目次
はじめに
「犬に手作りご飯を作ってあげたいけれど、どんな食材をどのくらい使えばいいの?」
「毎日手作りにすると、栄養が偏ってしまわない?」と気になっていませんか。
愛犬の食欲が落ちたときや、いつものドッグフードに手作りの食事を取り入れたいとき、肉や野菜を組み合わせるだけで必要な栄養を満たせるのか迷うこともありますよね。
この記事では、犬の手作りご飯で気をつけたい栄養バランスや食材の選び方、避けたい食材、調理や保存の注意点について紹介します。
犬の手作りご飯で最も気をつけたいのは栄養バランス

犬の手作りご飯では、肉や野菜を組み合わせるだけでは、必要な栄養素を十分に補えないことがあります。
ここでは、手作りご飯の栄養バランスで確認したいポイントを説明します。
肉と野菜だけでは必要な栄養を満たせないことがある
肉と野菜を組み合わせるだけでは、犬に必要なカルシウムや脂肪酸、ビタミンなどが不足し、栄養バランスが偏ることがあります。
特に肉中心の食事は、リンに対してカルシウムが不足しやすいため注意が必要です。
毎日の主食にする場合は、必要な栄養素の量やバランスまで考えて食材を組み合わせましょう。
毎日完全手作りにする場合は長期的な栄養設計が必要
完全手作りのご飯を毎日与える場合は、1食だけでなく、長期的に必要な栄養を満たせるように考えることが大切です。
たんぱく質や脂質だけでなく、ミネラルやビタミンも犬の体重や年齢、必要なエネルギー量に合わせて調整します。
特定の栄養素が不足したり、反対に多くなりすぎたりしないようにしましょう。
総合栄養食へのトッピングは与えすぎに注意する
総合栄養食に肉や野菜をトッピングすると、その分だけ1日に摂るカロリーも増えます。
トッピングを加えたまま普段と同じ量のフードを与えると、必要なエネルギー量を超えてしまうことがあります。
トッピングも食事の一部として考え、1日の摂取量全体を見ながら調整しましょう。
犬の手作りご飯は食材をどう組み合わせる?
犬の手作りご飯では、肉や魚を中心にするだけでなく、必要な栄養素を満たせるように食材全体を組み合わせることが大切です。
ここでは、犬の手作りご飯で食材を組み合わせるときの考え方を説明します。
肉や魚だけに偏らず必要な栄養を満たす
肉や魚だけでは、たんぱく質を摂れても、カルシウムなどのミネラルや一部のビタミンが不足することがあります。
毎日の食事では、犬の体重や年齢、必要なエネルギー量に合わせて、必要な栄養素を過不足なく摂れるように食材を組み合わせましょう。
肉や魚の量だけでなく、食事全体の栄養バランスを見ることが大切です。
肉・野菜・ご飯を組み合わせるだけで栄養バランスが整うとは限らない
肉・野菜・ご飯をそろえても、それぞれの量によって摂れる栄養素は変わります。
食材の種類だけで判断すると、ミネラルやビタミンが不足したり、特定の栄養素に偏ったりすることがあります。
3種類をそろえることだけを意識せず、それぞれの食材から摂れる栄養素や量も確認しましょう。
毎日与える場合は自己流の栄養比率で固定しない
毎日手作りご飯を与える場合は、「肉○%・野菜○%・ご飯○%」といった比率だけで食事内容を決めないことが大切です。
同じ比率でも、使う食材によってエネルギー量や含まれる栄養素は変わります。
食材の割合だけで考えず、犬の体重や年齢に応じた必要エネルギー量と栄養素を基準に調整しましょう。
犬の手作りご飯で不足・過剰になりやすい栄養素
犬の手作りご飯では、食材の種類や量によって、必要な栄養素が不足したり過剰になったりすることがあります。
ここでは、犬の手作りご飯で不足・過剰になりやすい栄養素について説明します。
たんぱく質・脂質・エネルギーを過不足なく確保する
