。元気がない、嘔吐や下痢が続く、体重が急に減る、痛がる仕草があるなどがあれば、すぐに動物病院を受診してください。早めの診察が改善につながります。

手作りご飯の役割

病気がない場合、食欲低下には食べやすさや香りが大きく影響します。老犬向けの手作りご飯は、柔らかくして噛みやすく、温かくして香りを引き立てることで食欲を刺激できます。材料や味付けを控えめにすることで胃腸にやさしい食事を作れます。

少しずつ試すことの重要性

新しい食事は少量から試してください。まずは普段のフードに少し混ぜる、またはスープ状にして様子を見ます。体調や便の状態を観察し、変化があれば獣医師に相談しましょう。

栄養と安全性に気をつけて

長期で手作りにする場合は栄養バランスに注意が必要です。タンパク質、エネルギー、ビタミンやミネラルの偏りが出ないように、専門家に相談することをおすすめします。食材は加熱して消化を助け、塩や香辛料は使わないでください。

この章ではまず病気のチェックと、食べやすく香りの良い手作りご飯が有効であること、そして少しずつ安全に試すことをお伝えしました。次章では、手作りご飯を始める前に必ず確認してほしいポイントを詳しくご説明します。

まず必ず確認してほしいこと

緊急で動物病院へ行くサイン

  • 24時間以上ほとんど食べない、ぐったりしている
  • 嘔吐・下痢が続く、血が混じる
  • 呼吸が荒い・苦しそう・口呼吸している
  • 急激な体重減少、痙攣、意識が薄い
    これらがある場合は、すぐに動物病院へ連絡し受診してください。時間が症状を悪化させます。

口の中・痛み・発熱のチェック

  • 口の中を軽く開けて、赤い・白い部分や出血、口臭、歯のぐらつきを確認します。
  • 顔や首を触られるのを極端に嫌がる場合、口や歯の痛みを疑います。
  • 体温は家庭では難しいため、熱っぽさ(ぐったり、震え、触ると熱い)を見てください。

水分・排泄・食欲の観察

  • 水を飲む量と排尿の回数をメモします。急に減っていれば脱水の恐れがあります。
  • 下痢や嘔吐の回数、色、量を記録してください。写真があると獣医に伝えやすいです。

受診前に用意すると良いもの

  • 食べていたフードの袋(成分表示)、現在の薬の名前や投薬時間
  • 嘔吐物・便のサンプル(清潔な容器で)
  • いつから・どのように変化したかのメモ

小さな異変でも長引く場合は早めに相談してください。飼い主さんの観察が治療の第一歩です。

老犬向け手作りご飯の基本ポイント

消化しやすさを第一に

高齢犬は胃腸の働きが落ちます。繊維や硬さを抑え、柔らかく調理してください。例:白ごはんやおかゆ、蒸したサツマイモ、よく煮た野菜。食べやすい温度は人肌〜ぬるめの温度です。

香りで食欲を刺激

香りがあるとよく食べます。鶏の茹で汁や昆布でとった薄いだしを少量加えると香りが出ます。ただし塩や香辛料は使わないでください。

たんぱく質と脂肪のバランス

高齢犬もたんぱく質は必要ですが、脂肪が多すぎると負担になります。鶏胸肉や白身魚、豆腐など低脂肪で良質なたんぱく源を選びます。

塩分・味付けは厳禁

人間用の味付けは塩分や調味料が多く危険です。必ず無味で調理し、必要なら獣医師の指示でサプリを使ってください。

食感の工夫

噛む力が弱い子は細かく刻むか、ペースト状にしましょう。一口サイズにして誤飲を防いでください。

少しずつ切り替える

ドライフードから手作りに切り替える際は、まずは半々で混ぜ、数日から1週間かけて割合を増やします。急な変更は下痢の原因になります。

水分補給を忘れずに

高齢犬は脱水になりやすいです。ご飯にだしやぬるま湯を加えて水分を補い、飲水もこまめに促してください。

体調と便を観察

体重、毛艶、便の状態を毎日チェックします。変化があれば獣医師に相談してください。

※栄養バランスや病気がある場合は、獣医師と相談して献立を決めましょう。

簡単にできる老犬向け手作りご飯の例

注意(最初に)

