はじめに
この資料の目的
本資料はトイプードルに与えるおやつについて、安全で栄養バランスの良い選び方や手作りのレシピを分かりやすくまとめたガイドです。市販品の選び方や、家で簡単に作れるおやつ、シニア犬向けの注意点まで幅広く扱います。飼い主さんが日常で実践しやすい情報を目指します。
想定する読者
トイプードルを飼っている方、これから飼う予定の方、手作りおやつに興味がある方を想定しています。料理が苦手な方でも取り組めるよう、工程を簡潔に示します。
本書の構成と使い方
第2章：手作りおやつの基本と簡単レシピ
第3章：かぼちゃを使った栄養バランスの取れたレシピ
第4章：ワッフルとケーキで楽しむバリエーション
第5章：プリンとゼラチンを使ったデザート系おやつ
第6章：オートミールを使った時短レシピ
必要に応じて各章のレシピを組み合わせてください。分量は犬の体重や年齢に合わせて調整することをおすすめします。
安全に関する大切な注意
食材のアレルギーや個体差は必ず確認してください。新しい食材は少量から試し、体調の変化があれば与えるのを止めて獣医師に相談してください。また、塩分・砂糖・香辛料は極力避け、与える量を管理することが健康維持の基本です。
手作りおやつの基本と簡単レシピ
なぜ手作りおやつがよいか
手作りおやつは食材を自分で選べる点が最大のメリットです。保存料や添加物を避けられ、アレルギー対策にも役立ちます。小さな犬種には塩分や糖分を控えめにできます。
与えるときの注意点
・人間用の味付けは避ける。特に塩、砂糖、ネギ類、チョコレートは犬に有害です。
・量は体重に合わせて少量ずつ。目安はおやつ全体で1日のカロリーの10%以下です。
・新しい食材は少量ずつ試し、下痢や嘔吐がないか確認してください。
基本の作り方のコツ
・材料は加熱してから与えると消化に優しいです。
・食感はトレーニング用なら柔らかめ、長持ちさせたいときは少し固めに仕上げます。
・油分や甘味は控えめにし、代わりにかぼちゃやジャガイモ、鶏むね肉などを使います。
簡単レシピ：ソフトじゃがいもクッキー（手でちぎれる）
材料（小型犬向け／約30個分）
- じゃがいも 中1個（茹でてマッシュ）
- スライスチーズ 1枚（細かく刻む）
- 薄力粉 大さじ3
作り方
1. じゃがいもを茹でて熱いうちに潰す。チーズを混ぜ、粉を加えてまとめる。
2. 天板に薄く広げ、180℃で約15分焼く。焼き上がりは柔らかめにする。
保存
冷蔵で3〜4日、冷凍なら1ヶ月を目安に保存してください。
与え方と活用法
トレーニング時は小さくちぎって使うと便利です。ご褒美に与えるタイミングを一定にすると学習効果が上がります。
かぼちゃを使った栄養バランスの取れたレシピ
材料（直径15cm程度の蒸しパン1個分）
- かぼちゃ（正味）100g
- 薄力粉 100g
- ベーキングパウダー 小さじ1
- 卵 1個
作り方
- かぼちゃは皮を取り一口大に切り、耐熱容器に入れてラップをかけ、電子レンジ（600W）で約3〜4分加熱します。柔らかくなったらフォークで潰します。
- ボウルに薄力粉とベーキングパウダーを入れて混ぜ、中央をくぼませて卵を割り入れます。潰したかぼちゃを加えてゴムベラでさっくり混ぜます。粉っぽさがなくなるまで混ぜれば生地の完成です。
- 型に流し入れ、蒸し器で中火で約15〜20分蒸します。竹串を刺して生地がついてこなければ火を止めて取り出します。
※ 電子レンジで蒸しパンを作る時は耐熱カップに入れ、ラップなしで2〜3分加熱して様子を見ても作れます。
栄養ポイント
- 完成カロリーは約608kcal（全量）。かぼちゃは食物繊維とβカロテンが豊富で、消化を助けます。卵は良質なたんぱく源、薄力粉でエネルギー補給ができます。バランスが良く、犬用おやつとして適しています。
- 与える量は犬の体格によって変わります。小型犬なら1回にティースプーン1〜2杯程度、中型犬は小さく切った1切れを目安にしてください。与えすぎに注意し、普段の食事量を調整してください。
アレンジ例と注意点
- かぼちゃの代わりにさつまいもやにんじん（加熱して潰す）で同様に作れます。風味が変わり、好みに応じて使い分けてください。
- 砂糖や塩、バターは使っていません。犬には不要な味付けを避けましょう。市販の人用おやつと同じ食材を使う場合は、糖分や添加物に注意してください。
- 食物アレルギーや持病がある場合は、獣医師に相談してから与えてください。
ワッフルとケーキで楽しむバリエーション
かぼちゃワッフル（基本）
材料（1〜2枚分）
- かぼちゃ 50g（蒸してつぶす）
- 卵 1個
- 米粉 40g
- ココナッツオイル 小さじ1
- ハチミツ 小さじ1/2
作り方
1. ボウルでかぼちゃと卵、ハチミツをよく混ぜます。
2. 米粉を加えて粉気がなくなるまで混ぜ、最後にココナッツオイルを加えます。
