はじめに
調査の目的
本調査は、愛犬に与えるドッグフードの適切な給餌量を決めるためのカロリー計算方法をわかりやすくまとめたものです。犬の体重や活動レベルに基づくエネルギー必要量の算出手順を示し、日々の給餌に役立つ実践的な情報を提供します。
誰に役立つか
- 初めて犬を飼う方
- 体重管理に悩む飼い主さん
- ペットフードの量を見直したい方
簡単な計算例や目安を用いるので、専門知識がなくても使えます。
本記事の構成と使い方
第2章で具体的な計算の3ステップを紹介します。第3章では活動係数の意味と選び方を解説します。第4章は体重管理のポイント、第5章で便利なツールを案内します。実際に計算する際は、第2章を順にたどってください。
注意点(必ずお読みください)
個体差や健康状態で必要量は変わります。薬を飲んでいる、病気がある、妊娠・授乳中の犬は獣医師に相談してください。数字は目安とし、体重や体調を見ながら調整してください。
犬の餌の量を計算する方法【3ステップ】
ステップ1:RER(安静時エネルギー要求量)を求める
まず基礎となるRERを計算します。簡易式は「体重(kg)×30+70」、正確な式は「体重(kg)の0.75乗×70」です。例:体重10kgの犬
- 簡易式:10×30+70=370 kcal
- 正確式:10^0.75×70 ≒ 394 kcal
目的に合わせてどちらかを使います。
ステップ2:DER(1日のエネルギー要求量)を求める
RERに活動係数をかけてDERを出します。活動係数は生活や年齢で変わります。代表例:
- 避妊・去勢済み成犬:1.6
- 肥満傾向の成犬:1.4
- 成犬(標準):1.8〜2.0(個体差あり)
- 子犬(成長期):約3
例(10kg、正確式RER=394 kcal、係数1.6):394×1.6=630 kcal
ステップ3:餌のグラム量を計算する
餌のパッケージにある「100gあたりのカロリー」で割って100をかけます。式:1日の給餌量(g)=DER ÷(餌のkcal/100g)×100
例:餌が350 kcal/100g、DERが630 kcalの場合
630 ÷ 350 × 100 ≒ 180 g
注意点と実践のコツ
- まずは目安通り与え、体重と体型を数週間ごとに確認します。
- おやつやトッピングのカロリーも計算に入れます。
- 測りはデジタルスケールを使うと正確です。
不安があれば獣医師と相談してください。
活動係数の重要性
活動係数とは
活動係数は、犬が日常で消費するエネルギーの目安を示す数値です。基礎となるエネルギー(体の基本的な維持に必要な分)に掛け合わせることで、個々の生活に合った一日のカロリーを求めます。具体的には、成長段階や運動量、繁殖状態で大きく変わります。
活動係数の目安と具体例
- 成犬で運動が少ない場合:低めの係数
- 普通に散歩する成犬:中程度の係数
- よく運動する犬や作業犬、子犬・授乳期の雌:高めの係数
例)体重10kgの犬の基礎エネルギーが約400kcalだとすると、係数1.2で約480kcal、係数1.6で約640kcalと、同じ体重でも必要量に大きな差が出ます。
活動係数の選び方
- 成長段階を確認する:子犬は成長で多く必要になり、授乳期はさらに増えます。
- 運動量を見極める:日々の散歩時間や遊びの強度を具体的に考えます。
- 健康状態を考慮する:病気や肥満傾向があれば係数を下げる場合があります。
計算に反映するときの注意
活動係数はあくまで目安です。日常の状態で体重が増えすぎる・減りすぎると感じたら、係数を調整します。食事を急に変えると影響が出るため、少しずつ見直してください。
日々の観察ポイント
- 体重の変化を定期的に測る
- 被毛や目つき、元気さをチェックする
- 食欲の変化を記録する
これらをもとに活動係数を見直し、愛犬に合った適切な給餌量を保ちましょう。
体重管理のポイント
まずは定期的に測る理由
体重は健康状態や給餌量の目安になります。週に1回、同じ条件で測ると変化を早く見つけられます。急な増減は病気のサインにもなります。
家庭での測り方(簡単にできる方法)
- 毎朝、排泄後で測るとばらつきが少なくなります。
- 同じ体重計を使い、毛の濡れや服で差が出ないようにします。
- 体重計がない場合は「抱っこ法」:飼い主の体重と抱っこした体重の差で犬の体重を出せます(例:飼い主60kg、抱っこ時64kg→犬4kg)。
給餌量の調整方法(実践例)
目安から外れていると感じたら、1回あたりの量を10%ずつ減らすか増やすのが安全です。変更後は2週間ほど様子を見て、体重と便、元気さを確認します。例えば推奨量が200gで太り気味なら→180gにして様子を見る、という具合です。
おやつと1日の総カロリー管理
おやつもカロリーに含めます。目安としておやつは1日の摂取カロリーの10%以内にすると管理しやすいです。たとえば1日の必要カロリーが400kcalでおやつが50kcalなら、食事の量を調整して合計が400kcalになるようにします。
体型チェックと運動
触って肋骨がうっすら触れるか、上から見てくびれがあるかを定期確認します。適度な散歩や遊びで筋肉量を保つと痩せすぎや太りすぎを防げます。
獣医師に相談するタイミング
短期間で5%以上の増減、食欲不振、元気がないなどがあれば受診してください。診察で適切な給餌量や健康管理のアドバイスをもらえます。
便利なツール
無料オンライン計算機
ペトコトフーズの「食事量計算機」など、体重・年齢・ごはんの種類を入力するだけで1日の目安が出るサイトが便利です。メーカー公式や獣医系サイトの計算機は信頼性が高い傾向にあります。
スマホアプリ
体重管理や給餌記録ができるアプリを使うと継続が楽になります。写真や体重の履歴を残せるので、変化に気づきやすくなります。
スプレッドシート/はかり
自分で計算したい場合はスプレッドシートに体重と必要カロリーを入れて自動計算させます。キッチンスケールで計量すれば実際の給餌量が正確になります。
使い方の例(簡単3ステップ)
1) 体重と食事の種類(ドライ・ウェットなど)を入力
2) 活動レベルを選択
3) 表示された1日の量を朝昼夜に分けて与える
注意点
ツールはあくまで目安です。愛犬の体調や好みに合わせて調整してください。急な体重変化や持病がある場合は必ず獣医師に相談してください。