目次
はじめに
目的
本レポートは、「柴犬 ご飯 手作り」を検索する飼い主さん向けに作成しました。柴犬に適した栄養バランスを意識した手作りごはんのレシピと実用的な調理ノウハウをわかりやすくまとめます。
対象読者
・初めて手作りごはんを作る方
・栄養面で不安がある方
・忙しくても続けやすい作り置きを知りたい方
本書の内容
複数のレシピ(チキン、鮭、ビーフ、鶏レバーなど)を栄養面の説明とともに紹介します。管理栄養士監修の作り置き方法や、食材ごとの特性、調理の注意点も掲載します。
安全上の注意
食材アレルギーや既往症がある場合は獣医師に相談してください。急な切り替えは避け、少量から様子を見ながら与えることをおすすめします。保存は衛生的に行い、異臭や変色があれば与えないでください。
柴犬のための栄養満点な手作りごはんレシピ
はじめに
柴犬は中型犬で活動的なため、たんぱく質と良質な脂質、ビタミン・ミネラルのバランスが大切です。本章では、毎日の健康維持に役立つ手作りごはんの考え方と複数のレシピ概要をやさしく紹介します。
おすすめレシピ一覧
- チキンと野菜のリゾット(低脂肪で消化が良い)
- 鮭とさつまいもの栄養ごはん(オメガ3とエネルギー補給)
- ビーフと野菜のバランスごはん(鉄分とたんぱく質)
- 鶏レバーと玄米の栄養ごはん(ビタミンA・B群が豊富)
栄養のポイント
- たんぱく質は体重1kgあたり1.5〜2gが目安ですが、年齢や活動量で調整してください。
- 炭水化物はエネルギー源として適量を。消化の良い白米や玄米を使い分けます。
- 野菜は消化しやすく小さく切り、種類を変えてビタミンを補います。
食材の選び方
- 鶏むね肉や鮭は新鮮なものを選び、骨や塩分は避けます。
- レバーは週1回程度を目安にし、過剰摂取に注意します。
与え方と注意点
- 療法食や持病がある場合は獣医師と相談してください。
- 味付けは一切しないでください。塩や調味料は犬に有害です。
保存と作り置きのコツ
- まとめて作る場合は小分けにして冷蔵(2〜3日)か冷凍(1ヶ月以内)で管理します。
- 解凍は冷蔵庫でゆっくり行い、再加熱は中まで温めてから与えます。
チキンと野菜のリゾットのレシピ詳細
材料(目安:体重8〜10kgの柴犬1回分)
- 鶏むね肉(皮なし)100g
- 玄米(生)50g
- にんじん 30g
- かぼちゃ 30g
- ブロッコリー 20g
- 水 500ml
下ごしらえ
- 鶏肉は一口大に切ります。
- 野菜は柔らかく煮えるように小さめに切ります(ブロッコリーは小房に)。
- 玄米は軽く洗います。
作り方
- 鍋に玄米と水を入れて中火にかけ、沸騰したら弱火にして煮ます。
- 玄米が半分ほど柔らかくなったら鶏肉、にんじん、かぼちゃを加えます。
- 全体が柔らかくなるまで約15〜25分程度煮込みます。玄米の硬さで時間は調整してください。
- 最後にブロッコリーを加えて1〜2分煮たら火を止め、粗熱を取ってから与えます。
※ 塩・砂糖・だしの素・にんにく・玉ねぎは使わないでください。
与え方と目安量
- 8〜10kgの柴犬:1回あたり約180〜250gを目安にします。
- 体重に応じて増減してください。初めての食材は少量から様子を見ます。
保存と注意点
- 冷蔵で2〜3日、冷凍なら1ヶ月が目安です。
- 再加熱する際は完全に温めてから粗熱を取って与えてください。
- 消化が弱い犬は玄米を白米に替えるか、さらに長く柔らかく煮てください。
栄養のポイント
- 鶏むね肉は高タンパクで消化しやすいです。かぼちゃ・にんじんはビタミンや食物繊維が豊富で、ブロッコリーはビタミンCやミネラルを補います。玄米はビタミンB群やミネラルを含み、エネルギー源として働きます。
鮭とさつまいもの栄養ごはんのレシピ詳細
材料(1回分・目安)
- 生鮭(無塩、骨を取り除く): 50g
- さつまいも(皮つき可): 50g
- ブロッコリー: 20g
- ほうれん草: 15g
- オリーブオイル: 小さじ1/2(約2.5ml)
下準備
- 鮭は骨を丁寧に取り、ひと口大に切ります。生食は避け、必ず加熱してください。
- さつまいもはよく洗い、皮つきのまま乱切りにします。芽や傷んだ部分は取り除きます。
- ブロッコリーは小房に分け、ほうれん草はざく切りにします。