持病がある場合は必ず獣医師に相談してください。薬との相互作用や制限があることがあります。

材料と下ごしらえ

  • 炭水化物:白米やおかゆ、うどん、じゃがいも、さつまいも。やわらかくなるまで煮てつぶします。
  • たんぱく源:鶏むね肉、ささみ、鶏もも(脂を取り除く)、白身魚、卵(固ゆで)。茹でて細かく刻みます。
  • 野菜:にんじん、かぼちゃ、キャベツ、ブロッコリーの茎。やわらかく煮てペーストかみじん切りにします。

調理の手順

  1. 味付けは一切しません。塩や油、調味料は不要です。
  2. ご飯やさつまいもは煮汁でさらにやわらかくし、おじや程度のとろみまで調整します。
  3. 茹でた肉や魚、野菜を混ぜて、犬が飲み込みやすい固さにします。
  4. 人肌まで冷ましてから与えてください。

与え方・量の目安

  • 小型犬はティースプーン1〜2杯から始め、様子を見ながら増やします。
  • 1日3〜4回に分けて少量ずつ与えると消化にやさしいです。

ちょっとした工夫

  • 食べにくければすりつぶしてペースト状にします。
  • 新しい食材は少量から試し、下痢や嘔吐がないか24〜48時間観察します。

食欲を刺激する工夫

ご飯に工夫を加えると、老犬の「食べたい」気持ちが戻りやすくなります。ここでは実践しやすい方法を丁寧に紹介します。

温めて香りを引き出す

ご飯を人肌〜ほんのり暖かい程度(目安は37〜40°C)に温めると、香りが立ち食欲を刺激します。電子レンジは短時間で様子を見ながら温めてください。熱くしすぎると口や消化器を傷めるので注意します。

いつものフードにトッピング

いつものドライフードに、手作りのおじやや薄めた鶏スープを少量トッピングすると食べやすくなります。ドライが苦手な場合は、ふやかして柔らかくするだけでも効果的です。

食器と姿勢を整える

食器は犬の首や関節に負担がかからない高さに置きます。浅めの皿や滑り止めのついた台を使うと、食べやすさが向上します。

手から与える・一口ずつ

手から一口ずつ与えたり、小さく丸めた団子状にして口元に持っていくと、安心して口を開けやすくなります。スプーンで一口分ずつ与える方法もおすすめです。

回数を分けて少量ずつ

一度にたくさん与えるより、少量を何回かに分けて与えると消化に負担が少なく、食欲が出やすくなります。朝夕のほかおやつ時間を活用します。

新しい工夫は少量ずつ試す

味や温度、テクスチャーを変える際は少量ずつ試し、体調や便の様子を確認します。持続する食欲不振や体重減少がある場合は獣医師に相談してください。

絶対に避けたい食材・注意点

危険な食材(すぐ避けるべき)

  • 玉ねぎ、長ねぎ、にんにく、ニラ:赤血球を壊し貧血を招くことがあります。少量でも危険です。
  • チョコレート:心拍数の乱れやけいれんを起こす恐れがあります。
  • ブドウ・レーズン:急性腎不全を起こす場合があります。種類や量に関係なく避けます。
  • キシリトール入り製品:低血糖や肝不全を招きます。ガムやお菓子に注意。
  • 香辛料や濃い味付け、アルコール、カフェイン、砂糖・塩の過剰:消化不良や脱水の原因になります。

骨や調理の注意

  • 加熱した骨は割れて喉や腸を傷つけるので与えないでください。生骨も安全とは限りません。

持病がある犬への配慮

  • 腎臓病や肝臓病、膵炎、心疾患のある犬には高たんぱく・高脂肪の食事は避けます。獣医の指示に従ってください。

手作りだけにする場合の栄養面

  • 手作り食はカルシウム、ミネラル、ビタミンが不足しやすいです。市販の栄養補助サプリを活用するか、獣医・動物栄養士に相談してください。

与え始め・観察のポイント

  • 新しい食材は少量から始め、下痢や嘔吐、食欲低下がないか48時間程度観察します。異常があればすぐ獣医に相談してください。

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