手作りご飯では、たんぱく質や脂質を含む食材の量によって、1日に摂るエネルギー量も変わります。
必要量より少ない状態が続けば体重が減り、多すぎれば体重増加につながることがあります。
犬の体重や年齢、活動量に合わせて必要なエネルギー量を確認し、たんぱく質や脂質も過不足なく摂れるように調整しましょう。
カルシウムとリンのバランスに注意する
手作りご飯では、カルシウムの量だけでなく、リンとのバランスにも注意が必要です。
成犬の維持期では、AAFCOの栄養基準でカルシウムとリンの比率は1:1〜2:1が目安とされています。
肉中心の食事はカルシウムが不足しやすいため、それぞれの含有量を確認しながら調整しましょう。
ビタミン・ミネラルの不足にも注意する
手作りご飯は、使う食材によってビタミンやミネラルの摂取量が変わります。
食材の種類をそろえるだけでは必要量を満たしているか判断しにくいため、それぞれの食材に含まれる栄養素も確認することが大切です。
毎日与える場合は、犬の年齢や体重に合った栄養基準と照らし合わせながら、不足がないように調整しましょう。
犬の手作りご飯に使ってはいけない食材
犬の手作りご飯では、人が普段食べている食材でも犬には与えないほうがよいものがあります。
ここでは、犬の手作りご飯に使ってはいけない代表的な食材を説明します。
玉ねぎ・長ねぎ・ニラなどのネギ類
玉ねぎ・長ねぎ・ニラなどのネギ類には、犬の赤血球に影響を与え、溶血性貧血を起こす成分が含まれています。
加熱しても安全になるわけではないため、生でも加熱後でも手作りご飯には使用しません。
成分が溶け出した煮汁やスープなども与えないようにしましょう。
ぶどう・レーズン
ぶどうやレーズンは、犬が食べると急性腎障害を起こすことがあります。
中毒を起こす量には個体差があり、少量なら安全とは言い切れません。
生のぶどうだけでなく、乾燥させたレーズンも手作りご飯には使用しないようにしましょう。
チョコレート・カカオ製品
チョコレートやカカオ製品には、犬が分解しにくいテオブロミンやカフェインが含まれています。
摂取すると嘔吐や下痢、震え、けいれんなどの中毒症状が現れることがあるため注意が必要です。
カカオの含有量によって危険な量も変わるため、手作りご飯には使用しないようにしましょう。
犬に与えてよいか分からない食材は自己判断で使わない
人が普段食べている食材でも、犬にとって安全とは限りません。
安全性や適切な量が分からない食材は自己判断で加えず、使用を控えるようにしましょう。
手作りご飯に取り入れたい食材がある場合は、与える前に獣医師へ確認すると安心です。
犬の手作りご飯を作るときの注意点
犬の手作りご飯を作るときは、食材選びだけでなく、味付けや加熱方法、食べやすさにも注意が必要です。
ここでは、犬の手作りご飯を安全に作るために確認したい注意点を説明します。
人間用の味付けをせず塩分や調味料を控える
犬の手作りご飯は、人間の料理のように塩やしょうゆなどで味付けする必要はありません。
調味料を加えると塩分などの摂取量も増えてしまうため、基本的には食材そのものを調理し、人間用の味付けをせずに与えましょう。
肉や魚は食中毒を防ぐため適切に加熱する
生や加熱不足の肉・魚には、食中毒の原因となる細菌などが付着していることがあります。
肉や魚は中心部までしっかり火を通し、生の部分が残らないようにしましょう。
加熱後は、犬がやけどをしない温度まで冷ましてから与えます。
骨や硬い食材による喉や消化管の事故に注意する
骨や硬い食材は、喉に詰まったり、口の中や消化管を傷つけたりすることがあります。
特に骨は噛むと鋭く割れる場合があるため、あらかじめ取り除いておきましょう。
硬い食材も、犬が無理なく食べられる大きさや硬さにしてから与えます。
食事量は体重・年齢・活動量などに合わせて調整する
