目次
はじめに
本記事の目的
本記事はヨークシャーテリアの毎日の食事について、分かりやすくまとめたガイドです。適切な1日の食事量の計算方法、年齢別の食事回数、フード選びのポイント、月間の食事代、健康管理の注意点を順を追って説明します。
対象読者
これからヨークシャーテリアを迎える方、既に飼っていて給餌量やフード選びに迷っている方、健康的な体重管理をしたい方に向けています。専門知識がなくても読みやすいよう配慮しています。
この記事の使い方
各章は独立して参照できますが、まずは本章を読んで全体像を把握してください。第2章で給餌量の計算方法を示し、第3章で年齢別の回数の目安を紹介します。第4章では具体的なフードの選び方を、 第5章では月間の費用目安を、第6章では日常の注意点を説明します。
ひとこと注意
個体差や持病、避妊・去勢後の変化で適切な量は変わります。心配な場合はかかりつけの獣医師に相談してください。
1日の食事量の計算方法
基本の考え方
ヨークシャーテリアに与える1日の食事量は、体が必要とするエネルギー量から逆算します。まず「安静時のエネルギー要求量(RER)」を出し、生活スタイルに合わせた係数で「1日のエネルギー要求量(DER)」を求めます。最後にフードのカロリー密度で給餌量を計算します。
計算式
- RER(kcal/日) = 30 × 体重(kg) + 70
- DER(kcal/日) = RER × 活動係数
- 給餌量(g/日) = DER ÷(フードのkcal/g)
※フード表示が「100gあたり○○kcal」の場合は、kcal/g = 表示値 ÷ 100 で求めます。
活動係数の目安
- 子犬(成長期)は高め:2.0〜3.0(年齢で変動)
- 成犬(避妊・去勢済み):1.6(よく使われる目安)
- 成犬(未避妊・未去勢、活発):1.8〜2.0
- 太りやすい犬や安静がち:1.2〜1.4
具体例(問題のケース)
体重2kg、避妊・去勢済み成犬、フードは100gあたり350kcalの場合
1. RER = 30×2 + 70 = 130 kcal
2. DER = 130 × 1.6 = 208 kcal
3. フードのkcal/g = 350 ÷ 100 = 3.5 kcal/g
4. 給餌量 = 208 ÷ 3.5 ≒ 59.4 g → 約59 g/日
実際の運用ポイント
- まずは計算どおりに与え、1〜2週間ごとに体重と体型(あばらの触りやすさなど)を確認します。
- おやつやトリーツのカロリーも合算して調整してください。
- ウェットフードは水分が多くカロリー密度が低いため、表示をよく確認して換算します。
- 妊娠・授乳期や病気のときは獣医師の指示に従ってください。
この計算方法を使えば、ヨークシャーテリアの適正な給餌量を目安として管理できます。体型の変化に応じて柔軟に調整しましょう。
年齢別の食事回数
概要
ヨークシャーテリアの食事回数は成長段階で変わります。年齢ごとの目安を守り、急に変えず少しずつ調整してください。
子犬期
- 生後2〜3ヶ月:1日4回が基本です。消化力が弱く、頻回に少量ずつ与えます。
- 生後4〜5ヶ月:1日3回に減らします。活動量が増えるため、栄養バランスを保ちながら量を調整します。
- 生後6〜7ヶ月:1日2〜3回。個体差が出る時期なので、体重と便の状態を見て決めます。
- 生後8〜9ヶ月以降:1日2回が目安。成犬へ移行する準備段階です。
成犬期(約8ヶ月〜6歳)
1日2〜3回が一般的です。活動的であれば3回、落ち着いている場合は2回で問題ありません。食事は朝晩の2回にまとめる家庭が多いです。
老犬期(7歳〜)
基本は1日2〜3回ですが、成犬期より2〜3割ほど食事量を減らすのが適切です。消化機能や運動量が落ちるため、少量を回数多めにして負担を減らす方法も有効です。
回数を変える際の実務的なコツ
- 変更は1〜2週間かけて徐々に行います。
- 便の状態、体重、毛艶で調整します。
- 歯や口内の問題がある場合は少量頻回にすると食べやすくなります。
観察ポイント
