犬用フード・おやつ

犬のためのジャーキー作り方|オーブンで簡単手作りガイド

はじめに

概要

この文書は、犬用ジャーキーを自宅のオーブンで無添加・手作りする方法をわかりやすく解説します。使う肉の種類や下処理、オーブンの温度や焼き時間、保存方法、与える量の目安、注意点まで具体的にまとめています。

対象読者

  • 健康志向の飼い主さん
  • 添加物を避けたい方
  • 家で簡単なおやつを作りたい方

この記事で学べること

  • 安全に使える食材とおすすめの部位
  • 下処理の基本(脂や筋の取り方など)
  • オーブンでの作り方と温度・時間の目安
  • 保存のコツと与える量の目安
  • 与える際の注意点とよくある失敗の防ぎ方

読み方のポイント

章ごとに手順と理由を示します。まず第2章で“なぜ手作りか”を確認すると、その後の工程が理解しやすくなります。

安全について

生肉を扱う際は衛生に注意してください。手作りは材料が明確で安心感がありますが、犬の体調やアレルギーを考慮して進めてください。

犬用ジャーキーを手作りする意味

ジャーキーとは

ジャーキーは肉を薄く切って乾燥させた保存食です。犬用にする場合は味付けを一切せず、塩や香辛料、保存料を加えないのが基本です。乾燥によって水分を抜くため長持ちしますが、与える際は柔らかさや厚さに注意します。

手作りする主な理由

  • 添加物を避けられる:市販品に含まれがちな保存料や調味料を入れないで済みます。アレルギーや体質に敏感な子にも安心です。
  • 原材料を選べる:新鮮な肉や部位を自分で選べます。脂肪を取り除けば消化しやすくなります。
  • コストと量の調整:少量だけ作って無駄を減らせます。トリーツの大きさも自由です。
  • 飼い主と犬の関係づくり:手作りおやつは信頼や喜びを生みます。トレーニング用に小さく切ると便利です。

市販品との違い

市販のジャーキーは風味付けや保存性を高めるために成分が加わることがあります。原材料の表示を確認しても、実際の加工方法や添加物の量は分かりにくい場合があります。手作りなら成分が明確で、安全性を高められます。

安全面で押さえるポイント(簡潔に)

  • 新鮮で安全な肉を選ぶ
  • 脂肪をできるだけ取り除く
  • 薄く均一に切る
  • 十分に乾燥させる(保存性向上)
  • 保存は冷蔵または冷凍で管理

詳しい材料や作り方は第3章以降で順を追って説明します。

使える食材とおすすめ部位

犬用ジャーキーに向く肉の基本は、脂質とカロリーが低く消化しやすい部位です。スーパーで手に入りやすいものを中心に選ぶと、準備が簡単になります。

おすすめ食材と部位

  • 鶏ささみ(ササミ)
  • 低カロリー・低脂質でたんぱく質が豊富です。筋が少なく下処理が簡単なので、初めて作る方に最適です。薄くそぎ切りにして乾燥させるだけで柔らかいジャーキーになります。

  • 鶏むね肉(ムネ肉)

  • 量が取りやすくコストパフォーマンスが良いです。皮を取り除けばさらに脂質を抑えられます。厚さを均一に切るとムラなく乾きます。

  • 豚ハツ(心臓)

  • 鉄分やビタミンAが豊富で脂質は少なめです。独特の風味がありますが、犬には好まれることが多いです。血抜きと水気をよく拭いてから使ってください。

その他使える食材

  • 牛もも肉:脂が少なく噛みごたえがあります。
  • サーモンや白身魚:オメガ3が摂れますが、骨や寄生虫対策でしっかり加熱してください。
  • レバー類:栄養価は高いですが、ビタミンAや銅が多いため与える頻度は少なめにします。

選び方と下処理のポイント

  • なるべく脂肪が少ない部位を選びます。脂は酸化して風味が落ちやすく、保存も難しくなります。
  • 皮や太い筋、余分な脂は取り除きます。薄く均一にスライスすると短時間で乾燥します。
  • 塩や香辛料は使わないでください。犬に不要で害になることがあります。
  • 生肉を扱った後は手や調理器具をよく洗って衛生に気をつけます。

注意点

  • レバーや内臓は栄養価が高い反面、与えすぎると過剰になる栄養素があります。週に一度程度を目安にするなど配慮してください。
  • 加熱が必要な食材(鶏・豚など)は中心までしっかり火を通してから乾燥に移してください。
  • 加工肉や味付けされた商品は塩分や添加物が多いので避けます。

オーブンで作る基本的な手順

下準備

皮や余分な脂を取り除きます。肉は5mm程度の薄さにスライスしてください。豚ハツは半冷凍にすると薄く切りやすく、鶏むね肉は繊維に対して斜めに削ぎ切りにするとやわらかい食感になります。切ったらキッチンペーパーで水分をよく拭き取ります。味付けは基本的に不要です。犬に有害な玉ねぎ、にんにく、塩分の多い調味料は使わないでください。

オーブンの準備

オーブンを予熱します。低温でじっくり焼く場合は120℃、短時間で仕上げる場合は180℃が目安です。天板にクッキングシートを敷き、肉が重ならないように並べます。空気が通るように間隔をあけると均一に乾きます。