作り方(手順)
- 鍋に水を入れ、さつまいもを入れて中火で約12〜15分、柔らかくなるまで茹でます。串がすっと通ればOKです。
- さつまいもが柔らかくなったら火を弱め、鮭を加えます。蓋をして中火で約5〜7分、中心まで火を通します。
- 鮭に火が通ったらブロッコリーを加え、さらに2〜3分蒸すように火を通します。最後にほうれん草を入れてさっと火を通します(30秒〜1分)。
- 火を止め、粗熱が取れたら鮭をほぐし、全体を混ぜます。仕上げにオリーブオイルを混ぜて出来上がりです。
量の目安(柴犬の体重別・1回分)
- 5kg前後: 鮭35g、さつまいも35g、ブロッコリー15g、ほうれん草10g
- 10kg前後: 鮭60g、さつまいも60g、ブロッコリー25g、ほうれん草15g
- 15kg前後: 鮭80g、さつまいも80g、ブロッコリー35g、ほうれん草20g
栄養のポイント
- 鮭のオメガ3脂肪酸は皮膚と被毛の艶を保ちます。タンパク質源としても優秀です。
- さつまいもは消化がよく、ビタミンや食物繊維が豊富で腹持ちが良くなります。
- ブロッコリーとほうれん草は抗酸化成分やビタミン類を補います。短時間の加熱で栄養を逃さないようにします。
注意点
- 玉ねぎ、にんにく、ねぎ類は犬に有害です。調理時は絶対に使わないでください。
- 鮭は必ず十分に加熱し、生鮭は与えないでください。骨は小さくても危険なので完全に除去します。
- アレルギーや持病がある場合は獣医師に相談してください。
保存と与え方
- 冷蔵: 密閉容器で2〜3日、冷凍: 1か月を目安に保存できます。解凍後は再冷凍を避けてください。
- 一度に与えすぎないよう、体重や普段のカロリーに合わせて量を調整してください。
ビーフと野菜のバランスごはんのレシピ詳細
材料(柴犬中型犬1回分の目安)
- 牛ひき肉:80g
- にんじん:30g(一口大に刻む)
- ズッキーニ:30g(薄切り)
- ほうれん草:20g(茹でて粗みじん)
- オートミール:20g
- ぬるま湯:適量
下ごしらえ
- 野菜は柔らかくなるまで茹でるか蒸して一口大に切る。にんじんは特に柔らかくする。ほうれん草は下茹でして水気を絞る。
- 牛ひき肉は脂が多い場合は軽く湯通しして余分な脂を落とす。
作り方
- 鍋に牛ひき肉と野菜を入れ、弱火で肉の色が変わるまで炒める。
- オートミールを加え、ぬるま湯でお好みの固さに調整して5〜10分煮る。
- 味付けは一切しないでください。冷めたら小分けにして与えます。
栄養ポイント
牛肉の鉄分と亜鉛が血液と免疫を支え、オートミールの食物繊維が腸内環境を整えます。野菜でビタミンと水分を補えます。
注意点
- 人間用の調味料は絶対に使わないでください。
- 牛肉にアレルギーがある場合は別のたんぱく源に替える。
- 塩分・脂分が多くならないよう量を調整してください。
保存と与え方のポイント
- 冷蔵は2日以内、冷凍は1か月以内を目安に。
- 与える前は必ず人肌程度に冷ましてから与えてください。
鶏レバーと玄米の栄養たっぷりごはんのレシピ詳細
材料(柴犬中型1〜2食分の目安)
- 玄米:1合(約150g)
- 鶏レバー:100g
- にんじん:30g(みじん切り)
- ブロッコリー:40g(小房に分けて細かく)
- だし(無塩の鰹だしや水):400ml
- オリーブオイル:小さじ1(仕上げ用、風味づけ)
下ごしらえ
- 玄米は軽く洗い30分〜1時間浸水しておくと炊き上がりが柔らかくなります。短時間でもOKです。
- 鶏レバーは血や筋を取り除き、一口大に切ります。生肉の取り扱いは清潔にしてください。
- にんじんとブロッコリーは小さめに切り、消化しやすくします。
作り方
- 鍋に玄米とだしを入れ、中火で加熱します。沸騰したら弱火に落とし、時々かき混ぜながら煮ます。玄米が半分ほど柔らかくなった段階(約20〜25分)で次を行います。
- 鶏レバーを加え、全体に広がるように混ぜます。レバーは完全に火を通すことが大切です。さらに10〜12分煮てください。
- にんじん、ブロッコリーを加え、野菜が柔らかくなるまで3〜5分ほど煮ます。
- 火を止めて少し冷まし、仕上げにオリーブオイルを回しかけます。犬の食べやすい温度に冷ましてください。
与え方の目安と保存