3. ワッフルメーカーがあれば温めて流し入れ、約3〜5分焼きます。フライパンなら弱火〜中火で片面2〜3分ずつ、焦げないように焼きます。
ポイント
- 生地がゆるければ米粉を少し足してください。冷凍保存は可、食べる前に軽くトーストすると香ばしくなります。
- 小さく切っておやつサイズにすると与えやすいです。冷めてから与えてください。
ヘルシーケーキ（4号サイズ：約12cm）
材料
- 鶏ムネ肉 200g（皮なし）
- かぼちゃ 150g（蒸してつぶす）
- 豆腐 100g（塩抜きして下処理、後述）
- ビーツパウダー 少々（色づけ）
豆腐の下処理
1. 豆腐は鍋に入れてかぶる程度の水で軽くゆで、まわりの塩分や水分を抜きます。
2. ザルに上げて水気を切り、粗熱を取ってからミキサーに入れます。
作り方
1. 鶏ムネ肉は茹でて細かく裂くか、ミキサーで粗めに刻みます。
2. かぼちゃ、豆腐、鶏肉を混ぜ合わせ、ビーツパウダーで色を調整します。
3. 型に詰めて170℃のオーブンで約25〜30分、中心まで火が通るまで焼きます。焼き上がったらよく冷まして切り分けます。
バリエーション
- かぼちゃをさつまいもやにんじんに替えても喜ばれます。
- ビーツの代わりにほうれん草パウダーで緑色にするなど見た目を変えて飽き防止に。
注意点
- 与える量は犬の体重や年齢に合わせて調整してください。食材にアレルギーがある場合は避けてください。
プリンとゼラチンを使ったデザート系おやつ
概要
犬と猫が食べられるやさしいプリンのレシピです。梨などのフルーツ20g、犬用牛乳100g、粉ゼラチン4g、ビーツパウダー少々を使います。出来上がりは約180kcalで低カロリーの部類に入ります。夏場の水分補給や、食欲が落ちたときのおやつに向いています。
材料（小分け1〜2回分）
- 梨（すりおろし）20g
- 犬用牛乳100g（与えてよいミルクを使用）
- 粉ゼラチン4g
- ビーツパウダー少々（色づけ、風味付け）
作り方
- 牛乳を鍋に入れて弱火で温め、沸騰直前で火を止めます。沸騰させすぎないように注意してください。
- すりおろしたフルーツと粉ゼラチンを混ぜます。ゼラチンは少量の牛乳でふやかしてから加えるとダマになりません。
- 牛乳にフルーツとゼラチンをよく混ぜ合わせ、ビーツパウダーを少量加えて色を整えます。
- 容器に移して冷蔵庫でしっかり冷やし固めます（約2〜3時間）。
ポイントと注意点
- ゼラチンは指定量を守ると適度な固さになります。固さを調整したければゼラチン量を少し変えてください。
- 与える前に温度を確認し、冷たすぎないようにします。小さく切って様子を見ながら与えてください。
- 人用の牛乳、果物、甘味料の中にはペットに有害なものがあります（例：チョコレートやキシリトール）。必ず犬猫に安全な食材を使ってください。アレルギーが心配な場合は獣医師に相談してください。
保存と与え方
- 冷蔵で2〜3日を目安に保存してください。長期保存は避けます。
- 暑い季節は水分補給代わりに少量ずつ与えると良いです。食欲が落ちた時は風味がやさしいプリンで食欲を刺激できます。
アレンジ例
- フルーツをリンゴやすいかに替えたり、かぼちゃピューレを混ぜて栄養価を上げることもできます。ビーツは色づけのため少量にとどめます。
オートミールを使った時短レシピ
概要
忙しい飼い主さんでも手早く作れる、電子レンジで合計5分のオートミールクッキーのレシピです。型抜き不要で作業が少なく、フリーズドライ食材で風味を変えられます。
材料（1回分・約4〜6個）
- オートミール 30g
- 小麦粉 15g
- 白ねりごま 大さじ1
- 水 大さじ2
- フリーズドライ（小さじ1ずつ）2種類（例：さつまいも、チキン、りんご、バナナなど）
作り方
- ボウルにオートミール、小麦粉、白ねりごまを入れて混ぜます。水を加えてまとめるように混ぜます。最後にフリーズドライを加えてざっくり混ぜます。
- 耐熱皿にクッキングシートを敷き、スプーンで生地を落として軽く平らにします（型不要）。
- 電子レンジ（500W目安）で片面約2分30秒、裏返してさらに約2分30秒、合計で約5分加熱します。柔らかければ追加で10〜20秒ずつ様子を見てください。
- 十分に冷ましてから与えます。熱いと危ないので必ず冷まします。
味のバリエーションとローテーション
- 甘め：フリーズドライのりんごやバナナを入れると香りがよくなります。
- おかず系：フリーズドライの鶏ささみやさつまいもで旨味を出します。
異なる素材を週ごとに変えると飽きにくくなります。
保存と注意点
- 冷蔵で2〜3日、冷凍なら1ヶ月程度保存できます。与える前に解凍してから少量ずつ。
- ごまはアレルギーが出る場合があるので初めて使うときは少量ずつ様子を見てください。塩・砂糖は加えないでください。
忙しい日に役立つ簡単レシピです。食材を工夫して、安全に楽しんでください。