体重の増減、元気の有無、便の硬さや回数を日常的に確認してください。異変があれば獣医師に相談します。
ドッグフード選びのポイント
目標とする栄養
ヨークシャーテリアは活発で筋肉量の維持が大切です。タンパク質は24%以上、脂質は14%以上を目安に選びます。良質なたんぱく源(鶏肉、サーモン、馬肉など)が全体の50%以上を占める表示が望ましいです。オメガ‑3(脂)を含むと被毛や皮膚に良い影響があります。
原材料の見方
成分表は上位に書かれたものが多く使われています。「鶏肉(○%)」「サーモンミール」といった具体表記を確認してください。野菜や果物がバランスよく入っているとビタミンや食物繊維が補えます。
フードの種類と用途
・ドライ(カリカリ): 歯の健康にも役立ちます。小型犬用の小粒を選んでください。
・ウェット: 食いつきが良く水分補給にも有効です。混ぜて使うと良いです。
グレインフリーや体重管理用は選択肢になりますが、体質や獣医の意見を優先してください。
実践的な選び方のコツ
- ラベルでたんぱく質・脂質・原材料比率を確認する。2. 新しいフードは1〜2週間かけて少しずつ切り替える。3. アレルギーや下痢が続く場合は獣医に相談する。4. 保存は湿気と直射日光を避けて密閉する。
注意点
高カロリー製品は太りやすいので与える量を守ってください。体調や年齢に応じて、シニア用やパピー用に切り替えてください。
月間の食事代
基本的な目安
ヨークシャーテリア(体重2〜3kg)の1ヶ月の食事代は、国産のプレミアムドッグフードで約12,000円、量販店で買える一般的なフードだと約2,600円が目安です。食べる量によって1ヶ月に必要なフードはおおむね1〜2袋になります。
具体例で見ると
- プレミアムフードの例:1袋が6,000円のフードを月に2袋使うと12,000円になります。品質が良く、栄養バランスが整っているため健康管理に役立ちます。
- 量販店のフードの例:1袋が2,600円のフードを月に1袋使うと約2,600円です。コストは抑えられますが、成分を確認して犬に合うか判断してください。
追加でかかる費用
おやつやサプリは別途必要になります。おやつは月500〜2,000円程度が一般的です。季節や健康状態でフードが変われば、月の費用も変動します。
購入・管理のポイント
- まとめ買いや定期購入で1袋あたりの単価を下げられることがあります。
- 開封後は湿気やにおいを防ぐ容器で保存し、品質を保ってください。
- パッケージの給餌量表を参考に、体重や活動量に合わせて調整すると無駄が減ります。
費用はあくまで目安です。愛犬の健康を優先しつつ、無理のない範囲で予算を立ててください。
その他の注意点
運動量で変わる食事量
日々の運動量で必要カロリーは変わります。散歩が短く室内中心なら給餌量を控えめにし、長時間の散歩やアジリティなど運動が多い日は少し増やします。目安は1回に対して全体の10%以内の増減で、様子を見ながら調整してください。
遺伝と体質(太りやすさ)
犬種や個体差で太りやすさが異なります。たとえば体型ががっしりした犬や食欲旺盛な犬は太りやすい傾向があります。家族歴で肥満になった犬がいる場合は早めに管理を始めると安心です。
腸内環境とフードの切替え
便の状態は体調のバロメーターです。軟便や下痢が続くときは食事を見直します。フードを切り替えるときは1〜2週間かけて少しずつ混ぜ、急な変更を避けてください。
定期的な体重と体調チェック
子犬は週1回、成犬は月1回、高齢犬や体調が不安定な犬は2週間に1回を目安に体重を測ります。触って肋骨が軽く触れるか、毛艶や便の状態も確認してください。
食事量の調整方法
体重が増えすぎたら給餌量をまず5〜10%減らします。逆に痩せているなら同じ割合で増やします。変化があれば1〜2週間で再評価し、無理に急変させないでください。
獣医師に相談するタイミング
食欲が急に落ちる、体重が短期間で5%以上変動する、下痢や嘔吐が続く場合は獣医師に相談してください。特に持病がある犬は自己判断での変更を避けます。