- 与える量は体重や活動量で変わります。目安として、体重5kgで120〜150g、8kgで200〜250g、10kgで240〜300gを目安に調整してください。
- 鶏レバーはビタミンAが豊富なため、与える頻度は週1〜2回が目安です。
- 作り置きは冷蔵で3日以内、冷凍保存は1ヶ月以内に使い切ってください。
注意点
- 塩や香辛料は使わないでください。犬には不要で負担になることがあります。
- アレルギーや持病がある場合は獣医師に相談してください。
- レバーは加熱を十分に行い、生食は避けてください。
栄養のポイント
- 鶏レバーは鉄分とビタミンAが豊富で、貧血予防や皮膚・視力のサポートに役立ちます。
- 玄米は食物繊維とビタミンB群があり、穏やかなエネルギー供給源です。
- にんじんとブロッコリーでビタミンやミネラル、食物繊維を補えます。
愛犬手作りご飯レシピ!簡単作り置きご飯【犬の管理栄養士監修】
レシピ概要
犬の管理栄養士が監修した、5kg成犬の1食分(約165kcal)を基準にした鮭と玄米のおじやの作り置きレシピです。まとめて作って7食分を保存できます。食材は無塩鮭、えのきたけ、なす、かぼちゃ、パプリカ、玄米、ごま油、水を使います。
材料(7食分)
- 無塩鮭:350g
- 玄米(炊く前):210g(1食30g相当)
- えのきたけ:140g
- なす:1本(約120g)
- かぼちゃ:200g
- パプリカ:1個(約120g)
- ごま油:小さじ1(全量)
- 水:適量(玄米を炊く分と煮る分)
調理手順(作り置き)
- 玄米を洗い、通常通り炊きます(炊飯器推奨)。
- 野菜は食べやすい大きさに切ります。かぼちゃは柔らかくなるまで蒸すか煮ます。なすは皮ごと使えますが小さく切ってください。
- フライパンにごま油を熱し、鮭を軽く焼きます(中まで火を通す)。骨は取り除きます。
- 鍋に水を入れ、焼いた鮭と野菜、えのきを加えて弱火で10〜15分煮ます。味付けは不要です。
- 炊けた玄米を器に入れ、煮た具材と煮汁を混ぜ合わせておじや状にします。
- 1食分ずつ小分けにして冷ます。
保存方法と日持ち
- 冷蔵:3日以内に与えてください。
- 冷凍:チャック付き袋や密閉容器で空気を抜き、最長1か月。解凍は冷蔵庫で自然解凍が安全です。
与え方のポイント
- 1食分は5kg成犬で約165kcalを目安に取り分けてください。
- 与える際は必ず人肌程度まで温め、熱すぎないことを確認してください。
注意事項
- 新しい食材を与えるときは少量から様子を見てください。
- アレルギーや持病がある場合は獣医師に相談してください。
鮭と玄米のおじやの栄養成分と食材の特性
概要
鮭と玄米のおじやは、良質なタンパク質とエネルギー源、ビタミン・ミネラル、食物繊維をバランスよく含みます。特に皮膚・被毛の健康や消化機能、免疫の維持に役立つ栄養が揃っています。
鮭(サーモン)の特性
- 役割:良質な動物性タンパク質源で、筋肉維持に重要です。
- 主な栄養:オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)、ビタミンD、ビタミンB群。
- 犬への効果:抗炎症作用で皮膚や被毛の健康を促進します。骨や関節のサポートにも寄与します。
- 注意点:骨は取り除き、必ず十分に加熱して寄生虫対策をしてください。
玄米の特性
- 役割:エネルギーと穏やかな糖質供給源で、噛みごたえがあり満腹感を与えます。
- 主な栄養:ミネラル(マグネシウム、鉄、亜鉛)やビタミンB群、食物繊維。
- 犬への効果:腸内環境を整え、ビタミンB群で代謝を助けます。
- 調理のポイント:消化しやすくするために十分に水で炊くか、炊飯後によくほぐして与えてください。
えのきたけの特性
- 役割:低カロリーで食物繊維が豊富です。
- 主な栄養:食物繊維、ビタミン類、ミネラル。
- 犬への効果:腸内環境の改善や便通のサポートに期待できます。
- 調理のポイント:よく加熱して細かく刻むと消化しやすくなります。
かぼちゃの特性
- 役割:ビタミンと抗酸化物質を補う補助食材です。
- 主な栄養:ビタミンA(カロテン)、ビタミンC、食物繊維、カリウム。
- 犬への効果:免疫機能を支え、消化を助けます。軟便の改善にも役立つことがあります。