焼成のポイント

  • 120℃の場合:表側を1時間焼き、裏返してさらに30分焼きます。薄めに切るとこの温度でちょうどよく乾きます。厚い場合は時間を追加してください。
  • 180℃の場合:焦げやすいので様子を見ながら約50分を目安に焼きます。中間で一度裏返すとムラなく仕上がります。
    焼きあがりは革のように乾いているが、完全にパリパリになりすぎない状態が良いです。小型犬にはさらに細く切ると食べやすくなります。

冷ます・保存方法

焼き上がったら天板のまま粗熱をとり、網の上で完全に冷ましてください。冷ますことで内部の余熱で均一に乾きます。冷蔵庫で保存する場合は密閉容器に入れ、1〜2週間を目安に消費してください。冷凍保存も可能ですが風味が落ちやすいので1週間程度で使い切ることをおすすめします。

注意点

焼き時間や厚さで硬さが変わります。硬すぎると歯に負担がかかるため、特に老犬や歯の弱い犬には薄めにしてやわらかめに仕上げてください。調理中は換気して煙や匂いがこもらないようにしましょう。

与える量と注意点

愛犬に与える量と注意点はとても大切です。まずは目安量からご説明します。

目安量

  • 一般的な目安として、1日に与えるおやつの総量は体重の約10%以内に抑えます。例えば体重5kgの犬ならおやつは合計で約50gが目安です。ジャーキーはカロリーが高めなので、全てをジャーキーでまかなわないようにしましょう。

なぜ注意が必要か

  • ジャーキーは濃縮されたタンパク質と脂肪を含み、カロリーが高いです。与えすぎると肥満につながります。
  • 肉類にはリンが多いものがあります。リンが過剰だとカルシウムの吸収を妨げ、長期的には骨や歯に影響することがあります。特に腎臓病の犬はリン管理が重要です。

与え方のコツ

  • 小さくちぎってから与えてください。飲み込みやすくなり、一気食いを防げます。
  • トレーニング用ならさらに小さめにして回数を増やすと、カロリーを抑えながら報酬として使えます。
  • いつもの食事量からカロリー分を差し引いて調整しましょう。体重や体型を週に一度観察し、増えていれば量を減らします。

注意が必要な犬・症状

  • 子犬、老犬、肥満傾向の犬、腎臓病や膵炎の既往がある犬は特に注意が必要です。アレルギーの心配がある場合は少量から試してください。
  • 小型犬は噛み切れずに喉に詰まらせる危険があるため、必ず細かく切り、与えるときは目を離さないでください。

保存と消費

  • 冷蔵で1〜2週間、冷凍で約1か月が目安です。できるだけ早めに使い切ることをおすすめします。
  • ぬめり、変なにおい、カビが見られたら与えないでください。密閉容器で保存し、清潔な手で扱ってください。

よくある質問・アレンジ例

よくある質問

Q1: レバーや魚で作っても大丈夫ですか?
A: はい。ただしレバーは与えすぎるとビタミンA過剰になることがあるため、週1〜2回程度にとどめます。魚は骨をしっかり取り除いてください。小骨が残ると危険です。

Q2: アレルギーが心配です。どうすればいいですか?
A: 新しい食材は少量から与えて様子を見ます。皮膚や便に変化が出たらすぐに中止し、獣医に相談してください。

電子レンジ簡易レシピ

薄切りにした肉を並べ、600Wで1分30秒加熱し、一旦取り出して冷まします。冷めるとパリッとします。厚さや水分で時間は前後するので、焦げないよう短めに試してください。

その他のアレンジ例

  • 野菜:かぼちゃやさつまいもを薄切りにして加熱すると甘みが出ます。量は副材程度に。
  • 味付け:塩・砂糖・玉ねぎ・ニンニクは使わないでください。ハーブは少量なら問題ない場合もありますが、獣医に確認してください。

保存と与え方

冷蔵で3〜5日、冷凍で1か月が目安です。初めて与える量はおやつとして体重の1〜2%程度を目安に少量から始めてください。

トラブル対処

やわらかすぎる場合は再度乾燥時間を延ばします。硬すぎる場合は厚さを薄くして作り直してください。

まとめ:手作りジャーキーのポイント

・無添加・無塩を最優先にする
犬の健康を守るため、塩や調味料は使わず、素材そのままで作ります。少量のオリーブオイルも避けるのが無難です。

・薄切り&低温でじっくり乾燥
薄く均一に切ることで短時間かつ確実に水分を飛ばせます。低温(60〜80℃前後)で時間をかけると風味を保ちながら保存性が上がります。

・犬の年齢・体調に合わせて調整
高齢犬や歯が弱い子は薄く柔らかめに、若く活動的な犬は少し厚めで歯ごたえを残すなど調整してください。アレルギーがある場合は避ける肉種を選びます。

・作りすぎない・消費の目安
冷蔵で1週間程度を目安に食べきれる量にし、長期保存は冷凍に。保存前に完全に乾燥させ、匂いや色の変化がないか確認します。

・安全確認とカスタマイズ
与える前に温度や固さを確認し、初めての食材は少量で試します。ハーブや野菜は犬に安全なものに限定し、愛犬の好みに合わせて徐々に調整してください。

-犬用フード・おやつ
-, , ,