手作りご飯の量は体重だけで決めず、年齢や活動量も含めて必要なエネルギー量に合わせます。
同じ体重でも、成長段階や日々の運動量によって必要な食事量は異なります。
与え始めたあとは定期的に体重を確認し、増減を見ながら食事量を調整していきましょう。
完全手作りとトッピングでは気をつけるポイントが違う
犬の食事に手作りの食材を取り入れる場合は、完全手作りにするか、総合栄養食へのトッピングにするかによって注意点が異なります。
ここでは、完全手作りとトッピング、それぞれで確認したいポイントを説明します。
完全手作りは長期的な栄養バランスまで考える
完全手作りでは、1日の食事から必要なエネルギーや栄養素をきちんと摂れるように考えることが大切です。
たんぱく質や脂質だけでなく、ミネラルやビタミンも犬の年齢や体重に合わせて調整します。
同じ献立を長く続ける場合は、特定の栄養素が不足したり多くなったりしないように注意しましょう。
トッピングは総合栄養食のバランスを崩さない量にする
総合栄養食に手作り食材を加えると、その分だけ1日の摂取カロリーや栄養量も増えます。
トッピングが多すぎると総合栄養食を食べる量が減り、栄養バランスが崩れることもあります。
トッピングは1日の必要カロリーの10%以内を目安にし、食事全体の量を調整しましょう。
食事を急に切り替えず便や体調を確認する
総合栄養食から手作りご飯へ切り替える場合は、一度にすべて変えず、新しい食事の割合を少しずつ増やしていきます。
その間は便の状態や食欲、嘔吐の有無などを確認し、体調に変化がないか見てあげましょう。
軟便や下痢、嘔吐などがみられた場合は、無理に切り替えを進めないことが大切です。
犬の手作りご飯で特に栄養管理に注意が必要なケース
犬の手作りご飯に必要な栄養量は、年齢や体重、健康状態などによって異なります。
ここでは、手作りご飯を与える際に特に栄養管理へ注意したいケースを説明します。
成長期の子犬や妊娠・授乳期の犬
成長期の子犬は、成犬とは必要なエネルギーやたんぱく質、カルシウムなどの量が異なります。
妊娠・授乳期の犬も、胎児の成長や母乳の産生に伴って必要な栄養量が変わります。
成犬と同じ食事内容にせず、それぞれの時期に必要な栄養を満たせるように調整しましょう。
シニア犬や体重管理が必要な犬
シニア犬や体重管理が必要な犬は、年齢や活動量、体重の変化に合わせて食事量を調整することが大切です。
減量のために手作りご飯を単純に減らすと、必要な栄養素まで不足することがあります。
定期的に体重や体型を確認しながら、必要なエネルギー量に合わせて調整しましょう。
持病や食物アレルギーがある犬は獣医師に相談する
持病がある犬は、病気や治療内容によって調整が必要な栄養素や食事量が異なります。
食物アレルギーがある場合も、自己判断で新しい食材を加えると症状が出る可能性があります。
手作りご飯へ変更したり新しい食材を取り入れたりする前に、獣医師へ相談しましょう。
まとめ
犬の手作りご飯では、食べられる食材を選ぶだけでなく、エネルギーやたんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを必要量に合わせて組み合わせることが大切です。
特に完全手作りを毎日続ける場合は、肉・野菜・ご飯の比率だけで判断せず、カルシウムとリンを含めた栄養バランスを長期的に確認する必要があります。
玉ねぎやぶどう、チョコレートなど犬に与えてはいけない食材を避け、肉や魚は適切に加熱し、食事量も体重・年齢・活動量に合わせて調整しましょう。
子犬や妊娠・授乳期の犬、シニア犬、持病や食物アレルギーがある犬では必要な栄養管理が異なるため、完全手作りへ切り替える場合や食事内容に迷う場合は獣医師へ相談してください。