- 調理のポイント:蒸すか柔らかく煮てペースト状にすると与えやすいです。
パプリカ(パプリカ・ピーマン)の特性
- 役割:ビタミンCの補給源として優れています。
- 主な栄養:ビタミンC、ビタミンA、抗酸化物質。
- 犬への効果:鮭のオメガ3と合わせると皮膚・被毛の健康に相乗効果が期待できます。
- 調理のポイント:種と芯を取り、細かく刻んで加熱して与えてください。
相乗効果と全体のバランス
鮭のオメガ3は皮膚や被毛の健康を支える一方で、パプリカのビタミンCやかぼちゃの抗酸化物質が炎症を抑え免疫を助けます。玄米とえのきの食物繊維が消化機能を整え、栄養の吸収を穏やかにします。小分けにして与えることでカロリーと栄養のバランスを管理しやすくなります。
注意点
- 塩分や調味料は絶対に使わないでください。
- 生魚は寄生虫のリスクがあるため必ず加熱してください。
- 食材アレルギーが心配な場合は少量から試し、異変があれば獣医師に相談してください。
鮭と玄米のおじやの調理プロセス
1. 食材の下ごしらえ
・パプリカは種を取り、1cm幅の短冊切りにします。かぼちゃは皮を薄めにむき、一口大(約1cm角)に切っておきます。えのきたけは根元を切り落とし、ほぐしておきます。鮭は骨や皮の状態を確認しておきます。
2. 野菜の炒め(風味付けと水分調整)
フライパンにごま油を少量(小さじ1程度)熱し、パプリカとかぼちゃを中火でさっと炒めます。表面に薄く焼き色がつき、かぼちゃがやや柔らかくなるまでで十分です。炒め終わったらバットなどに広げて粗熱を取ります。粗熱を取ることで鍋での加熱時に水分が急に出にくくなり、仕上がりがべたつきません。
3. 鮭を下茹でする
鍋に水を入れ中火で温め、鮭を入れて火を通します。片面1〜2分、厚みで調整してください。火が通ったら取り出し、骨を取りやすくするために少し冷ましてからほぐします。小骨は指やピンセットで確実に取り除きます。
4. えのきと出汁の準備
同じ鍋に水を足し、えのきを入れて煮ます。表面に出るアクはこまめに取ってください。えのきがしんなりしたら火を弱めます。
5. 仕上げの煮込み
ほぐした鮭を鍋に戻し、炒めて冷ましたパプリカとかぼちゃ、玄米(あらかじめ炊いてあるもの)を加えます。弱火〜中弱火で静かに煮て、全体がとろりとしたおじや状になるまで水分を飛ばします。焦げないようにときどき混ぜてください。
6. 火加減と目安時間
・野菜炒め:3〜5分
・鮭の下茹で:1〜3分(厚みにより調整)
・最終煮込み:10〜15分(玄米の状態による)
7. 安全上の注意点
骨は必ず除去してください。調味料は使わず素材の風味だけで仕上げます。犬に与える前に必ず人肌程度まで冷ましてください。
8. 保存と再加熱のコツ
冷蔵は2日以内、冷凍は1か月を目安にしてください。冷凍する場合は小分けにし、解凍後は全体をしっかり温めてから温度を確かめて与えます。
鮭と玄米のおじやの仕上げと与え方のポイント
仕上げのポイント
調理が終わったら、まず骨や皮をしっかり取り除きます。鮭は小骨が残りやすいので指先で確認しましょう。油っぽさが気になる場合は、ペーパーで軽く押さえると食べやすくなります。
温度管理
完成したおじやは必ず冷ましてから与えます。目安は人肌程度(約35〜40℃)か、それよりやや低めです。熱いままだと食道や胃に負担がかかります。与える前に内側の手首で温度を確かめ、均一になるようによくかき混ぜてください。
与える量と頻度
量は体重や年齢、活動量で変わります。普段のドライフード量を基準に、初めて与えるときは半量程度から始めて様子を見ます。慣れてきたら徐々に量を調整します。成犬なら1日1〜2回に分けて与えるのが一般的です。
保存と再加熱の方法
残ったおじやは調理後1〜2時間以内に冷蔵庫で保存し、2日以内に使い切ることをおすすめします。長期保存する場合は小分けして冷凍します。再加熱は鍋でじっくり、または電子レンジならラップをし、必ずかき混ぜてムラをなくしてから冷まして与えてください。
注意点と観察
食後の便や食欲、元気の様子を必ず観察します。嘔吐や下痢、皮膚のかゆみが出たらすぐに中止して獣医に相談してください。味付けは不要で、塩や調味料は与えないでください。新しい食材を加えるときは少量ずつ試すと安心です。